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蝶と氷と

2008年02月09日 01:53

蝶二羽

【蝶と氷と】  西條八十
     或る友におくる。

雪林のなかのほの碧い湖に
ただよふ浮水の花がある、
そこへ春になると蝶がくる、
か弱い、ひからびた蝶が。――

蝶は氷の融けるのを待つ、
蝶は孤独の春を識らないのだ、
蝶は氷と春とを楽みたいのだ、
蝶は舞ふ、浮氷のうへを、終日悲しく。

なぜ、アルファの春はオメガの春で無いのか、友よ、
浮氷の融けるころ、蝶は死んでゐる、
浮氷の融けた水は、蝶の骸をおし流すのだ、
往く者と来る者、そして愛する者と愛される者と。――

雪林のなかに、今日も蝶が舞ってゐる、
友よ、
地上は暗い、
疲れはてた蝶の翅に照るもの、――
それは遥かから来る月のひかりだ。


注)
碧い:あおい
終日:ひねもす
融ける:とける
識らない:しらない
骸:むくろ


昨日に引き続き「蝶」です☆
昨夜は西條さんの歌は「『鋭利な』表現はあまりない」と書きましたが、
詩集『砂金』・『見知らぬ愛人』から抜粋されたものによるのであって、
今日は詩集『美しき喪失』・『一握の玻璃』の抜粋を読みましたが、
ここらへんはかなり切ないですね~ 人生の悲しみを痛切に歌ったものが
多いように思います。

頭に残る芸術作品というのは、本当に力のある作品だなぁというのが持論ですが、
昨日の「蝶」は『美しき喪失』から引用しましたけれども、
今日読んだ「母の部屋」は、ものすごかったですね~
なんか頭にのこります~(このブログのカラーじゃなかったんで、引用はしませんが。)

疲れはてた蝶の翅に照るもの……

私の肩も、バラバラになりそうです… 痛ひ…ToT;
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