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閏年

2008年02月29日 23:58

手を伸ばして


1980年2月
ばっちゃんが 夕飯の支度をしてる音がする
じったんの すえた煙草 ハイライト
あたしは 団地の畳の上で
母の来るのを待っている

1984年2月
ピアノ教室の鍵盤は
皺のよった象牙でできてる
遠い遠ぃいアフリカの
サバンナで倒れた象を想う

1988年2月
風の強い午後
空を飛びたかった
傘で
弟と二人
1mのフライト

1992年2月
ひとりぼっちの夜道
外灯の下に揺れる
ブランコの苛立ち

1996年2月
雪の日 やるせない朝
ベッドから出ない だだをこねて
金魚があたしを見ては
ニヒルに笑っているよ

2000年2月
伊豆の海は広く
ラッコのぬいぐるみは見てる
遠くイギリスの海を
そしてあたしも あなたも

2004年2月
吐息が白く
輝いた夜
塹壕の下には 霜柱
野心の上には 火柱

2008年2月
冷たい駅のベンチに腰かけ
今夜は何を話そうかって
目蓋を閉じて 考えている
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All's Well That Ends Well

2008年02月29日 01:55

Ship Galleon

五年前、小さな小さなガレオン船は
小さな港より出帆しました

幾たびの嵐をくぐり
幾たびの無風を抜けて

幾つもの港に寄って
幾つもの夜風を受けて

たくさんの仲間が降りて
たくさんの夢が終わり

それでも
たどりついた五人の勇者は

目指した港に着きました
ひとつの旅の終わりです

  *  *  *

ガラス瓶にはシャンメリィ
マスカット味の 泡が昇る
今いちど杯を満たそう

小さな小さな勇者たちの
歌声が夜風に乗って
聞こえてきます

小さな小さな港のはずれの
小さな小さな酒場の夜
今いちど杯を満たそう

五年分の思い出が
女将の心に響きます
今いちど杯を……
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生ひ立ちの歌

2008年02月25日 04:20

私のうえに降る雪は

【生ひ立ちの歌】    中原中也

   Ⅰ

    幼年時

私の上に降る雪は
真綿のやうでありました

    少年時

私の上に降る雪は
霙のやうでありました

    十七-十九

私の上に降る雪は
霰のやうに散りました

    二十-二十二

私の上に降る雪は
雹であるかと思はれた

    二十三

私の上に降る雪は
ひどい吹雪とみえました

    二十四

私の上に降る雪は
いとしめやかになりました……

   Ⅱ

私の上に降る雪は
花びらのやうに降つてきます
薪の燃える音もして
凍るみ空の黝む頃

私の上に降る雪は
いとなよびかになつかしく
手を差伸べて降りました

私の上に降る雪は
熱い額に落ちもくる
涙のやうでありました

私の上に降る雪に
いとねんごろに感謝して、神様に
長生したいと祈りました

私の上に降る雪は
いと貞潔でありました
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死への反抗

2008年02月16日 23:26

夏の残骸

 いや、いや、今、俺は死に反抗する。事業は、俺の誇りには、あんまり安手の代物らしい。俺がこの世に裏切るとも、結句、束の間の責苦だらう。いよいよとなつたら、手當り次第摑みかゝつてやる、……

  (小林秀雄譯『ランボオ詩集』(創元ライブラリ)、p. 66.)
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2008年02月16日 15:09

三人官女のひとり

硲に生存する蝶を
陽の光が刺している
一筋一筋の銅糸が
ぎらぎら光って刺している

硲に生存する蝶の
黒い羽は穴だらけ
岩のごつごつした肌が
か細い足を 刺している

花はすっかり枯れました
一輪の花も見あたらない
かつては小さく溢れた泉も
いまはもう 見あたらない

硲に生存する蝶の
眼に映るのは岩ばかり
遠い雲も太陽も
月も手には届かない

ふらふらと――

stupidity

2008年02月15日 23:55

三人官女の容貌

Shallot, who cares for/about T&M, wishes their happiness.
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レアティーズの旅立ち

2008年02月11日 03:26

Laertes and Ophelia1


シェイクスピア作『ハムレット』第1幕第3場より。
ハムレット王子ラブラブな妹オフィーリアに、シスコンなお兄様レアティーズは心配いっぱいの中、フランスへの再留学を決意、出発する。出発直前、父の書斎で親父譲りのクドイ説教をしまくる兄レアの言葉をよそに、オフィーリアはハムちゃんへの想いを新たにする…(笑)

レアティーズ:……王子は、今はきみを愛しているだろう、
今はどんな下心も嘘も、王子の純粋な意志を汚したりはしないよ、
でもな、御身分が高いだけに、彼の意志は彼自身のものではないってことを
きみは忘れちゃいけないぜ。
彼自身、自分の身分に縛られているんだから。

オフィーリア:この有難ァいお教えは、
胸の見張り番にしておくわね。でもね、兄さん、
罰当たりなお坊さんみたいに、
あたしに天国への険しい茨の道を示しておいて、
自惚れた放蕩者のタラシよろしく
自分は快楽へのピンク街道を歩き回り
自分の言ったことを忘れるなんてことがないようにねっ☆・<☆
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蝶と氷と

2008年02月09日 01:53

蝶二羽

【蝶と氷と】  西條八十
     或る友におくる。

雪林のなかのほの碧い湖に
ただよふ浮水の花がある、
そこへ春になると蝶がくる、
か弱い、ひからびた蝶が。――

蝶は氷の融けるのを待つ、
蝶は孤独の春を識らないのだ、
蝶は氷と春とを楽みたいのだ、
蝶は舞ふ、浮氷のうへを、終日悲しく。

なぜ、アルファの春はオメガの春で無いのか、友よ、
浮氷の融けるころ、蝶は死んでゐる、
浮氷の融けた水は、蝶の骸をおし流すのだ、
往く者と来る者、そして愛する者と愛される者と。――

雪林のなかに、今日も蝶が舞ってゐる、
友よ、
地上は暗い、
疲れはてた蝶の翅に照るもの、――
それは遥かから来る月のひかりだ。
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2008年02月08日 01:43

Black Monday

  【蝶】 
      西條八十[さいじょう・やそ]

やがて地獄へ下るとき、
そこに待つ父母や
友人に私は何を持つて行かう。

たぶん私は懐から
蒼白め、破れた
蝶の死骸をとり出すだらう。
さうして渡しながら言ふだらう。

一生を
子供のやうに、さみしく
これを追つてゐました、と。
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さゐさゐしづみ

2008年02月02日 18:48

Spring Pastel 4


玉衣の さゐさゐしづみ 家の妹に
  物言はず来にて 思ひかねつも

       柿本人麻呂
       (『万葉集』503)
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ほどろほどろ

2008年02月02日 18:31

Spring Pastel 3

沫雪の ほどろほどろに 降りしけば
  奈良の都し 思ほゆるかも

        大伴旅人
        (『万葉集』1639)
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重要なお知らせ

2008年02月02日 18:03

Spring Pastel 2

ブログ記事のタイトルって面白いですね(笑)
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燃えよ天の火よ

2008年02月01日 01:55

Spring Pastel 1


君が行く 道の長手を 繰り畳ね
   焼き滅ぼさむ 天の火もがに

          狭野弟上娘子(『万葉集』15巻3724)

(あなたが行く長い長い道を、たぐりよせたたんで、
焼き尽くしてしまう天の火が欲しい。)
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