Antoni Tapiesの作品たち

2005年05月02日 00:23

tapies2.gif

 品川は原美術館で5月29日までやっている、『タピエス―スペインの巨人 熱き絵画の挑戦 展』に行ってきました。
 なんか久しぶりに、涙出るかと思いました…。(年末年始のZao Wookie展以来だなぁ~。)なんかもう、言葉にならないくらい、凄かった。しばらく言葉が無かったです…。廊下に飾ってあった小さめの作品群から、何故か私はイジドール・デュカスの『マルドロールの歌』を思い出しました…。「何故だろう?」――多分、どことなく「悪魔的」な側面があったからではなかったかしら。殆どの作品に十字が描かれていましたが、どれも十字が破綻しているように思えたからです。
 私が最も気に入ったのは、『白のレリーフ』という作品でした。――波。静寂の海と樹木。理想郷の夜。しかし、それは既に罅割れているのです。もはや現実には存在を否定されています。波の音も、穏やかな鈴虫の声も、何もかもが虚構。白さのむこうがわには、素晴らしい夜の波と満天の星空があるのに、手が届かない。
 『二つの溝のある黒』。カンヴァスの上に、二つの痕跡。しかし、それはもう闇に飲まれてしまっている…。
 『闇の上の二つの白』では、白い存在は、線の向こう側へは飛び込めないでいる。画面の下のほうには、穏やかな存在があるのに…。
 『折り曲げた板とコップ』のコップはもはやコップではなく、ただの硝子の物体に過ぎない。亡骸。けれど確かに存在している…。
 『三本の指』の影は、なにか考えを持っているが、抽象的であり、実体が掴めずに、それでも何かを思っている(言っている)のだと思う…。けれど、聞こえない。伝わらない。こちらが理解できるのは、その影の存在だけ…。
 どうしてでしょう? 十字は既に否定されているのです。二つの結び目では、十字は十字ではない。『マルドロールの歌』のように残酷で、それでいて美しい幻。私はこれらの作品に、そんなものを見出していたようです…。是非またどこかで展覧会をやってほしいなぁ…。(大金持ちだったらコレクションしたいくらい! 個人的にはイチバン好きな画家のカジンスキーと同じくらい好きになってしまった作風でした。)


<南十字星> written by Shallot Barbarina

大樹の陰に 星空の下に
蟋蟀の優しい歌声に
釣鐘草は夢を見る
金色の星の 綱渡り
十字星は南の空に
海の風に さざなみに
  脅える枯れ葉のざわめきに
  凍てついたきみの瞠目に

関連記事


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://sousleau.blog5.fc2.com/tb.php/19-03a3028e
    この記事へのトラックバック

    原美術館 「タピエス - スペインの巨人 熱き絵画の挑戦」 4/30

    原美術館(品川区北品川)「タピエス - スペインの巨人 熱き絵画の挑戦」3/30~5/29こんにちは。先日、原美術館でアントニ・タピエスの個展を見てきました。国際巡回展であるこの展覧会は、日本では原美術館のみの開催です。タピエスはまとまった形で紹介されることが少ない

    強いメッセージを感じる「タビエス展」

    2週間ぶりに東京に戻り、久しぶりに北品川の原美術館にいってきました。多分、ここを

    タピエス-スペインの巨人 熱き絵画の挑戦(5/3)

    原美術館にて。(3/30~5/29)http://www.haramuseum.or.jp/「これは、どこ?」今回初めて拝見するタピエス、出展されていたのはほとんどが平面の抽象の作品で、さらにそのうちの多くが絵の具以外の材料をふんだ…



    Articles