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月が波間に輝き…(Manfred第1幕第1場)

2005年07月03日 00:32

月が波の間に輝き、
蛍が草陰で光り、
古墳の上には堕ちる石がひとつ、
沼には灯る火ひとつ。
流れ星は降り注ぎ、
梟たちは応え合い、
黙ったままの葉群は
丘の影で動かない、
私の魂をあなたの御魂に
強さと奇跡を伴って、近づかせましょう。

あなたのまどろみは深くても
あなたの霊は眠らない、
かき消えることのない影が在り、
うち遣れない想いが在る。
あなたに知れない力によって
あなたは決して独りになれない。
死装束に包まれたあなた、
暗い雲を身にまとう。
永遠に、あなたをこの呪いの
精気の中に生かしましょう。

あなたは 私が通り過ぎるのが見えないけれど
あなたの瞳は 私のことを見ないけれど
これまでも 今も あなたの傍に
在るものとして感じさせましょ。
そうして あの秘められた不安のなかで
あなたが振り向いたなら、
私はあなたの影なので そこに
私がいないことに愕かせましょう、
そしてあなたの感じるものは
隠さなければならないものにならしめましょう。

魔術の声とその詩が 呪いの言葉で
あなたに洗礼を施しました。
大気の精はもはや
あなたを罠で取り囲んだのです。
風の中には声が在って、
あなたに喜びを禁じさせましょう。
そうして夜はあなたに
夜空の静寂全てを拒ませましょう。
そうして昼は あなたが消えて欲しいと
願ってしまう 太陽を抱き続けさせましょう。

あなたの偽りの涙から、
私は命を奪うエキスを採った。
あなたの心臓から、いちばんどす黒い動脈から、
私はどす黒い血液を絞った。
あなたの笑顔から、私は蛇を掠め取った、
似つかわしくも藪にいるよう、とぐろを巻いていましたわ。
あなたの唇から、最も惨めな害をもたらす呪いを、
私は取り出したのです。
この世に知れた毒はみんな試したけれど、
私はいちばん効果覿面なのが
あなた自身だって解ったのです。

冷酷な胸と蛇の微笑み、
計り知れない狡猾さの深淵、
うわべだけは最も誠実な眼、
あなたの閉ざされた心の偽善。
人間らしいあなたのこころとして受け止められる
あなたの術策の完璧さ。
他人の痛みに見出されるあなたの喜び、
カインに対する同胞愛。
これらによって 私はあなたに命じます!
あなた自身が 己に相応しい地獄となるように!

そして あなたの頭に、私は薬を注ぎこむ、
この苦しみに あなたを捧げてしまうため。
睡むことも、死ぬことも、
あなたの運命に存在させないわ。
死はあなたのお望みどおり、いつも
近くにあるように見えるけれど、それは恐れゆえなのよ。
見て! 魔力があなたを変え始めてる、
音もない鎖が あなたを縛り上げたわよ。
あなたのこころと脳髄へ
言葉は伝えられてしまったわ――枯れちゃいなさい!
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