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リア王シリーズ⑩ コーディリア様万歳。

2006年02月01日 01:33

ケントと紳士の会話。
リアがどうしているか知ったコーディリアが、フランス軍を率いてドーヴァーへ上陸、自分の土地を奪回せんがため、父を救済せんがために乗り込んできた。そこへ、紳士がケントの手紙を彼女に渡したらしいことが、二人の会話から推測される。第4幕第3場。
[ケント]
あなたのお持ちになった手紙は、お妃様を突き動かし、何らかの悲嘆の表れを齎したのか?

[紳士]
はい。彼女はそれをお取りになると、私の前で読まれました。
すると、瞬く間に、いっぱいに膨れた涙が、彼女の美しい頬を、
はらはらと流れて落ちました。それは彼女が感情を制し、
女王であろうとしていたように見えました。まったく反逆者のように、
感情は、彼女を支配する王であろうとしたのです。

[ケント]
あぁ、それではそれは彼女を動かしたのだ。

[紳士]
憤怒のほうへではありませんよ。忍耐と悲愴が、
彼女をよりよく見せようと凌ぎあっていたのです。
陽光と雨を、一度に御覧になったことがあるでしょう。彼女の微笑みと涙は、
もっと素敵でした。彼女の熟れた唇で戯れていた、あの幸せな微笑みは、
彼女の眼にどんな客が訪っているか、知らないようでありました。それゆえに、
まるでダイヤモンドから真珠が零れ落ちるように、客は眼を辞しました。
端的に言えば、誰もが悲しみをこれほどまでに良く映し出せるのならば、
悲しみは、最も愛されるまれなものとなりますでしょう。
[ケント]
彼女は何か言葉で問われたか?

[紳士]
えぇ、一度か二度、彼女は「父上」と、
喘ぎながら絞り出しました、まるでその言葉が心臓に圧し掛かっているように。
「姉上! 姉上! 女性の名折れです! 姉上!
ケント! 父上! 姉上! 何と、嵐の中? 夜の中?
憐れみなど信じないようにしよう!」と叫ばれ、そこで彼女は
天のような瞳から、聖なる水を振り払われ、
そして叫びを和らげられました。そして奥で独り、彼女は悲嘆を宥められました。

=========================
<Shallotのコメント>
美しいでしょ~?
私、最初にこのコーディリアの描写を見たとき、
涙が出るかと思うくらい、美しさに圧倒されました。
こんなに涙を素晴らしく描写できるなんて、さっすが沙翁。
光の中の春の雨が、本当に目に浮かぶようです。
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