『チャイルド・ハロルドの巡礼』第3巻50連~51連

2004年11月29日 00:09

だけど貴女……(喜びのために)舞い踊る豊かな河!
美しさが永遠に続くような河岸を流れ抜けるよう、 
貴女の波音は祈りの言葉にしているけれど
人は、貴女の輝く創造物をそのままにしておくことは出来なかったし、
美しい(豊饒の)約束を、鋭い「衝突」の大鎌で刈入れることも出来なかった。
――美しい谷間の水を眺めることが、この地には
天のように輝きを敷き詰められていると知らせるだろう。
僕にとってはそんな風に見えるよう、貴女の流れに一体何が足りないの?
――レーテであるべきだったんだ。

幾千の戦いが貴女の河岸を踏み躙ってきたけれど、
戦いの名誉の半分も、すっかり消えてしまったね。
「殺戮」が血塗れの戦士たちを高く高く積み上げてきたのに、
彼らの本当の「棺桶」は、どこかへ行ってしまったね。
一体あれは何だったの?
貴女の流れは昨日の血を洗い流してしまって、
滲みは全て消えていた。それから陽の煌きが
揺らめく光の中で、貴女の澄んだ流れを映し出していたんだね。
なのに、全て消え去るように見えたとしても、
黒ずんだ追憶の枯れ果てた夢の上を、
貴女の白波は虚ろにうねっているだろう。
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