「赤樂茶碗 古希七十之内」とランボオの「野蛮人」

2006年10月08日 02:37

神秘的な器

 三井記念美術館へ行ってきました☆ 今は『開館一周年記念特別展「赤と黒の芸術 楽茶碗」』展を開催しています。
 もともと(料理しないクセに)食器が大好きな私には、かなり興味深くって素敵要素満載の展覧会でした☆

 たかが器、されど器。上図は楽家九代目の吉左衛門・了入が作った「赤樂茶碗 古希七十之内」(1825年)です。これ以外にも、会場には本当にたくさんの素晴らしい器がいっぱいで、メタルちっくなものもあり、クレー風味のものもあり、目移りしちゃったんですが、この茶碗を目の前にしたら、なんだかもう頭がくらっと来ちゃいまして。暫くぼーっとなってしまいました。

 なんて言うんだろう、夕日というか火山というか、その中に闇のしじまのようなものもあり、あぁ、雪が降っているのかな、氷が降っているのかな…なんていろいろ想像を掻き立てられました。その時は思いもしなかったんですが、会場を出てから、「あぁ、あの茶碗はランボオの
「Barbare(野蛮人)」の世界を具現しているのかもしれない、これは単なる偶然なのだろうけれど、でもまさにあの世界観だわ…」とひとり納得。限りないイマジネーション。素晴らしすぎる。

 もう言葉もありませんでした… 器にここまで感動させられるとは、器めぇ、なかなかやりおる。。。v>ー<
【野蛮人】ランボオ作 Shallot B.訳(改訂版) 

 日々や季節、それから人間や国々のはるか後に、
 (存在しない)海と北極の花によって織られた絹布の上に、血の滴る肉の天幕。
 勇壮な古い軍楽から立ち戻り――それはまだ心と頭を蝕むけれど――古代の暗殺者からはほど遠く――
 あぁ! (存在しない)海と北極の花によって織られた絹布の上に、血の滴る肉の天幕。。
 やわらかなものよ!
 霰の突風に混じりあっている燠――やわらかなものよ!――僕らのために永遠に焼け焦げた大地の心が投げつけた――ダイヤの風に混じり合う雨に乗る炎――あぁ世界よ!――
 (古びた隠遁やかつての炎からは遠く離れて、人はそれを聞くのです、人はそれを解るのです、)
 燠とうたかた。音楽、深淵の回転と、氷塊の天体への衝突。
 あぁやわらかなものよ、あぁ世界よ、あぁ音楽よ! そうしてあそこに、数あるもののかたちや、汗、髪と瞳が、漂っていて。それから白い涙が、煮え立っていて、――あぁやわらかなものよ! ――それから火山と北極の洞穴の奥底へと届けられた女性の声。
 天幕……

==============================
 どーでもいいんですが、いくら若気の至りとはいえ、いくらパー子とは言え、前の訳を見返してみたら酷いヒドイ…どんだけ文法力がなかったかを思い知ってしまった…(滝汗)この作品の前の訳作ったのって、たしか二年前…。手前の実力のなさが身に沁みました…。
 実は、半年前、あちらこちらの(とってもえら~い)先生方に、今までの論文を見ていただく機会があって、もう本当に立ち直れないくらいにけちょんけちょんに酷評されたんですが、もうこんな訳を見返してしまうと、今の自分から過去の自分に対して酷評したくなる気持ちが100倍です(苦笑)。涙ながらに「お前はなってなかったんだよ!」と励ましも込めて、後ろから頭叩いてやりたいです。

 反省。
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コメント

  1. リリー | URL | 03RJxdeI

    三井のコレクションすばらしいですよねぇ。
    私は光悦の黒楽が好きです

  2. Shallot B. | URL | GosGM5ns

    黒楽

    楽焼の「手の感じ」が好きです~
    実は私も黒楽がイチバンお気に入りなのですが、この赤楽は、私のお気に入り感覚を上回る絶品だったと思います☆

    >三井
    ですね!私もあれ以来、好きな美術館のひとつです☆場所も最高ですし…!

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