runny power of life

2008年10月24日 01:10

夕餉のスープ
無愛想な蛍光灯
揺れる雨の夜の郊外列車は
あまりにも無表情です

全身の肉体から
力が削げ落ちて
立てかけた傘のつま先からは
runny power of life

今夜はあったかいスープが飲みたいね、って
サヨナラ間際に話した彼女は
今頃どうしているかしら
居間でぐったりしているかしら

かく言う私はテーブルの上
愛する人のお手製スープが
湯気をあげて 香りは高く
大好きなベーコンで ほっとひといき

無愛想な夜の雨
シャワーといっしょに
runny power of life
排水溝へと ミスも後悔も
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quatrain

2008年10月22日 13:51

汚れつちまつた悲しみに…―中原中也詩集 (集英社文庫) (集英社文庫)汚れつちまつた悲しみに…―中原中也詩集 (集英社文庫) (集英社文庫)
(1991/01/20)
中原 中也

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quatrain
           written by Chuya Nakahara

You had better go back to your room very calm.
Behind the glaring lights of the night after night,
You had better follow a path in the outskirts. And then,
You should listen carefully to your murmuring from your heart.

           (trans. by Shallot B.)



   四行詩

おまへはもう静かな部屋に帰るがよい。
煥発する都会の夜々の灯火を後に、
おまへはもう、郊外の道を辿るがよい。
そして心の呟きを、ゆつくりと聴くがよい。
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The Twilight of This Spring Day

2008年10月18日 23:32

だるまるのうた3

【The Twilight of This Spring Day】
written by Chuya Nakahara
trans. by Ry Beveille

Metal munching on cracers of rice
The twilight of this spring day is calm
A handful of ashes tossed and turning pale
The twilight of this spring day is silent

Wait! Could there be a scarecrow? ―probably not
The whinny of horse? ―not a whinny either
And together with the filmy glimmer of the moon
The twilight of this spring day goes on as ever

Little by little, the temple in the pasture reddens
The wheel of a horse-drawn wagon is dripping oil
If I make some kind of remark at this historical moment
I'm heckled―heckled by the sky and mountains

A single tile has loosened from its place
And now without the slightest sound
The twilight of this spring day
Begins to seep into its vein



munch: むしゃむしゃ食べる
A handful of: 僅かな
toss: (ボールなどを)放り投げる
scarecrow: かかし
whinny: 馬のいななき
together with~:~に加えて、~と共に
filmy: 靄のように霞んだ
glimmer: 微かな光、ちらちらする光
go on: 進み続ける
as ever: いつものように
redden: 赤くなる
wagon: 四輪荷馬車
make remark: (意見などを)言う
heckle: (演説者を)しつこくやじる
loosen from: 解き放たれる、ばらばらになる
seep into: ~へしみこむ

Poems of the Goat: Yagi No UtaPoems of the Goat: Yagi No Uta
(2002/01/10)
Chuya NakaharaRy Beville

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ゲッセマネの祈り@ジョルジョ・ヴァザーリ

2008年10月14日 21:52

ゲツセマネの祈り(西美)

国立西洋美術館所蔵の絵画で、お気に入りのものを紹介してみようかと思い、
ふと記事を書いています。

ジョルジョ・ヴァザーリ( 1511- 1574)の『ゲッセマネの祈り』(1570年頃(?))です。

実は、福音書のヨハネくんに惚れてから随分たちますが、
このヨハネくんは、マジカワイイ!!>▽<

イエスが「起きていなさい」って言った傍から眠りこける三人。
ユダに伴われた人々が、もうゲッセマネの園の入り口まで来ています。

とってもドラマチックな逸話のひとつなのですが、
そのドラマチックな様子がドキドキするほどに伝わってくる一枚です☆

初夏の夜に

2008年10月13日 01:14

だるまるのうた2

【初夏の夜に】 中原中也 作

オヤ、蚊が鳴いてる、もう夏か――
死んだ子供等は、彼の世(あのよ)の磧(かはら)から、此の世の僕等を看守つてるんだ
彼の世の磧は何時でも初夏の夜、どうしても僕はさう想へるんだ。
行かうとしたつて、行かれはしないが、あんまり遠くでもなささうぢやないか。
窓の彼方の、笹藪の此方(こちら)の、月のない初夏の宵の、空間……其処に、
死児等は茫然、佇み僕等を見てるが、何にも咎めはしない。
罪のない奴等が、咎めもせぬから、こつちは尚更(なほさら)、辛いこつた。
いつそほんとは、奴等に棒を与へ、なぐつて貰いたいくらゐのもんだ。
それにしてもだ、奴等の中にも、十歳もゐれば、三歳もゐる。
奴等の間にも、競争心が、あるかどうか僕は全然知らぬが、
あるとしたらだ、何れにしてもが、やさしい奴等のことではあつても、
三歳の奴等は、十歳の奴等より、たしかに可哀想と僕は思ふ。
なにさま暗い、あの世の磧の、ことであるから小さい奴等は、
大きい奴等の、腕の下をば、すりぬけてどうにか、遊ぶとは思ふけれど、
それにしてもが、三歳の奴等は、十歳の奴等より、可哀想だ……
――オヤ、蚊が鳴いてる、またもう夏か……

        (1937.5.14)
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ハロルド、ポルトガルに到着

2008年10月11日 22:07

だるまるのうた1

【チャイルドハロルドの巡礼】第1編より、14連
    バイロン作  Shallot B.訳

14
先へ、先へと船は疾駆し、陸は退き、
やがて 風がビスケイ湾の荒波に狂い立つ。
4日が過ぎて、5日目にしてまもなく、
新たな岸辺が見えて来て、みんなの胸が楽しくなるんだ。
シントラの山が路行く船に会釈する。
伝説の金の貢物を捧げるべく、
タホ川は湾の深みへと流れ込んでいる。
やがてはルシタニアの水夫が飛び乗り、
農夫たちのまだほとんど刈入れていない肥沃な岸辺の合間を抜けてゆく。
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ハロルドの餞別

2008年10月10日 20:30

奈良の三笠焼きの小鹿ちゃん

【チャイルドハロルドの巡礼】第1編より、13連挿入歌
    バイロン作  Shallot B.訳

「さよなら、さよなら!  故里の岸は消えてゆく
 青海原のむこうがわ。
夜風は嘆き、砕けた波は響き渡り、
  悲鳴をあげているのはカモメ。
彼方《あなた》の太陽 海へと沈み、
  僕らは彼の後を追う。
太陽と君に しばしのさよなら、
  故里の土よ、――おやすみ! さよなら!

「しばらく経てば、陽はまた昇り、
  朝に生を吹き込むだろう。
海と空とに敬礼する僕、
  故里の土にはままならない。
立派な屋敷は寂れてしまい、
  暖炉に火の気もありはしない。
壁には草がはびこって
  犬は門で吠え立てる。

「おいで、おいで、少年よ
どうしておまえは泣き叫ぶんだ?
波の怒りが怖いのかぃ、
  風に脅えているのかぃ?
瞳の涙を拭きなさい、
  船は速くて頑丈だ。
どんなに速い鷹であっても
  楽しく追い越せはしまいから。」

「風など嘆かせておけばいい、波などうねらせておけばいい。
  僕は波も風も恐れはしません。
でもハロルド様、びっくりなさらないでほしい、
  自分の心が悲しみに満ちているのです。
僕は愛する父と母とに
  別れを告げてまいりました。
海と波とを別にすれば、親しい者もありません、
  あなたと、――天の神様だけです。

「親父は本当に祝福してくれ、
  あまり嘆きもしませんでした。
けれど僕が帰ってくるまでは
  母はどれだけ嘆くんでしょうね。」
「もういい、もういい!
  おまえの目には涙が似合うぜ、
僕におまえの純心があれば、
  僕の眼も乾かないのに。」

「おいで、おいで、従僕よ、
  どうしてそんなに蒼褪めているの?
フランス兵が怖いのかぃ、
  風に震えているのかぃ?」――
「私が自分の命のために慄いているとお思いですか?
  ハロルド様、私はそんなに弱くはござらん。
けれども 傍にはいない妻を思うと
  いちずな頬が蒼褪めるのです。

「私の妻も息子たちも、湖の傍、
  お屋敷近くに住んでおります。
息子が父を呼んだなら、
  妻はどうして答えるでしょう?」――
「もういい、もういい、
  おまえの嘆きを否定はしまい。
けれど、軽やかな気分の僕は、
  さっさと離れて笑いたいんだ。」

「妻や恋人のうわべだけの嘆きを
  信じる奴がどこにいる?
ついさっきまで涙していた綺麗な碧い瞳を、
  新たな男が乾かすだろう。
過ぎた歓喜も迫る危難も
  僕はどちらも嘆かない。
僕のいちばん悲しいことは、
  涙を求めるものは何も残して来てはいないこと。

「今や僕はこの世にひとり
  広い広い海にひとり。
誰も僕を惜しまないのに、
  どうして他人を惜しむだろうか?
ひょっとすると、僕の犬はきゃんきゃん鳴いてるだろうけど、
  それもだれかが餌をやるまで。
僕が帰るずっと前に
  犬も僕に噛み付くようになるだろう。

泡立つ海を横切って、船よ、
  おまえとともに 疾駆する僕。
故里に戻るのでなけりゃ、
  どんな土地へ着いてもかまわない。
ようこそ、ようこそ、黝い波よ!
  波が眼から消え去るときには、
ようこそ、ようこそ、砂漠よ、洞窟よ!
  わが故里よ――さよなら!」
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竪琴を片手にするハロルド

2008年10月10日 17:10

六本木の金魚3

【チャイルドハロルドの巡礼】第1編より、13連
        バイロン作  Shallot B.訳

13
太陽が海へと沈みゆくとき、
奴は竪琴を取り出した。誰も聞いていないと思ったときには
自ずと覚えたメロディーを、
折に触れてかき鳴らしたものだった。
そして今や激しく指をたたきつけ、
ほの暗い黄昏に別れの歌を奏でていた。
船は風を孕んだ雪のように真っ白な翼に乗って疾駆した、
みるみるうちに岸辺は退いて視界からは消えていった。
こうして奴は、故郷の自然に最後の「サヨナラ」を告げたのさ。
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『ぬらりひょんの孫』第2巻読了

2008年10月09日 16:45

ぬらりひょんの孫 2 (2) (ジャンプコミックス)ぬらりひょんの孫 2 (2) (ジャンプコミックス)
(2008/10/03)
椎橋 寛

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キター!!*>▽<*
なけなしのお小遣いをはたいて買った昨日は一日気分が良かったです~(←オカシイ☆)
表紙、牛鬼です~☆
昨日は舞い上がり過ぎて感想書けませんでした(笑)

まず~、
前巻に引き続き、鴆はイイ☆ 「家が修理中で渡り鳥なのよ」と言っていた、
そんな彼は素敵です。薬を持ってきてあげるあたりは、ヤハリちゃんと役割果たしてるな~と。

リクオ氏(夜版)と一緒にいるつららちゃんが可愛らしい☆
首無しも黒田坊も優しいですね~☆
黒は特に、青田坊と鼠狩り勝負してる最中にカッコつけてる彼がイイと思います☆
「シャラーン」の擬声語が似合ってるわぁ。

で、…。
牛鬼!!!>▽<
あんたどこまで私のツボなんすか!!
牛鬼……オレを殺して……その後どうするつもりだい」とリクオ(夜版)に訊かれて、

お前を殺してオレも……死ぬのだ

…って、痴情話の末に無理心中を図る近松門左衛門の世話浄瑠璃ですか?(汗)
どんだけあんたリクオに期待してたんですか☆
しかも、カメラ目線(ドキーン☆)で言わないでください(笑)

しかも2巻はこの台詞で終わっている…(涙)
決着は3巻へ持ち越し???(泣)

梅若丸エピソードがコミックになるの楽しみです☆

牛鬼、素敵です。
どことなく、頭の中でイメージが蘇我入鹿とかぶります。
ますますドツボにはまります。
そして、昨日仕事場の机の透明シートの下に、
2巻の表紙をカラー拡大コピーして入れてしまいました…(汗)

↓近松の戯曲はこの漫画で読めます。こちらもオススメ☆
心中天網島―マンガ日本の古典〈27〉 (中公文庫)心中天網島―マンガ日本の古典〈27〉 (中公文庫)
(2001/06)
里中 満智子

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雨の夜

2008年10月05日 19:54

六本木の金魚2

雨の夜

疲労感が肩をこわばらせ
鈍重な頭を支えられない
塩辛い涙は
闇を覆う雨に混じる

大粒の水滴が
髪に、カーディガンに染みこむ
自転車のブレーキが
悲鳴をあげても 輻は空転するばかり
アスファルトに きりつけるタイヤ

土砂降りの雨の中を
誰の目にも映らないまま
坂道を下る

  家々の明かりは灯り
  車のヘッドライトは眩い
  冷たい秋の雨夜が
  私を窒息させようとしている

神様のいない夕

2008年10月04日 17:53

六本木の金魚1

くれがた
曼珠沙華の花の中
雀が一羽
銀色涙を落としました

やがて
空にはか細い
銀の月
深い眠りを
漂わせます


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