2006詩神を呼ぶ美術展 BEST10

2006年12月31日 04:00

今年も色々行ったな~。。。
旅系が多かったのは気のせいかなァ。。。*^-^*
楽しかったな♪

というわけで、『2006詩神を呼ぶ美術展BEST10』で御座います☆

1位 『川瀬巴水展』(ニューオータニ美術館、8月下旬)
  この展覧会の前に、千葉市美術館で海をテーマにした展覧会をやっていて、そのとき「巴水さんって素敵な版画家なんだナァ~☆」って思ったのだけど、それから間もなくこの展覧会を知って、ホント行ってよかったァ~~☆☆ってドキドキでした。
 巴水さんの蒼は、驚くほど透明で、新橋の雨の夜を描いた版画は、とてもとても涙が湧き上がってくるような感覚を覚えました…。大正から昭和にかけての浪漫的な情景を、あのえもいえない灰色と青で描き出すその審美性には目を瞠るものがあります。室生犀星の短編小説を思い出しつつ、太宰の世界を描きつつ、じっくりじ~んと楽しめた展覧会でした☆
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Winter's Going Away

2006年12月29日 01:36

枯れ葉の上に狂い咲く
つつじの花の足元で
冬は
息たえようとしている

冷たい春風の中で
感じられるのは
夏の強い鼓動
強大な夏の王子が
あまりにも秋を愛しすぎたせい
真冬の野分があまりにも激しすぎたせい

細く長い指先が
しろつめくさに爪立てて
霜の溶けた土を握り締め

雪色の肌に
凍えた涙

銀色の髪を
踏みつけるつつじの花びら
菫色の瞳が
紅くにじんでいる
悔しくて
口惜しくて

この世から
冬が消えゆくことが

la mortification

2006年12月28日 01:51

苦虫を奥歯で噛み潰したような味がした
言葉にならない悔しさ

侮辱はこんな味だったのか

教科書に書いてあったじゃない
「きほんてきじんけんのそんちょう」
「だんじょびょうどう」
先生、嘘ばかり教えないで
悔しいところです
現実の日本社会は

ひとにはそれぞれの良さがあって
それは男と女で分けることはできないと
でもそれが似合うなら、伝統的な価値観もありかな、って
極端なことを唱えるジェンダー思想家にはなれないままきたけれど
中途半端な気持ちで 今まで生きてきたけれど

現実に
「アナタハオンナノコダカラコマヤカナシゴトヲシナサイ」なんて
理不尽なことをいわれると
実際向いていないことだから

だから
悔しかった
自分の能力による悔しさじゃない
それならまだ 自分がふがいないだけで済んだのに

la mortification
――女性名詞。
伝統的価値観に廻し蹴りを喰らわして
粉々に破壊したくなる衝動を抑えられそうもない夜。

失われた冬

2006年12月27日 01:43

真夜中の列車の車窓から
線香花火が ちりっ ちりっ と過ぎ去って
あたりいちめん 真っ白な霧が ぼぅっとひかり
白い森 樹々の枝には 雪がかぶさり
もう光は あってないようなもの

   奇妙に生温い空気
   額に汗が滲む

ふと遠い空に拡がっている
真っ白な丘が
――海が近い ほの暗い海の底が
綿雪を散りばめたような 線香花火が ちりっ ちりっ と
綿雪を散りばめたような 真っ白な 丘

もう 雪は幻のよう
今夜は 暑い夏のよう
この世は 冬を忘れてしまって
もう雪は遠い過去の幻

では あの丘の白は何?

  白詰草の群生
  白亜の雪の結晶の床に眠る
  緑色の薄幕のような額
  頬が 薄紅色に染まり
  あなたは 消えた春を待ってる
  白詰草の群生する床に
  隠れた一輪のちいさな花

嵐がきて
冬が失われたことを告げる雷神
その髪の 金色の美しい揺らめきが
すべてを眠らせる
 

寒い夜の自画像

2006年12月17日 22:53

寒い日の自画像

【寒い夜の自我像】 中原中也 作(『山羊の歌』より)

きらびやかでもないけれど
この一本の手綱をはなさず
この陰暗の地域を過ぎる!
その志明らかなれば
冬の夜を我は嘆かず
人々の憔懆のみの愁しみや
憧れに引廻される女等の鼻唄を
わが瑣細なる罰と感じ
そが、わが皮膚を刺すにまかす。

蹌踉めくままに静もりを保ち、
聊かは儀文めいた心地をもつて
われはわが怠惰を諌める
寒月の下を往きながら。

陽気で、坦々として、而も己を売らないことをと、
わが魂の願ふことであつた!
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哀しい夜の出来事

2006年12月08日 02:45

哀しい夜のできごと

憎しみあっている二カ国の協議
表面的な外交努力
腹の探り合い
仲裁国の苛立ち
――疲弊感……

哀しい夜のできごと

うっかり出たことばが
大切なひとをきずつけて
あぁ、そういうことを
簡単に口にするようになっていることに
気付かぬほど 日常になっていたことに
――ショーック。

哀しい夜のできごと

ひとつ
 ふたつ
  みっつ 重なって
思わずぷちんと千切れたロープ
溢れ出したバケツの水は
床から染み出して
――後悔。

こんな現実が続く
 こんな現実が
  謝らなくちゃ みんなに
   謝らなくちゃ あのひとに

そして

哀しい夜のできごと

自己嫌悪の時間


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