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月夜 清明己會

2008年03月24日 04:06

月夜

海神の 豊旗雲に 入日さし
   今夜の月夜 さやけくありこそ

     中大兄皇子(『万葉集』15)


(注)
海神:わたつみ。「ツ」は助詞「の」と同意。「海の神」から転じて海を指す。
豊旗雲:とよはたぐも。豊かに大空を横切ってはためく雲。
さやけく:「明けし」。はっきりしている。清らかである。
      万葉仮名「清明己會」の読み方に諸説あり、「まさやかにこそ」「あきらけくこそ」などある。

(大意)大海原に大きくはためく雲に、燃えるような入り日の射すのを見た今夜は、
    月も澄み切って明るく照り輝いてほしい。
        (角川書店編『ビギナーズ・クラシックス 万葉集』角川ソフィア文庫92(2005)、21頁。)


4月からまた仕事で使いそうなネタをこちらにも公開。今日は季節外れな中大兄の歌です~…
英訳があるんです。

Banner clouds
trail over the sea, aglow
in the setting sun
May the moon tonight
Shine bright and clear
        (Trans. by Janine Beichman)
(大岡信、ジャニーン・バイチマン『(対訳)折々のうた』講談社インターナショナル、2002年、109頁)

(注)
Banner:まさに「旗」の意。でも、横断幕みたいなものも意味するので、ランボーの「野蛮人」みたいなイメージなのかもしれない。
trail: 轍をつけて「進む」。
aglow:(形容詞)「赤く照り輝く」。準補語の役割、分詞構文と同義。状況説明。
sun: theを伴って、「陽光、日光」の意。
May: 祈願のmay。

なんか、すごい。このイメージは、壮大だぁね。神様のいる海の上に、豊かな旗のような雲が赤く光の中で輝いている。「雲が」輝いている… 悪魔のようでもあり、神のようでもあり。。。(ここでは神様の意味なんでしょうが、悪魔的なイメージさえ漂っているように思います。)そして、月夜が美しくあれ、と。中大兄、やるぅ…☆


画像は以前上野の都立美術館で見た「サンクトペテルブルク国立ロシア美術館展」の作品から。
アイヴァゾフスキーの一枚。
以下、公式サイトからの引用。

『月夜』1849年 油彩・カンヴァス
アイヴァゾフスキーというとドラマティックな嵐の海が有名だが、この雲の切れ間から差し込む一条の月の光に浮かび上がる、凪いで穏やかな夜の海の美しさはどうだろう。うっとりするようなロマンティックな情景を前に、しばらくじっと佇んでみたくなるような作品。
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