アダムの語り――『Paradise Lost』より

2005年04月30日 23:22

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神々しい天使がこうお話になると、我らの父親は言った。
どんなふうに人間の生命が始まったのかというのを話すことは、
人間にとって難しいことです。
だって誰が自分自身が生まれた日のことを知っているでしょう?
永い間、僕はあなたとお話したいっていう気持ちを持っています。
深い眠りから目覚めてみると、僕は爽やかな汗をかいて
花咲く草の上に横たわってることに気付きました。
その汗は太陽がすぐに光で湿気を吸い込んでくれて
乾いていきました。僕は驚いて眼を瞠り、天へと向けて、
本能的な身のこなしで跳ね起きて、努力しながら自分の足で
天へと立ち上がるまで、しばらく広い広い空を眺めていました。
僕が自分の周りを見回してみると、丘や谷、
陰の多い森や陽の光に満ちた草原や、
音を立てて流れている液体の溝がありました。
こういったものの傍に、生きて、動き、歩き、飛んでいる生き物たち、
そして枝の上で囀っている鳥たちがありました。
何もかもが微笑み、快くて、僕の心は喜びに溢れていました。
そこで僕は自分のことをよ~く調べて、足先まで見渡してみて、
しなやかな関節で活き活きした精力の赴くままに、
走ったり歩いたりしました。だけど、僕は自分が誰なのか、
何処にいるのか、何の原因で生まれたのかは、知る筈もなかった。
僕は話そうとすると、すぐに話せました。僕の舌は従ったから、
快く僕は自分の見たものに名前を付けることができたんです。
僕は言いました。「きみ、太陽、美しい光、
そしてきみは、鮮やかで陽気な耀う大地よ、
きみたち、丘よ、谷よ、河よ、森よ、そして平原よ、
生きとし生けるもの、動けるものたちよ、美しい生き物たちよ、
教えて、どうか教えてほしいんだ、きみたちがもし見ていたのなら、
どうやって僕はここへやってきたの?どうしてなの?
  (Milton著、『Paradise Lost』第七巻より)


 MiltonのParadise Lostって、なんだかとっても眠くなる。(/オイ!)とてもとても古典で、銅版の宗教画でも見てるみたい。あんまり登場人物がイキイキしてないような気がするのだ。
 ところが、この場面(第七巻のアダムの語り)のところだけは、なんか漫画ちっくで、とっても爽やかな五月の光みたいに、草原が広々としていて、森の素晴らしさとか自然の大切さのようなものが、数行のうちにきっちり描かれているからビックリした。
 Paradise Lostは、(英文学専門のクセに)全部読んでない。(爆)ホントに、眠くなってしまうのだ。(『フランケンシュタイン』に出てくるモンスターってスゴイ。自分で読破してしまったのでしょ? 賢すぎるだろ!!/ってことは、私モンスター以下…。(汗))でも、この場面は素敵だと思う。
 それにしても、何で神様は自分の姿に似せて、こんな欠陥生物を生み出したんだろね。もう少し完全体にしてくれたら食べるために生きたりしなくてすんだのに。これじゃ他の動物と変わらん…。(ぼやき)
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