リア王シリーズ⑦エドガーの独白。

2005年11月02日 23:02

<前回までのお話>
 娘たちに城を追い出され、荒野へと飛び出した国王リア。忠臣ケントさんと、道化と三人で彷徨っていた。一方、異母弟エドマンドの策略によって、父親に勘当されたグロスターさんの倅エドガーくんは、キチガイ乞食のフリをして、追っ手の眼をくらましていた。
 嵐をしのごうと、あばら小屋に入ったリアさん一行は、そこでキチガイ乞食の「トム」を名乗るエドガーくんと遭遇。(だれもそれがエドガーくんだとは気付いていない。)しかも、リアさんは本当に狂い始めていた…。その狂った哀れで惨めな国王を目の当たりにして、内心では同情するエドガー。そこへ更に父のグロスターさんがやってきて(これまた自分の息子に気付かない)、グロスターさんの屋敷のすぐ傍へと場所を移したが、リアさんの娘たちの追っ手が、彼らのにおいをかぎつけたことを、グロスターがみんなに知らせる。
 「トム」と名乗るエドガーを除くリアさん一行は、協力してリアさんが眠っている間に、味方のいるドーヴァーを目指して出発する。
 第三者という立場でその一部始終を見守っているエドガーは、みんながいなくなった後、独白する。

【第三幕第六場。エドガーの独白。】
 身分の高い人たちが、我々と同じ悲嘆に耐えているのを見ると、自分の惨めさも敵だとは思えないよ。自由で幸せな過去が見せたものを忘れられずに、独り苦しんでいる人こそ、心の中ではいちばん苦しい。でも、悲しみにも仲間がいて、忍耐にも友人があるとき、こころはとっても苦しくなくなってしまう。いまや、僕が屈している状況に、王も屈しているのだと思うと、僕の哀しみなんて軽いもので、難しくないみたい。僕は父に、王は子に! トム、逃げるんだ! 宮廷の噂に気をつけろ。そして僕を損なっている誤解が、僕から剥がれ落ちて、正しい証明が僕と父とを仲直りさせてくれたなら、トムよ、正体を現すんだ。今夜は更に何が起こっても、王が無事に逃げられますように! 隠れろ、隠れるんだ。


 エドガー様。カッコイイです…☆>▽<☆ 最初の方は、知略に長けたエドマンドくんの方が素敵かなぁ、と思ってましたが、話が進むうちに、エドガー様はどんどんShallotのツボであることが判明(笑)。かなり最初はお間抜けキャラでしたが、トム役で道化と戯れたり、キチガイのフリをしてて悪魔を追い払うフリをしたり、そうかと思うと、シリアスな独白やら傍白は、かなり切実で哀愁たっぷりだったり。。。挙句の果てに、最終場面では…!!!>▽< 楽しみ、楽しみ♪
 時代的に、人間の表裏ってのは描かれるのが難しいだろうと思われるので、やっぱりエドマンドは悪役、エドガー様は正義の味方、みたいになってしまうのですが、もう少しアレンジして、エドガー様の裏面やらエドマンドくんの哀愁(←これは訳or演出のしようによっては、かなり出ると思うのですが)なんかを描き出してみると、もっと人間臭くなって面白いかもしれないな~、なんて思ったり。

 蛇足。似たような感じで、「ハムレット」のホレイショとか、激ラブ☆レアティーズなんかも人間臭くしてみると、面白いかもしれない。ってか、レアくんは既にめちゃめちゃ人間臭いので、もっと内面描写とか、主人公ばりにしつこく書いてみたいなぁ…(願望)。
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