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横笛という楽器

2007年07月02日 01:58

hanamizuki1

 今日は「伶楽舎第八回雅楽演奏会」(於:紀尾井ホール)を聴きに行ってきました☆
 雅楽については殆ど知らなくて、教材についていたビデオでチラッと見たくらい。漫画のイメージが先行してて、思い出すのは源氏物語で、源氏と頭中将が若い日に踊った青海波くらい。巻が下って、柏木と夕霧が何かを踊っていたような…

 雅楽を実際に聞いてみると、横笛(今日は龍笛[りゅうてき]とパンフレットにありました。)の音は、耳を劈くくらいに高音域を担当するのですね。そんな高音にまずビックリです。

 横笛といえば、源氏物語の「横笛」の巻。我が愛すべき柏木が、失意のうちに亡くなって、その未亡人である落葉さまの屋敷に夕霧が通ってくるというところですね。まだ関係ができあがる前なので、落葉さんのお母さんの御息所さんも夕霧に親友柏木の笛をくれるのですね。それがいわゆる「柏木の横笛」ってやつで、柏木ってば横笛の名手だったのでした。そこで、夕霧は柏木の笛を吹いてみる。と、落葉ママが夕霧に

露しげきむぐらの宿にいにしへの秋に変はらぬ虫の声かな
(大意:涙にくれているのです。この荒れ果てた家に、昔の秋と変わらない笛の音を聞かせて戴きました…)

という歌を贈ると、夕霧もお返しに

横笛の調べはことに変はらぬをむなしくなりし音こそ尽きせね
(大意:横笛の音色は特に昔と変わりません。しかし、亡くなった人を悼む泣き声は尽きませんね。)

と歌い、横笛が話題に出されるのですね。
 そんな横笛が柏木の霊を呼んでしまうのが、夕霧の帰宅後のこと。夜更けに夕霧の傍に柏木の霊が出て、夕霧は(夢の中で?)柏木の霊に出会います。柏木は、

笛竹に吹き寄る風のことならば末の世長きねに伝へなむ
(大意:この笛の音に吹き寄る風は、同じことならわたしの子孫に伝えて欲しいものです。)

と意味深な歌を歌います。勿論、柏木には公式な子供はいないのですが、柏木の愛する女三宮(イケイケギャル?/爆)に隠し子の薫がいるので、それに伝えたいらしい。実際、薫もまた笛の名手となりますね。
 柏木と横笛。
 
 横笛の演奏を聴いて、柏木が奏でた音は、あんなに高かったのかとつくづく想像してしまいました。雲雀の声が切なくて、雲より高く昇っていくなんて言いますが、柏木の恋の結末を思うと、横笛の高音は切ないです。

 雅楽の合奏自体は、耳障りなほどの不協和音があって、平安時代の、あるいは奈良時代まで遡るような音色とは、現代の西洋音楽が主流になってしまった感覚とは全く異なるもので、あるいはもし、古代の日本人が現代に現れたら、同じ日本人であるのに、言葉も通じないし音楽に対する感覚も全く違って、変な思いをするに違いないなぁなんて考えてしまいました。
 雅楽はある意味でNew Ageのジャンルに入れられると思います。極めて現代的です。

 柏木の横笛の音色、紫式部の住んでいた空気の中に消えていった音楽。雅楽の演奏からは、破滅をじっと見詰めながら、生を謳歌する古代の貴族たちの息吹を感じることができました☆ 
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