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お色気にひっかかって7年

2009年09月26日 16:24

Gozo Cliffs

【チャイルドハロルドの巡礼】第2編より、28連-29連
    バイロン作  Shallot B.訳

28.
長く起伏のない航路を、幾度も轍をつけられながらも
後には決して跡の残さない航路を、私たちは過ぎて行く。
穏やかな風を、強い風を、航路の変更を、向かい風を、
そしてよく分かっている波風の急変を、私たちは過ぎて行く。
白帆の翼を持ち海に囲まれた要塞に閉じ込められ、
船乗りたちが思い知る喜びと悲しみを、私たちは過ぎて行く。
荒天、晴天、逆風、順風――
微かな風が吹いてはやみ、狂瀾がわきおこり、
やがて明るい朝を迎えるとき、――見ろ、陸だ! 無事に着いたぞ!

29.
しかし、黙って海の精カリュプソーの島々を、
地中海の女性の住処を、通り過ぎてはいけない。
そこではまだ、疲れた人々に港が微笑みかけている。
美しい女神が泣くのをやめて、
人間の花嫁を選び取った男を、徒(いたずら)に
崖から求めるのをやめてから随分経っているけれど。
ここだ、その男の息子が、厳格な助言者メントルに促され、
高い崖から海のむこうへ、恐れながらも飛び込んだところも。
そして二人の男を失って、海の精の女王は、二重(ふたえ)の溜め息をついたのだ。
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僕は此の世の果てにゐた

2009年09月25日 23:52

石楠花の花@写真美術館の傍

Never To Return
    ――Ancient City――
                Written by Chuya Nakahara
                Trans. by Shallot B.


I was at the end of this world. The mild Sun was shining, the Wind was rocking the beautiful flowers.

The Dust was silent on the wooden bridge― on the street, the Post was staying with shining bright alongside the Pram which had a toy windmill.

There was not a soul in this town; I didn't have my family, and I had a job which was to see the sky above the weathercock from time to time.

I was not board. There was some honey in the air: it didn't take any shapes, but it can be edible at any time.

I sometimes smoked: I prefer the whiff of it. Furthermore, I smoked only outside my room.

Well, I owned only a towel: I had a pillow, I didn't have any bed. I had a toothbrush or so, but the only book by my side wasn't written anything, I occasionally enjoyed weighing it.

I liked women very much: but only in my dream―enough only in the dream. I have never wanted to visit them.

Something― I can't give it any name―promoted me continuously, I felt my hope pounding in my heart without having a goal.

* * *
In the bush, there was a park which was very mysterious: women, children and men was taking a walk with smiling a terrible smile, with speaking their strange language ( which I don't understand), and with expressing their feeling (which I don't understand).

And then, there was a silver web which was glittering――over the sky.
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都会の人ごみ、肩がぶつかって…

2009年09月23日 20:22

アトス山をのぞむ

【チャイルドハロルドの巡礼】第2編より、25連-27連
    バイロン作  Shallot B.訳

25
岩のうえに坐って――河や野に想いをめぐらせること、
人の足が踏み分け入ったことのない、あるいは滅多に入らない、
人間の支配に屈することのないものの棲む森で、
ゆっくりと樹々の蔭になっている風景をたどってゆくこと、
囲い柵など要らない野生の群れとともに、
密やかな道なき山を登ること、
ひとり崖や泡立つ滝に身を乗り出すこと、
――これは孤独などではなく、<自然>の魅力と交信し、
彼女の宝物が繰り広げられるのを目のあたりにすることだ。

26
けれど、群衆の真ん中で、喧騒と人々の触激のただ中で、
この世の倦み疲れた住人が、祝福を与えてくれる者も、祝福してやる者もなく、
ものを見聞きし、感じ、所有し、
そして先へと歩き回ること、
窮境からは身を引く<栄耀>の手先どもめ!
同族意識を持ちながら、たとえ私たちがいなくなっても、
私たちにへつらい、追従し、求め、希(こいねが)ったすべての者のうち、
弔いには笑顔を控える者が誰もいないこと、
これがひとりぼっちってこと――これこそ、まさに孤独なんだ!

27
人里離れたアトス山で見られるような、
敬虔な隠者のもっとも祝福された生は、
大いなる高みに輝く暮れがたを見ながら、
あまりの波の青さのうえに、あまりに澄んだ空を見るので、
そのような時にそこにいたひとは
諦め切れずにその聖なる場所を去りかねているだろう。
それからゆっくりと、そこに広げられた魅力的な光景から自分自身を引き剥がし、
運命もそのようでありますように、と願いを溜め息混じりに言うだろう。
それから踵(きびす)を返すと、ほとんど忘れかけていた世の中を忌み嫌う。
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堕天使ルシファー

2009年09月21日 23:40

Satan of Spain


カイン […]誰だろう、あいつは、ここへやって来るぞ? ――天使たちによく似ている。
  だが本体は精霊で、顔は天使たちよりもっときつい。
  もっと悲しそうだ。なぜ俺の身体はこんなにぶるぶる震えるのか?
 
  […]でも――あいつは天使たちよりもずっとずっと強そうに見える、
  天使たちほど美しくないとも云えぬ、でもその昔にありしほどの美しさは
  持っていない、あるいはあり得ぬべきほどに美しくはない。あいつの
  不死の性のなかばは、悲しみからできているようだ、ほんとうにそうなのだろうか?
  人間でない以上、何者がほんとに心から悲しみを嘆くことができよう?
  とうとうやって来た。

    〔ルシファー登場〕
ルシファー      死ぬ運命を背負わされているものよ!
カイン                         精霊よ、あなたは誰ですか?
ルシファー 精霊たちの主だ。
カイン          そうだとすると、あなたは
  精霊たちから離れて、塵で造られたものといっしょに歩くことができるのですか?

ルシファー                       私は塵の子のあらゆる思いを
  知っている。また塵の子のために感じている。私はお前といっしょにいる。

カイン                              えっ、どうして!
  あなたは私のあらゆる考えをご存じなんですか?
ルシファー お前の考えは、考えるに足るだけの価値のあるものだ。
  ――お前の中にあって、今ものを云っているのは、
  滅びゆくお前の中の滅びない部分なのだ。


(バイロン『カイン』島田謹二訳、岩波書店[岩波文庫]より抜粋)
(写真:ウィル スティーズローラ ウォード『悪魔の姿』より抜粋)
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<罪>とサタンの罪

2009年09月20日 13:01

Dore Sin of Paradise Lost

あなたはわたしを忘れたといわれるのですか? かつて天国で
あれほど美しいとみんなにいわれていたわたしが、今では
あなたの眼にはそんなに醜くみえるのでしょうか? あれは、確か
天国で集会が開かれていた時でしたが、天の至高(いとたか)き王に対する
大胆な陰謀に加担したすべての熾天使(セラフ)たちの面前で、突然
あなたは烈しい苦痛に襲われ、眼が霞み、暗くなり、朦朧と
なったことがあったはずです。その時、あなたの頭からは
炎々たる焔が噴き出し、左の部分が大きく口をあけました。
そうやってあなたの頭から、輝く姿も顔もあなたによく似た、
しかも神々(こうごう)しいほど美しい、武具をみにまとった女神が
飛び出しました。しれがこのわたしだったのです。天の軍勢は
ことごとく驚愕しましたが、初めはむしろ怖れ慄いて後へ
退き、わたしを『罪だ!』と呼び、何か不吉の前兆ででも
あるかのようにわたしを見ていました。しかし、その後次第に
親しくなるにつれ、わたしはみんなの歓心を買うことができ、
烈しい敵意を抱いていた者の心さえ、わたしの優雅な姿で魅了する
ことができたのです。なかでも、わたしに特に心を惹かれたのは
あなたでした。あなたは、自分と全く同じ像(すがた)をしているわたしを
見てすっかり魅せられ、ひそかにわたしと情を通じて、
その悦びを味わっておられました。やがてわたしは孕(みごも)り、次第に
大きくなってゆく胎児の重みを感じ始めました。折から戦いが
起り、天は戦場と一変しました。そして、わたしたちの敵である
あの全能者の手に、当然のことながら完全な勝利が帰してしまい、
敗北を喫した味方は天上界を潰走して逃げ惑いました。
やがて味方は九天の頂から真っ逆様に追い墜(おと)され、この深淵の
ただ中に雪崩(なだれ)を打って落ち込んだのです。そしてみんなと共に、
わたしもその一人として落ちてきました。その際、わたしの手に
委ねられたのがこの強力な鍵でした。わたしが開けてやらない
限り、誰も通ることのできないこの九重(ここのえ)の門を永久に閉ざしておく、
というのがわたしの受けた命令でした。わたしは独り悄然として
ここに座っていましたが、実はそれも束の間のことでした。
あなたの子を孕っていたわたしのお腹は、次第に、それも異状なほど
大きくなり、やがて物凄い動きと絶え難い陣痛の苦しみを
感じるようになりました。そしてついにあなたの子が、――ご覧の
通りのこの恐ろしい子が、胎外に出ようと必死に踠(もが)き、踠く
あまりわたしの内臓(はらわた)まで引き裂く有様でした。その痛さと恐ろしさ
に、下半身は引き攣(つ)り、見るも無慙な姿に変ってしまいました。
結局、わたしの胎内の敵ともいうべきこの子は、ただ一切を
亡ぼすためにのみ造られた殺戮の槍を振りかざしながら、
外へ飛び出してきました。わたしは逃げました。逃げながら、
『死だ!』と叫びました。地獄はこの恐ろしい名前を聞いて、
うち震え、呻(うめ)き、『死だ!』と叫び、その声がすべての洞穴(ほらあな)から
反響してきました。わたしは逃げました。しかし、彼は(恐らく
憤怒にかられてというより情欲にかられて)、わたしを追って
きました。とても脚が速く、わたしにすぐ追いつきました。
そして、気も動転している、自分の母であるわたしを引っつかみ、
恥知らずにも無理矢理にわたしの体を抱きすくめ、とうとう
わたしを犯してしまったのです。この凌辱の結果生まれたのが、
さっきもあなたが見られたように、絶えず吠えつづけてわたしの
腰のまわりに纏(まつ)わりついている、そして刻々に孕まれ
刻々に生まれて果てしない悲しみをわたしに与えている、
これらの怪物たちなのです。この怪物たちは、気が向けば自分らが
育まれたこの胎内に潜り込み、そこで吠え猛りながらわたしの
内臓(はらわた)を餌として貪り食い、そうやって元気づくと、またもや
外に飛び出して纏わりつき、わたしを苦しめるのです。
その恐ろしさは本当に骨身にこたえ、一刻の猶予も憩いの時も
ないのです。今わたしの眼の前にいるのが、わたしの子でもあり
敵でもある、恐ろしい『死』なのです。この『死』は、怪物たちを
常に嗾(け)しかけているばかりでなく、もし他に餌がなければ
一瞬のうちに母であるわたしをさえ食べかねないのです。ただ、
そうしないのは、それがいつかはともかく、わたしの終りが
自分の終りを意味し、わたしの肉が苦い肉であり、自分を亡ぼす
毒であることを、彼が知っているからに他ならないからです。
『運命』がそう定めたのです。ともあれ、父よ、わたしはあなたに
注意を促しておきたいのです。死をもたらす彼の矢を避けて
下さい。天上で鍛えられたからこの輝く武具をまとっておれば、
不死身だと自惚(うぬぼ)れないで下さい。いと高き支配者の他、
いかなる者も彼の死の一撃には抵抗することはできないからです。

(平井正穂訳『失楽園』(上)岩波書店[岩波文庫]、1981・2002、96-100頁より抜粋)
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吉本隆明『詩の力』読了

2009年09月18日 01:28

4月の新宿09の21

詩の力 (新潮文庫)詩の力 (新潮文庫)
(2008/12/20)
吉本 隆明

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通学路の本屋さんで衝動買いした一冊。
本棚でたまたま目に留まったんですね。
基本、私は古典(いちばん新しくて第二次大戦前後)しか読まないので、
詩もご多分に漏れず、現代詩は洋の東西を問わず全然読みません。
(↑北欧メロコアとかニューエイジの歌詞は別ですが。)

で、何を思ったか、ちょっとこんなアンソロジーっぽい本を読んでみました。
きっかけは、仕事場のパソコンが壊れて数日仕事にならないので、読書にふけろうかと。

本の中で、初めて出会った詩人さんたちがたくさんいました。
ちょっと気になった作品を書いてみますね。

①城戸朱理(きど・しゅり)の「銀の匙」の冒頭(116-117頁)。

 孤独だなどということは
 たかが知れていた。
 夢を見ることもなくなったから
 夢みられるように
 あてのない苦痛だけを
 卵のように抱いていた
 恐るべき原文(オリジナル)、自然よ
 読みえぬものよ
 ジュゴンがゆるやかに潜水して
 海の水が青さを増した。
 透明を重ね合わせた、
 その色が、今、透けて見えた。


著者によれば、「この詩人がやろうとしているのは、孤独ということをいろいろな形で表現したいということ」(119頁)らしい。でも、はたしてそれだけなのかな…? 私には、もっと多義的な、「孤独」だけではなく、それ以上に詩葉の中に流れている生命の音が聞こえてくる気がする。もっと脈々と静かに打ち続ける、人間の命の音。ひとりの人間が生存するために打ち続けられる、life/vieの音。その音を視覚化させたのが、この一編なのではないかしら。著者は「城戸さんの詩の言葉は、メロディーを持ちたくて仕方がないように読める」(120頁)と書いているが、それはつまりこの詩の言葉が音声を視覚化したものだからではないのだろうか?

②鮎川信夫(あゆかわ・のぶお)の「繋船ホテルの朝の歌」より(131-132頁)。

 窓の風景は
 額縁のなかに嵌めこまれている
 ああ おれは雨と街路と夜がほしい
 夜にならなければ
 この倦怠の街の全景を
 うまく抱擁することが出来ないのだ
 西と東の二つの大戦のあいだに生れて
 恋にも革命にも失敗し
 急転直下堕落していったあの
 イデオロジストの顰め面を窓からつきだしてみる
 街は死んでいる
 さわやかな朝の風が
 頸輪ずれしたおれの咽喉につめたい剃刀をあてる
 おれには掘割のそばに立っている人影が
 胸をえぐられ
 永遠に吠えることのない狼に見えてくる


とりあえず、カッコイイ! と思いました(笑)。
著者によれば、「現実を詩の中に導入」(133頁)したということですが、
実体験かどうかは別にして、語り手が胸をえぐられるような、焼きつくような感覚が多分に感じられる詩だなと思いました。言葉が重たい。つきつけられた無力感と同時に、自分の生存を一語ごとにかみ締めている。言葉がギラギラしている。地上を這いずり回る無力な人間の内面の静かな絶叫を、これだけの言葉で語って見せているのは、なみなみならない言葉遣いだと思います。こんな気持ち、幾度歯をかみ締めながら味わったかな…? 悔しさ、後悔、無力感。それでいて、ただ立ち尽くしているだけでは抑えきれない苛立ちと衝動。「永遠に吠えることのない狼」は、それを具現化した一行だと思います。

この本は、なかなか私にとって新境地を開拓してくれました。
機会があったら、この二人の詩人の作品はもう少し読み深めてみたいなぁと感じた次第です~。

<月>の明かりに照らされて

2009年09月12日 20:00

カルペの海峡

【チャイルドハロルドの巡礼】第2編より、21連-24連
    バイロン作  Shallot B.訳

21
<月>が出ている。あぁ、なんて綺麗な夕暮れだろう!
長い光りの流れは揺れ踊る波のうえに広がってゆく。
いま、岸辺で若い男が溜め息つけば、処女(おとめ)たちは信じるだろうね。
俺らが陸へと戻ったなら、俺らの運命もそうあってほしいなぁ!
その間に、なかなかたくましい詩人・アリオンの手は激しく動き、
船乗りたちの愛する溌剌とした旋律を呼び覚ます。
陽気な聴き手たちが彼を囲み、
あるいは有名な旋律に合わせて巧く手足を動かすのだ、
気楽に、まるでまだ浜辺にうろついているみたいだ。

22
カルペの海峡を通して、切り立った岸壁を見て。
ヨーロッパとアフリカが互いに見詰め合っている!
黒い瞳の処女(おとめ)の土地と浅黒いムーア人の土地が、
そっくりに見える、女神ヘカテの蒼褪めた月明りに照らされて。
ヘカテはなんて優雅だろう! スペインの岸辺にも戯れて。
欠け始めた月は満月よりも暗いけれど、はっきりと、
岩も、斜面も、暗い森も顕にするんだ。
けれど、モロッコの巨大な影は、
絶壁から岸へと暗く落ち込み、威圧する。

23
こんな夜には、たとえ<愛>が終わりを迎えているとしても、
一度は愛したこともあるのだと感じなさい、なんて<瞑想>が命じるのさ。
<心>は、挫かれた熱意をひとり嘆き、
いまは友達もいないけれど、かつては友達がいた夢を見るだろう。
<青春>自身が、初心(うぶ)な<愛>と<歓び>を生きのび、
歳月の重みで腰が曲がることなど、一体誰が望むというのか?
あぁ! 交わりあうべき人の心が解けあうことを忘れると、
<死>が壊すべきものは、雀の涙も残されていない!
ああ! 幸せなころよ! いま一度少年に戻りたいと願わぬひとがあるだろうか?

24
こうして、波あらう船縁に身をかがめ、
波間に映る女神ディアナの星を見つめていると、
心は<希望>や<誇り>の策略を忘れ、
いつの間にやら、一年一年遡ってゆく。
なにか大切なもの、自分よりも大事なもの、
ある想いを、今も昔も持ってはいないひとなど、
そして涙の誓いを求めぬひとなど、そんな惨めなひとはいない。
激痛が走る! 疲弊した胸は、
無駄であっても、その重たい心から、まだ痛みを取り除こうとするものだ。
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上山安敏『魔女とキリスト教』読了

2009年09月03日 10:37

魔女とキリスト教―ヨーロッパ学再考 (講談社学術文庫)魔女とキリスト教―ヨーロッパ学再考 (講談社学術文庫)
(1998/01)
上山 安敏

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バイロンとランボー共通項が見え隠れしました!(感涙)
『魔女とキリスト教』読了しました☆

色々な面で多大に刺激されました。
まず、『サロメのダンスの起源』でも出てきたキュベレー神を含めた大地の豊饒神=地母神信仰とキリスト教のかかわりについて。ここに、バイロンの『マンフレッド』のヒロイン、アスタルテの名前のもととなっているアシュタルテ神も含まれて出てきます。また、キリスト教以外の古代宗教のバール神やモロク神、ゾロアスター教のアフリマンなんかもここへ出てきました。
キリスト教の脱魔術についてでは、ランボーの『地獄の季節』における「ことばの錬金術」の説明に研究者ブリュネルが用いていたカバラ文献であるとか、バイロンの<自我意識>の説明で用いられるネオプラトニズムなどが出てきました。
そのほか、絵画では版画のデューラー、ブリューゲルなどが取り上げられ、魔女や悪魔のイメージの普及に版画がどのように関わったかが述べられていました(219-220頁)。
ジェンダーでは、カタリ派やリリトの伝説など、男女の平等を基準とする考え方がキリスト教では異教あるいは異端として扱われた過程、現代の<魔女>の使われ方などが述べられていました。シェイクスピアの女性嫌悪(ミゾジニー)表現って、実は時代性だったんじゃないかとさえ思えました。

また、魔女裁判をめぐる15-16世紀のヨーロッパにおける社会と思想の動きがいかなるものであったかも詳細に述べられていました。熱狂って怖ろしいですね(笑)。

ランボーやバイロンの魔女・悪魔・魔術についての文化的背景が垣間見れました。
これでまた、彼らの作品を読むのがいっそう楽しくなります☆

Illusion

2009年09月02日 02:19

休日のカフェエ09-8

あの雨の暮れがた
私はカフェエで キャラメルソースを舐めていた
雨は徐々に激しさを増して
街は原色に輝き始めていた

アスファルトにも
ビルディングの外壁にも
デパートのエレベーターにも
カフェエのガラスにも

無数に出現した亡霊たちが
一斉に 歌い、踊りはじめる
いつか見た 吸血鬼のフィルム
死骸が甦る瞬間の 鼓動の高まり

「ステイ・イリュージョン」って叫んだのは誰
愛しい人に 傍にいてほしかったのか
たとえ復讐を告げられたとしても
たとえ悔恨の涙を流したとしても

たとえ恋人をうしなったとしても
たとえ友達を裏切ったとしても
雨とともに流れ落ちる亡霊ではなくて
心臓を射抜く野心を支えてほしかったのか


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