愛する人に捧げた歌は…

2006年01月30日 04:43

蘇我鞍作入鹿泣き顔

 たとえ、それが戯れの恋であっても、恋していたときは、きっと本気だったかもしれない。

 さて、本日のネタは、蘇我入鹿についてでございます☆

 金持ちのおぼっちゃん。
 おじいさんは蘇我馬子。偉大な政治家と讃えられた。親父はボンクラ。おじいさんの威光を笠に来て、経済力に力を言わせて、天皇家を操ろうとしてる。
 天皇家では、次の天皇を誰にするのかで、かなりもめている。恋人の宝ちゃんは、息子中大兄を次の天皇にしたいらしいが、当の皇子は、謙遜してやがる。最近じゃ何だか知らないが、中臣鎌足とべったり。あんな貧乏司祭の家柄の奴なんかとつるんで、どうするつもりだ。
 きっと、そんなことを考えながら、やり場のない倦怠感を抱きつつ、毎日宮に出勤しては、愛人の宝皇女の、息子への片思い&愚痴をきかされていたに違いない。

 14年くらい前に読んだ、大好きだった本。『天武天皇 隠された正体』。著者は、関裕二という人。近所の本屋さんで、塾の行きに見つけて、お小遣いはたいて買った本。夢中だった。今はワニ文庫から出ているらしいけど。
 この本の中に、面白い仮説が出てくる。

 日本書紀に、「斉明天皇は百済救済のため筑紫に赴くが、斉明七年(661)、筑紫・朝倉宮(橘広庭宮)で崩御した。その遺骸を大和へ運ぶ舟中で、息子の中大兄皇子(天智天皇)は、亡くなった母斉明天皇を哀慕しての以下の歌を詠んでいる。」というシーンがあるけれど、それが、コレ。

 冬十月、癸亥の朔にして己巳の日、天皇の喪、帰りて海に就きき。ここに皇太子、一所に泊はてて天皇を哀慕しのび奉り給ひ、すなはち口づから号ひ給ひしく、
   君が目の恋ほしきからに泊てて居て
       斯くや恋ひむも君が目を欲り

 大好きな本の中では、この一首は、中大兄が母に宛てた歌にしては、気色悪い、明らかに恋人に宛てた歌だろう、これは斉明天皇が入鹿に宛てた歌だろ、というもの。

 うん、確かに、「君の瞳が欲しい」ってのは、母子間の歌だと、かなり気色悪い。
 どっちがどっちに宛てた歌でも良いけれど、入鹿さんと宝さんの間に遣り取りされた歌だったら、なんか大人っぽくていい感じ☆

 というわけで。
 久しぶりに入鹿について語っちゃいました☆ 私の認識は、「お金持ちのおぼっちゃん。権力闘争に巻き込まれた、被害者。政治的手腕はあんまりなかったけど、一生懸命だったんじゃないか?」って感じ。

 大好きな歴史上の人物の一人です☆

la noire neige

2006年01月26日 00:59

黒く 燻され 焦げついた 瓦礫
瓦礫 瓦礫 瓦礫 瓦礫
熱く 煙が 立ち昇り 黒く
焦げた 瓦礫 瓦礫

ぼたり ぼたり 白い 雪が
落ちて きた 雪 雪
雪 雪 雪 雪 ぼたり ぼたり

瓦礫 の上に へ張り ついて
音も 無く へ張り ついて
灰色 焦げた 雪と 煙
ぼたり ぼたり ぼたり ぼたり

白く 埋まった 瓦礫 冷たく
雪に 覆われ 煙 消えて
白い 氷 白い 氷 雪 雪

遠い 空から 光 一筋
      光
     光
    光

やがて 雪は 氷は 溶けて
黒い 水と なって 流れ
瓦礫は 黒く 黒く 焦げて

あぁ その 瓦礫 からは
 腐った 屍骸
 黒い 血 流れ
黒い 雪解け 水に 混じる
 黒い 血 腐った 屍骸 

自分を喩えるバトン。

2006年01月23日 00:56

COSB1

↑自分の楽しい時の気持ちを喩えると、こんな感じ。
COSB2

↑自分の暗いときの気持ちを喩えると、こんな感じ。
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HOTEL RWANDA

2006年01月22日 00:26

HOTEL RWANDA

1994年のある日、ルワンダに長年続いてきた民族間の争いが虐殺に発展する。世界中がこの虐殺を黙殺する中、ホテルの支配人ポールが、国の危機的な情勢にのみこまれていく…

 日本での公開のための、公式サイト(http://www.hotelrwanda.jp/index.html)があるので、ストーリーなど詳しいことはこちらを参照してください。

 さて。以下はShallotの個人的な感想です。
 国際社会って、一体なんだろう。何のための国際社会なんだろう。虐殺を黙殺するのが、国際社会なの?
 どうしてそこまで隣人を、話す言葉も容姿も変わらない、同じ民族かもしれない、友達を、隣人を、鉈で切り殺すことが、銃殺することが、それは本当に人間のすることなの?
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東京の雪

2006年01月21日 23:35

ビュフェの冬


【雪の賦】 中原中也 作(『在りし日の歌』より)

雪が降るとこのわたくしには、人生が、
かなしくもうつくしいものに――
憂愁にみちたものに、思へるのであつた。

その雪は、中世の、暗いお城の塀にも降り、
大高源吾の頃にも降つた……

幾多々々の孤児の手は、
そのためにかじかんで、
都会の夕べはそのために十分悲しくあつたのだ。

ロシアの田舎の別荘の、
矢来の彼方に見る雪は、
うんざりする程永遠で、

雪の降る日は高貴の夫人も、
ちつとは愚痴でもあらうと思はれ……

雪が降るとこのわたくしには、人生が
かなしくもうつくしいものに――
憂愁にみちたものに、思へるのであつた。
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降る雪は…

2006年01月21日 01:39

雪の日の円形

降る雪は あなにな降りそ 吉隠の
  猪養の岡の 寒からまくに

        穂積皇子(万葉集203)

     *   *   *

舞い降りてくる雪 どうか
降らないでほしい 
 あのひとの眠る 岡が冷たく凍ったなら
 あのひとは眠る 寒いよう、って凍えながら
だから どうか 降らないで
凍えた肌が 痛ましいから
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枯葉の形のお月様

2006年01月19日 01:33

冷たい金の 光が射して
凍える鉄骨 溶け出して
錆びた皮膚から 流す涙は
苦い 苦い 血の香り

雪が降らぬか 降ればいいな と
暗い天を 仰いでは
白い吐息を 立ち昇らせます

無条件バトン☆

2006年01月17日 01:40

大好きなブログのAKINONAさんから「無条件バトン」が廻ってきました☆
Shallotらしく、答えてみようかと思います…(汗)*^-^*

▽無条件にときめく~な三人
Shallotのミーハーは止まらない…
美形のお兄さんシリーズで♪
1.東山紀之風のジャパニーズで、「源氏物語」の柏木を演じられそうな、26歳から33歳くらいまでの美青年。
2.フランス系の美青年で、ストレートヘアの美しい長髪のお兄さん。
23歳くらいから28歳くらいの、メロコアをピアノ弾きながらシャウトしてくれるのが似合いそうなひと。
3.昔懐かしいシャズナのイザムくんみたいな、カワイイ系のお兄さん。
18歳から25歳くらいの、クロスジェンダーっぽいひと。

▽無条件に嫌い(どんなものでも)三つ
1.電車で落ち着きのない子供。
2.酔っ払い。歩き煙草。
3.言い訳。

▽無条件にお金をかけられる五つ
1.美術館めぐり
2.展覧会の絵葉書(現在収納場所に困り始めている)
3.読みもしないのに買ってしまう文学系の研究書
4.メロメタルのCD
5.カワイイぬいぐるみ(小さいもの)

▽無条件に好き(どんなものでも)三つ
1.カディンスキーの絵画
2.素晴らしい詩
3.フランス語

▽無条件に回す五人
お友達少ないんです…(涙)
誰か貰ってくれるひとがあれば、宜しくお願いします☆

春を待ち侘びて

2006年01月15日 23:11

ジェルブロイ家の庭

窓から灯りがこぼれています
薔薇の香りに噎ぶほど
春の夕暮 草の香り
そして母のシチューの匂い

窓から灯りがこぼれています
暖かなランプの優しい灯りが
窓からあふれているのです

もう、春はもうすぐです

冷たい雨の降る午後に

2006年01月14日 22:59

Rosen Richter

あの雨の日の午後
薔薇が語っていたこと

この記憶は薄れていく
私はいつしか腐ります
けれど、雨の頃には また
別の薔薇が美しく
誇り高く、咲くでしょう
だから もう 泣かないで

あの雨の日の午後
テーブルのうえの 大輪の薔薇は
黄色い涙を流していました
冷えた空気がリビングを
やり場ない想いで漂いました
あれは もう ずっと昔のことのようです

小さな光の屑

2006年01月11日 01:42

light on the concrete

この路のさきに
水仙の丘が拡がっていればいい
あの日に見た夢の形のように

明けまして

2006年01月04日 23:50

蒼ぉい 蒼ぉい 夜が明けて
蒼ぉい 蒼ぉい 世界は拡がり

みんなが みんな 同じよう
今年もよろしゅう って言います。

私も 今年もよろしゅうって言いながら
――ふぅっと寂しくなりました。


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