ブリュネルの「永遠」について一言

2013年06月30日 19:41

だが、この完全さが(「夜」あるいは「燃える昼」という)時に脅かされた状態、明日つまり忍耐を必要とする希望を待っている正常な状態であることを、「永遠」の分析がよく証明している。
(ピエール・ブリュネル編、アルチュール・ランボー『地獄の季節』、ホセ・コルティ社、1987年、304頁。)



(中原中也訳、ランボー「永遠」、青空文庫より抜粋。)

永遠

また見付かつた。
何がだ? 永遠。
去(い)つてしまつた海のことさあ
太陽もろとも去(い)つてしまつた。

見張番の魂よ、
白状しようぜ
空無な夜(よ)に就き
燃ゆる日に就き。

人間共の配慮から、
世間共通(ならし)の逆上(のぼせ)から、
おまへはさつさと手を切つて
飛んでゆくべし……

もとより希望があるものか、
願ひの条(すぢ)があるものか
黙つて黙つて勘((ママ))忍して……
苦痛なんざあ覚悟の前。

繻子((しゆす))の肌した深紅の燠((おき))よ、
それそのおまへと燃えてゐれあ
義務(つとめ)はすむといふものだ
やれやれといふ暇もなく。

また見付かつた。
何がだ? 永遠。
去(い)つてしまつた海のことさあ
太陽もろとも去(い)つてしまつた。

ローデンバックのエッセイ「ブリュージュ」より

2013年06月02日 01:31

Simeon_Solomon.jpg
 外では、路地の睡る静寂に音が増える、反響もする。唯一、微かな風。ざわめく葉群が呻き声が漏れてくる音を立てている大きな樹々の内側に吹き込む。どれほど街が遠いことか! 街は死んでいる! そして、鐘が、彼方で、鳴っているのは、葬列のためだからだ! ああまたここには別の鐘の音、だがあんまりにもおぼろげで、のらりくらりと鳴っているものだ! 黒い花びらが降りそそぐように、遠くの塔の高みから骨壺を香炉のようにゆっくりと振り動かす冷たい灰の骸のように!
(ローデンバック「ブリュージュ」(エッセイ)より抜粋、試訳。)
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