晩夏に至る夏の読書…><;

2010年08月28日 19:41

次は「梅雨の読書」となるのでしょうか…(汗)」などと書いておきながら、もはや立秋などとっくに過ぎて、夏も終わりに近く…今日なんて夕暮れの風は明らかに涼しかったし…(汗)

というわけで、あわててまとめてUPします!

白魔 (光文社古典新訳文庫)白魔 (光文社古典新訳文庫)
(2009/02)
アーサー マッケン

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実は一番最近読んだ本です。「白魔」との交流を描いた場面が本当に美しい小説でした。

吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)
(1971/04)
ブラム ストーカー

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丸の内のOAZOにある丸善4階。松丸本舗の罠にめっさかかりまくっている今日この頃。
これもその1冊でした…。実は読むの初めて。ヒロインの女性2人の、精神的な描写がイイ☆
けっこうドキドキしちゃいました~(こんな感想でいいのか…

肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫)肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫)
(2008/01/10)
ラディゲ

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実は若い頃岩波文庫のそれを買って、読み始めてすぐ挫折した作品でした…。
光文社の訳は、あの中条省平氏! 即買いでしたよ…(笑)
すっごく読みやすくて、なんか主人公の「僕」の情けないことが笑えました。(ぇ)

十二の恋の物語―マリー・ド・フランスのレー (岩波文庫)十二の恋の物語―マリー・ド・フランスのレー (岩波文庫)
(1988/07)
マリー・ド・フランス

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中世ブルターニュといえば、ケルトの文化の匂いがしつつも、また特有の文化を持っている場所。
このお話もものすごくセクスィーで、煌きの絶えない本でした!

聖☆おにいさん(5) (モーニングKC)聖☆おにいさん(5) (モーニングKC)
(2010/05/24)
中村 光

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読みましたよ~~!!
だんだんネタがマニアックになっていっているけど…(汗)
サタンとユダがいけてました!
続きが楽しみ☆
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死海の林檎のように

2010年08月15日 20:06

2010ノーゼンカズラ、ある道で

【チャイルドハロルドの巡礼】第3編より、31連-35連
    バイロン作  Shallot B.訳

31.
俺はおまえのことを、亡くなった幾千もの人々のことを考えた。
そして誰もが自分の仲間や親族との間に
ものすごい隙間を作ってしまった。
生きる者に、ただ忘れるためだけに忘却を指南できたらいいのに。
生きる者が求める人々を呼び覚ますのは、<栄光>の喇叭ではなく
最後の審判の「大天使」の喇叭であるはずだ。<名誉>の音は
瞬間の安らぎを与えるかもしれないけれど、
甲斐のない憧憬への熱望をなだめることはできないし、
あまりに讃えられた名はより強い、辛いもの思いしか思い起こさせない。

32.
生者は嘆き、ついには微笑む。しかし、微笑みながら嘆くのだ。
樹は倒れるずっとまえに立ち枯れるだろう。
船は帆柱と帆が引き千切られても進んで行く。
棟木は落ちても、広間のうえで重たく古びて朽ちてゆく。
崩れた城壁は風に荒んだ胸壁が塵と消えるとき、
立ったままだ。
中へ閉ざした囚人の死んだあとまで、鉄柵は残り続ける。
嵐が太陽を覆い隠しても、一日はゆっくりと進む。
こうして心は張り裂けても、うちひしがれたまま生きてゆく。

33.
割れた鏡はすべての破片に鏡を増やし、
ひとつだった虚像を幾千もの虚像にする。
それは同じもの――そして割れれば割れるほど、
その像は増えていく。ちょうど割れた鏡のように、
死者を忘れないひとのこころも
かき乱された様子のまま生きる。そして静かに、そして冷たく、
そして血の気もなく、眠れぬ悲しみに痛みをおぼえ、
そういうことを語らないので、目に見えるしるしは何もないまま、
眼には老いて映るまで、だんだんと衰えてゆくのだ。

34.
絶望には本当の生がある。
――毒の枝を広げるために素早く根を下ろす
毒の活力がある。我々が死んだところでなんともない。
だが、<悲しみ>の樹のもっとも厭うべき果実、
味わうには灰となってしまう死海の岸辺に実る林檎のような果実には、
<生>が合ってしまう。
ひとが楽しみによって存在を計算し、
人生の歳月に対してそのような時間を数えてみたら、
人生60年なんて言えるのだろうか?

35.
(旧約聖書の)『詩篇』を書いたひとは、人生の長さを数え出した。
充分だ。もしおまえの数と話が本当ならば、
充分すぎるぞ、束の間の時間すら彼に出し惜しんだ者よ、
運命のワーテルローよ!
幾百万のことばがおまえを記録し、
ふたたび子供たちの唇がそれを繰り返すだろう、曰く――
「ほら、ここが連合国が刀を抜いた場所だよ、
僕らの国の男たちがあの日戦っていた場所だよ!」
これでたくさん――これがすべて――これは決して消えはしない。
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又従兄への哀悼

2010年08月15日 19:59

【チャイルドハロルドの巡礼】第3編より、29連-30連
    バイロン作  Shallot B.訳

29.
彼らの賞賛については、僕より高貴な詩人たちが歌っているが、
その誇り高い勇者たちから僕は一人を選び出すよ。
だって、血がつながっていて、
彼の父には昔ちょっと悪いことをしたし、
輝かしい名は歌を清めてくれるからね。
その名はもっとも勇敢なもののひとつで、致命的な砲弾が
もっとも手薄になった隊列へと降り注ぎ、
<戦争>の嵐のもっとも酷いところへ落ちてきたとき、
若く、勇ましいハワードよ、おまえのほど高貴な胸に落ちた砲弾はなかったよ!

30.
きみのためにいくつもの涙が流れ、いくつもの心が張り裂けた、
だから僕がそうしたところで意味がない。
でもね、きみが生を終えた場所に生きて揺れる
みずみずしい青葉芽吹く樹の下でたたずみ、
僕のまわりには野の平原が実りと豊饒を約束して甦り、
飛んでいる無邪気な鳥たちとともに
喜びの仕事をもくろみ、<春>がたち現れると、
僕は彼女が持ってきたものに背を向けて、
つれてこなかった人々へと向かってしまったんだ。
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カトル・ブラの戦い

2010年08月15日 19:54

あるお部屋の珍しい花

【チャイルドハロルドの巡礼】第3編より、21連-28連
    バイロン作  Shallot B.訳

31.
夜にはお祭り騒ぎの音が聞こえた。
ベルギーの首都には国の美女や騎士が集い、
美しい女性たちや勇敢な男性たちを
その灯りは煌々と照らし出していた。
幾千もの心が幸せに高鳴っていた。
楽の音が快く高まると
流し目を愛するひとに送り、その人もまた送り返し、
すべては婚礼の鐘のように陽気にはこんだ。
でも 聞いて! 耳を澄まして! 低い音が高まる弔鐘のように響いている。

22.
聞いたか? いや、風の音さ。
でなきゃ石畳を走る馬車の音さ。
踊り続けよう! 喜び全開で!
朝まで眠るな、<若さ>と<愉快>の出会い、
輝く<時間>が足早に去っていくのを追うとき――
だが聞け! まるで雲にこだまするように
あの重たい音がいま一度裂け響く。
そしてだんだんと近づいて――はっきりと――前よりも酷く!
戦闘だ! 戦闘だ! あれは――ああ――開戦の砲火だ!

23.
あの大きな広間の窓のついた壁龕のなかに、
運の尽きたブルンズウィック将軍が座っていた。
彼はあの音を祭りのただ中で最初に聞いた。
そして<死>を予感する耳でその音色をとらえたのだ。
そして「近い」というと連中は笑ったが
彼の心臓はその轟きを実によく知っていた。
それは、血塗られた棺に父親を横たえ、
血だけが滾る復讐心を抑えられたものだった。
彼は戦場に馳せ参じ、最前線で戦って、斃れたのだ。

24.
ああ! たちどころに忙しなくいったりきたり――
涙溢れ、悲嘆にうち震え、
少し前まではその美しさを褒められて赤く染まっていたのに
今ではまったく蒼褪めてしまっている。――
突然の別れ、しかも若い心臓から生命を圧搾するような別れ、そして
二度と繰り返せないかもしれない、窒息するような溜息。
甘美な夜のあとにそんな恐ろしい朝が来るのだから、
金輪際お互いを見つめ合えるなんて、
いったい誰が思えるのだろうか!

25.
怱卒の間、馬に乗り、
軍馬、呼び集められた騎兵隊、ガタガタと音を立てて来る馬車が、
ものすごい速さで前へ前へと膨れ上がる。
そして迅速に戦闘の隊列を組み上げる――
遠くには雷のような轟音が矢継ぎ早に鳴り響く。
そして近く、けたたましい太鼓の音が
<夜明けの明星>の昇るまえに、戦士たちを呼び覚ます。
恐怖に慄く市民が群衆となり、
色あせた唇で囁いている――「敵だ! 来る! 来るッ!」

26.
烈しく高く鳴り響くのはスコットランドの「キャメロン族」の笛の音、
族長ロキールの戦闘の合図。スコットランドの北の山々が
幾度も耳にしたあの笛の音。それを敵のイングランド人も聞いたのだ。――
真夜中に、どれほど荒涼と、高く、
勇壮な調べが鳴り響くことか! だが吐息で
山のバグパイプの管が満たされるのと同じように、
千年もの激しい記憶を貫く、獰猛な山の民の豪胆さで、
その心も満たされる。そして勇者エヴァンと猛者ドナルドの名誉が
その一族の耳の奥に響き渡る。

27.
それから、男たちの通るとき、その頭のうえで、<自然>の涙に濡れた青葉を
アルデンヌの森が手を振るように揺すっている――
二度とかえらぬ勇者たちを悲しんで、とはいっても、
もし感覚のないものが悲しむことがあったらのこと。
――ああ! 男たちの足もとで踏みしだかれる草のように
暮れがたまでには踏みしだかれることだろう。
けれども、この生きる<武勇>の炎の軍団が敵軍に突進し、
気高い<希望>に燃え尽き、冷たく地面に朽ちてゆくとき、
次の緑の季節には草が屍のうえへと伸びてゆくのだろう。

28.
昨日の昼、彼らは元気いっぱいだった。
昨日の夕、立派に陽気に美女たちに囲まれていた。
真夜中、戦闘の合図があった。
朝、武装して位置についた。――そして昼、
戦いの壮大な厳格さで隊列を組んだ!
雷雲がそのうえに差しかかり、稲妻が走ると、
泥となった土が肉体のうえに覆いかぶさり、
そのうえにまた泥がかぶさり、累々と堆積し、
騎手も馬も、敵も味方も、ひとつの真っ赤なごた混ぜの墳墓となる!
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オフェリィ

2010年08月08日 01:40

Millais Ophelia

オフェリィ

A. Rimbaud作
      Shallot B.訳



星眠る おだやかで暗い水のうえを
真白なオフェーリアが 大きな百合のように浮んでいる
とてもゆるりと浮いている 長いヴェールに横たわり……
――きこえてくるのは 遠い森の合図の角笛。

千年以上前から 悲しいオフェリィが
真白な亡霊となって、暗くて長い河のうえを行き過ぎる
千年以上前から その優しい狂気が
暮れがたのそよ風に その恋歌をささやいている

風はその両胸にくちづけをして、花冠のように
水がそっと揺する大きなヴェールを広げてやるのだ。
震える柳は肩のうえに涙を落とし、
夢見がちな広い額に傾きかかるのは葦。

歪められた睡蓮は、周りで溜息をつく。
まどろむ榛のなかにある何かの巣を、彼女は目覚めさせる――
かすかな羽のざわめきが そこから漏れて出てくるのだ。
神秘的な歌声が金の星から降ってくる。




おお 雪のように美しい! 蒼褪めたオフィーリアよ!
そうさ、おまえは死んだのだ、幼くして、河の流れに運ばれて!
――ノルウェイの高い山々から降りてくる風が
激しい自由を密かにおまえに打ち明けたせいだ。

そよ風の一吹きが、おまえの長い髪をよじらせて
その夢見がちな脳髄に不可思議な音を聞かせたせいだ。
その樹の呻きと夜々の溜息のなかに
その心臓が<自然>の歌を聴いたせいだ。

広大な喘鳴、狂った大海原の声が
おまえの幼い、情けの深い優しい内奥(こころ)を毀したせいだ。
ある四月の朝、蒼褪めた美しい騎士、
憐れ狂人が黙ったまま、おまえの膝に座ったせいだ。

<天>! <愛>! <自由>! なんという夢だ、おお 哀れな狂女よ!
雪の炎へ消え入るように、おまえは夢へと熔けてしまった。
大いなる幻がおまえのことばの喉もとを締めつけた。
――そして凄まじい<無限>がその青い眼を脅かした。




――ところで<詩人>は言う、夜になると
星明りをたよりに、おまえがかつて摘んだ花を探しに来る と。
真白なオフィーリアが、大きな百合のように
長いヴェールに横たわり、水のうえに浮んでいるのを見たんだ と。
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The Cruel Mother

2010年08月01日 14:38



酷い母さん
   イギリス民謡
   Shallot B.訳

ヨークに女が住んでいた
ひとりぼっち 寂しいことさ
父の執事の子を身籠った
 緑の森の中腹で

棘にもたれて
 赤ん坊を産んだのさ

ちっぽけな小太刀を取り出して
 可愛い赤ん坊の命を奪った

刃(やいば)を草で拭ってさ
 拭うほど血はほとばしった

流れで手を洗ってさ
 乙女に戻れると思ってた

父のお邸(やしき) 広間を行けば
 赤ん坊3人 鞠で遊び

絹の服着た子が1人 繻子の服着た子が1人
も1人ゃ生まれたときの丸裸

「赤ちゃん、あたしの子なら
立派な絹や繻子の服を着せるのに」

「やあ 母さん、僕はあんたの子だったよ
粗末な服さえ着ちゃあくれなかった

僕の寝床は冷たい土塊、
緑の草が掛け布団」

「おぉ 坊や、あたしはこれからどうなるの」
「あんたは7年の間、鳥となって木にとまる

それから7年鐘の撞木に
それから7年地獄の番人になるのさ」
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