北の海

2007年09月01日 01:47

ひかりの溢れる扉

[北の海] 中原中也 作 (『在りし日の歌』より) 

海にゐるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にゐるのは、
あれは、浪ばかり。

曇つた北海の空の下、
浪はところどころ歯をむいて、
空を呪つてゐるのです。
いつはてるとも知れない呪。

海にゐるのは、
あれは人魚ではないのです。
あれは、浪ばかり。

少しずつ涼しい日が増えてきました。
今日は私の北向きの部屋に、とても涼しい風が訪れています。
カーテンを微かに揺らす風はもう秋の空が運んできたものか…

お風呂に入っているとき、何故か中也の歌を思い出しました。
人魚の棲んでいたのは北の海、秋の深まりを感じるせいか、
人魚が波間を彷徨っているのが眼に浮かびます。

けれど、それは人魚ではないのですね…
波ばかり。
空を永遠に呪い続ける波…

アンデルセンの童話のなかで、
人魚姫は、叶わぬ想いの果てに、海の泡になりました。
何も言わず、夜明けと共に泡と消えた彼女。
小さい頃から、私は人魚姫のそんな話が好きなのです。

人魚は、神様を呪っていたのでしょうか…
叶わぬ想いを抱いたまま、海の泡になったとしたら…

暗く深い青緑の水底に、波間に消えた激情は、
浪となって、「ところどころ歯をむいて、
空を呪つてゐるのです。
いつはてるとも知れない呪」となり、
秋の海を漂い続けるのかもしれません…
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コメント

  1. Licca | URL | -

    Shallotは「在りし日の歌」が好きだったよね。
    私は「山羊の歌」
    中也はステキです☆
    今晩も読んで寝ます。

    私の童話、太宰とはちょっと違うコワさかも…
    冊子作ろうっ!!!!!
    今度添付で、コワい童話送ってもいい???
    今、詩は全然かけないの…
    どうしちゃったんだろう…
    Shallotはいかが???

    同窓会、忘年会になるかもなんね。
    もしかしたら、1月末に1週間くらい帰るかもです。
    許可が下りればなんだけど…
    そしたら、絶対会おうね☆

    ロシアアイス、激おいしいよ。
    Shallotに持って帰れないのが、ほんとに残念…

  2. Shallot B. | URL | GosGM5ns

    >今度添付で、コワい童話送ってもいい???
    おっけ~ぃい♪です☆

    >1月末に1週間くらい帰るかも
    そのとき、冊子の詳しい打ち合わせできるといいなと
    思います☆

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人魚姫人魚姫(にんぎょひめ、原題:''Den Lille Havfrue'')はデンマークの代表的な童話作家・詩人であるハンス・クリスチャン・アンデルセン原作の童話。1836年発表。.wikilis{font-size:10px;color:#666666;}Quotation:Wikipedia-



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