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煩悶

2004年07月30日 01:39

 彼女は僕に、絶え間なく打ち砕かれてきた野心を許させてくれるだろうか、――裕福な最期は窮乏した時代を償うのだろうか、――サクセスの1日は、どうしようもない不器用さっていう羞恥心の上に、俺らを眠らせるのだろうか、
 (あぁ椰子の木々、ダイヤモンド!――愛情よ、強さよ!――どんな喜びや栄耀よりも、もっと高く!――どんなやり方でも、どこにあっても、――悪魔や神に頼っても、俺自身というこの存在の青春を費やしても!)
 科学的な魔法の発見や社会的な友愛の運動は、原初的な誠実が少しずつ取り戻されるように、重要視されるようになるんだろうか?…
 しかし俺らを従順にしてしまう女吸血鬼は、彼女が俺らに残したモノで満足しなさい、そうじゃなきゃ俺らはもっと狂っちまうだろう、って命令する。
 転がり堕ちていくよ、倦怠の空気と海を抜けて、傷の中へと。破壊的な水と大気の静寂を抜けて、苦悶へと。凄まじい荒波の静寂の中で、嘲笑っている凄惨へと。
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神秘的

2004年07月29日 01:37

 勾配の斜面で、鉄で出来たエメラルドの牧草地で、天使たちがウールのドレスをくるくると廻している。
 燃え立つ草原は丘の頂まで跳ね上がる。左側では、山の尾根の腐葉土が、あらゆる殺人とあらゆる戦闘によって踏み躙られていて、そうしてあらゆる悲惨な物音が、その曲線を紡ぎ出す。丘の右側の背後には、東方の、進歩の戦線。
 絵画の上の方には、帯が、海の法螺貝や人間の夜が回転し、跳ね上がるざわめきから形取られているのに反して、
 バスケットのように、星や空やそれ以外のもので飾り立てた優しさが、勾配の斜面に降りてくるが、――僕たちの額に向かって、優しさはその下に花咲き乱れる、青褪めた深淵を造り出す。
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2004年07月26日 01:33

 クリスタルの灰色の空! 奇妙な橋の素描画、こちらのものはまっすぐに、あちらのものはまぁるくなって、それらの上に、隅の方では別の橋が降りてゆき、或いは斜めを向いて、それからこのカタチは、運河の上へと照らし出された他のまがったものの中で、また繰り返されていて、しかも丸天井でいっぱいの両岸に落ちていて、小さくなってる全てのものは、とても長くて軽いもの。これらの橋のいくつかは、まだあばら家を積まれてる。他のものは帆柱や信号、か細い欄干を支えてる。短調の調べが交差して糸を引いている。網が土手を持ち上げている。赤いジャケットとか、たぶん他の衣装とか楽器とかは見分けられる。それは歌謡曲か、貴族たちのコンサートの切れ端か、讃美歌の余韻なのかな? 水は灰色蒼い色、海峡のように広がっている。――空の高いところから抜け出して、白い光の一筋が、この喜劇をかき消してしまった。
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野蛮人

2004年07月25日 01:32

 日々や季節、それから人間や国々のはるか後に、
 北極の海と花々(それらは存在しないけど。)、それらの絹布の上には、血の滴る肉で作られた天幕。
 勇壮な古めかしい軍楽を再生されて――それはまだ心と頭を蝕むけれど――古代の暗殺者とはほど遠い――
 あぁ! 北極の北極の海と花々(それらは存在しないけど。)、それらの絹布の上には、血の滴る肉で作られた天幕。
 やわらかなもの!
 燠、氷雨混じりの突風が降り注ぎ、――やわらかなもの!――ダイヤモンドの風混じりの雨に炎を――僕らのために永遠に炭化された大地の心が投げつけたんだ。――あぁ世界よ!――
 (かつての氷河期や炎からは遠く離れて、人はそれを聞くのです、人はそれを解るのです、)
 燠とうたかた。音楽、深淵の回転と、氷塊の天体への衝突。
 あぁやわらかなもの、あぁ世界、あぁ音楽! そうしてあそこに、漂っているよ、人影、汗、髪と瞳。それから白い涙、煮え立っているよ、――あぁやわらかなもの! ――それから北極の火山と洞穴の奥底に届けられた女性の声。
 天幕……
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民主主義

2004年07月24日 01:30

 「酷く汚れた風景には国旗が相応しい、それから俺たちの訛りが太鼓の音をかき消すぜ。」
 「中心街で、何より破廉恥な売春を流行らせよう。俺たちは筋の通った抵抗を虐殺してやるんだ。」
 「みだらで水浸しの国々でさ!――工業目的にしろ、軍事目的にしろ、イチバン酷い搾取っていう兵役ではさ。」
 「どこであろうと、ここにはサヨナラ。メチャやる気の新兵である俺たちは、獰猛な哲学を持つんだろう。科学には無知を、快適さには狡猾を。やがて来る世界には破壊を。それがホントの進軍さ。前へ、進め!」
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歴史的な夕暮れ

2004年07月24日 01:29

 たとえば、この世の金銭沙汰から遠く離れた、純朴な旅人がみつかるような夕暮れならいつでも、巨匠の手は草原のチェンバロに命を吹き込むんだ。沼、妃やちぃ姫を思い出させる鏡の奥底で、人々はトランプをしている。聖女やヴェール、琴糸、伝説にある色合いが、夕暮れの空には浮かんでる。
 狩人たちと遊牧民が通り過ぎゆくと、彼は身を震わせるんだ。喜劇は芝草の舞台から滴り落ちる。それから、くだらないショットでは貧乏人と弱者どもの苦境だってさ!
 彼のガンジガラメの幻に対して、ドイツは月に向かって足場を組み上げる。タタールの砂漠が照らし出される。天空の帝国の中心では古代的な反乱が蠢いている。国王の階段と王座の傍で――蒼褪めて平な小世界がアフリカと西洋を築き上げつつある。やがて月並みな海と夜とのバレエ、価値のない化学、それから有り得ない旋律。
 郵便馬車が我々を降ろすところにはどこでも、同じような俗っぽい魔法! 最も原理的な物理学者は、この個人的な雰囲気、つまり肉体的な後悔という霧に流されてしまうことはもはや可能ではないと感じている。その確認自体が既に苦悩なのだ。
 厭だ! 蒸風呂のような暑さの中、荒れ騒ぐ海洋、地下の炬、激昂しやすい惑星、そして筋の通った絶滅の瞬間。聖書の中で、そしてノルンによって殆ど悪意なく指摘されてきた確実なこと、誠実な人には注意させたのだろう。――そうしている間にも、それはまったく伝説的な結果などではないのだろう!
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戦争

2004年07月23日 01:28

 子供のころ、ある種の空が、僕のものを視る力を研ぎ澄ませてくれた。全ての特性が僕の顔つきに含みを持たせている。いくつかの現象が起こった。――現在、瞬間という永遠の時間の屈折と数学的無限が、奇妙な子供っぽさと途方もない愛情によって大切にされてきた全市民的成功を僕が被ってきたこの世界から、僕を追い立てる。――権力と武力、まったく予測もつかない論理の、一つの『戦争』ってヤツを僕は想う。
 そいつは音楽のワンフレーズと同じくらい、簡単なものなんだ。
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大洪水のあと

2004年07月22日 01:28

 大洪水の観念が据えなおされるとすぐに、
 揺れる岩黄耆と釣鐘草の中で、一匹の野うさぎが立ち止まり、蜘蛛の巣の向こう側の虹に祈りを捧げた。
 あぁ 潜んでいた宝石たち、――夙に見抜いていた花々。
 汚れた大通りには屋台が建ち並び、版画面のように海は高く高く重ねられて、小舟は数隻引かれて行った。
 血が流れたんだ、青髭の家で、――屠殺場で、――円形闘技場で。そこでは神の印が窓を蒼褪めさせた。血とミルクが流れた。
 ビーバーが家を築いた。小さいカフェで『マザグラン』が湯気を立てていた。
 まだびっしょり濡れているガラス造りの屋敷では、喪服の子供たちが目を見張るようなイコンを見詰めていた。
 一つの扉がパタンと閉じて、小さな村の広場で、一人の子供が両腕を振り回すと、輝きに満ちた嵐の中で、それはあちらこちらで鐘楼の風見鶏たちに理解された。
 ***夫人がアルプス山脈の中に、一台のピアノを据えつけた。ミサと聖体拝領の儀式が、大聖堂の幾百万の祭壇で執り行われた。
 商隊が出発した。そして『スプレンディッド=ホテル』が氷塊と混沌と極地の夜のうちに建設された。
 それ以来、月はジャッカルが麝香草の砂漠で鳴いているのを、――そして果樹園で蹄をつけた牧歌が唸っているのを聞いた。それから菫色の樹海で 樹々が芽吹き始め、やがてユーかリスが僕に春だと告げた。
 湧き上がれ、水よ、――うたかたよ、橋の上を、そして樹々の上を転がっていけ。――黒幕とオルガン、――閃光と雷鳴、――湧き上がって転がるんだ。――水と哀しみよ、『大洪水』を湧き立たせて満たすがいい。
 それというのも、大洪水が晴れ上がってしまってから、――あぁ 埋れた宝石たち、そして開き切ってしまった花々よ! ――物憂いことだ! つまり女王、大地の壷の燠に火を灯す魔女は、決して僕らに彼女の識っていること、僕らの識らないことを話したがらないだろう。
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おはなし

2004年07月21日 01:25

 ある王子は、低俗な寛大さという美点にしか決して一生懸命になれなかった自分に、厭気が差していた。彼は驚くべき愛の革命を予見していた、しかも女たちが天蓋と贅沢で飾られた嬌態をつくよりはマシなことができるということにも気付いていた。彼は真実を、本質的な欲と満ち足りた時間を、見てみたかった。それが信仰の逸脱であったとしてもそうでなくても、彼は望んでいた。少なくとも、充分に絶大な人間的権力を、彼は持っていた。
 ――彼を識った女たちは皆、惨殺された。美しい花園の、何という蹂躙! 刃の下で、女たちは彼を祝福した。彼は全く新しい女どもなど、要求しなかった。――女たちは再び現れた。
 狩や酒宴のあとで、彼は自分に従った全ての者を殺した。――皆、彼に従った。
 彼は贅沢な獣の喉を斯き切って暇をつぶした。宮殿に炎を放つように命じた。人々に襲いかかり、ずたずたに切り刻んだ。――人間も、金色の屋根も、獣も、再び存在した。
 人は、殺戮の中で恍惚とし、惨殺によって若返ることができるのだろうか! 人々は不平を言うこともなかった。助言を申し出ることもなかった。
 ある晩、彼は堂々と馬を走らせていた。まさに言葉にならない、人にも打ち明けられないほどに美しい、一体の精霊が現れた。彼女の表情と物腰からは、多様で複雑な愛の約束が浮かび上がっていた! まさに言い難く、耐えられないほどのしあわせな約束が! 王子と精霊は、多分、本質的な精気の中へと消えていった。どうして彼らが死んだ筈がないだろう? つまり彼らは共に死んだのだ。
 しかし、この王子は逝去なさったのだ、彼の宮殿で、当然の年齢で。王子は精霊だった。精霊は王子だった。

 巧みな音楽が、ぼくらの欲望には欠けている。
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出発

2004年07月20日 01:23

見てしまった。幻はあらゆる空に見出された。
得てしまった。都市の喧噪、夕暮れ、そうして陽だまりの中で、いつまでも。
識ってしまった。生命の休止。――あぁ「喧噪」と「幻」!
真新しい感情とざわめきの中の出発!
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