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ローデンバックのエッセイ「ブリュージュ」より

2013年06月02日 01:31

Simeon_Solomon.jpg
 外では、路地の睡る静寂に音が増える、反響もする。唯一、微かな風。ざわめく葉群が呻き声が漏れてくる音を立てている大きな樹々の内側に吹き込む。どれほど街が遠いことか! 街は死んでいる! そして、鐘が、彼方で、鳴っているのは、葬列のためだからだ! ああまたここには別の鐘の音、だがあんまりにもおぼろげで、のらりくらりと鳴っているものだ! 黒い花びらが降りそそぐように、遠くの塔の高みから骨壺を香炉のようにゆっくりと振り動かす冷たい灰の骸のように!
(ローデンバック「ブリュージュ」(エッセイ)より抜粋、試訳。)
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the song of my early life

2013年01月14日 16:33

2013114evening snowy storm

the song of my early life
   by Chuya NAKAHARA



  Childhood
The snow over me falling down
Looked like floss

  Boyhood
The snow over me falling down
Looked like freezing rain

  17-19
The snow over me falling down
Looked crushed like sleet

  21-22
The snow over me falling down
Seemed like hail

  23
The snow over me falling down
Appeared a blizzard

  24
The snow over me falling down
Turned quite calm, gentle…


II

The snow over me falling down
Comes falling like blossoms
My hearing the burning firewood a little burst
Heavenly sky freezing, darkened

The snow over me falling down
Was falling with holding out dearly gracefully
Helping hands nostalgically

The snow over me falling down
Looked like feverish tears
Being dim upon the brow

For the snow over me falling down
Thanking Heaven extremely cordially
I prayed to live longer

The snow over me falling down
Was purely chaste as an ice
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鉛色の輪のかずかずは

2012年09月04日 02:33

その考えはまったく馬鹿ばかしいけれど、空は彼女の抱えている何かを内包している。空が、このウェストミンスターの上に広がる空が。ダロウェイ夫人クラリッサはカーテンを開き、見たのだった。ああ、それにしても何という驚くべきありさま! 部屋の向こうに、年老いた女性がこちらをまっすぐに見ているなんて! 彼女は寝るつもりなのだ。そして空だわ、荘厳な空になるでしょう、美の内側ではその頬に顔をそむけてしまって、すすけた空になることでしょう、と彼女は思った。それにしても、そこには空が、――灰のように、青ざめて、大きな雲が細くたなびいて疾駆していった。目新しいことだ。風が立つ。部屋の向こうで、彼女は寝るつもりだ。あの年老いた女が動き回り、部屋を横切って窓のそばへやってくるのには目が離せない。彼女は私を見ることができて? ひとが客間で叫んだり笑ったりしているときに、あの年老いた女が、きわめて物音も立てずに、ひとりぼっちで寝床へと向かうのは目が離せない。彼女はブラインドを閉めてしまった。大時計の音が鳴り響く。若い男が自殺した。だけどその女は彼を哀れとは思わない。大時計が鳴り響く、ひとつ、ふたつ、みっつ、その女は彼を哀れとは思わない、なにもかもが進んでゆく。ほら! 年老いた女が灯りを消した! 今では家全体が暗くなった、何もかもが進んでゆくのね、とその女は繰り返した、ことばが出てきた。「もはや太陽の熱に怯えるな。」その女はみんなのところへ戻らねばならない。だけど、なんておかしな夜なんでしょう! その女はどことなく――自殺した若いその男と同じような気持ちになった。みんなが生き続けているのに、彼がそれをやってのけて、投げ出してしまったので、その女は嬉しかった。大時計が鳴り響いていた。鉛色の輪のかずかずが、大気中へと熔けていった。もどらなくちゃいけない。集まらなくっちゃ。サリーとピーターを見つけなきゃいけない。やがて、その女は小さな部屋から出て行ったのだった。

(ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』より(抜粋)、Shallot B.訳)
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イニスフリーの湖島

2012年08月30日 22:22

【イニスフリーの湖島】(1892)
W.B.イェイツ作
Shallot B.訳

さあ 立ち上がってイニスフリーの島へ行こう、
そうして 土と小枝でできた、ほったて小屋を建てよう。
そこで僕は 豆の畝をここのつと、蜜蜂の巣を持とう、
そうして 蜂のうなる林間の空き地で 独り暮らそう。

そうして そこではなんぼか平穏だろう、だって平穏がゆっくりと滴るからさ、
蟋蟀が歌いかける朝の帳(とばり)から滴るからさ。
そこでは 真夜中がなべて微かな光、真昼は紫いろの燦光、
それから夕暮れはなべて鶸(ひわ)の羽。

さあ 立ち上がって行こう、だっていつも 昼夜を問わず、
岸辺にはひたひた音を立て、湖水が打ち寄せているじゃないか。
僕が路上や、灰色をした歩道の上に立っているときだって、
心の芯の奥深くから、僕はその音が聞こえてくるのさ。
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中也の「四行詩」

2012年05月18日 16:44

A Quatrain
      by Chuya Nakahara
      trans. by Shallot B.

You should go back to your quiet place.
Behind many lights of the nights in the city,
Now take a way to the edge with your pace--
Then strain your ears to hear your pity.




【四行詩】
     中原中也 作

おまへはもう静かな部屋に帰るがよい。
煥発する都会の夜々の燈火を後に、
おまへはもう、郊外の道を辿るがよい。
そして心の呟きを、ゆつくりと聴くがよい。
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