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見えないものを見えるものに

2008年03月24日 04:19

上野の夕暮れ、春

妹が家も 継ぎて見ましを 大和なる 大島の嶺に 家もあらましを
                                           天智天皇

秋山の 木の下隠り 行く水の 我れこそ増さめ 思ほすよりは
                                           鏡王女

(大意)
天智: あなたの家をずっと見つづけたい。それが見える場所に私の家があったらいいのに。
鏡: 秋の山の木の落葉の下を、隠れてそっと流れて行く水のように、
  表には見えないけれど私の方こそ、より深くお慕いしています。
  あなたが私を思ってくださるよりは。
          (角川書店編『ビギナーズ・クラシックス 万葉集』角川ソフィア文庫92(2005)、57頁。)


この歌、実はずっと前からかなりお気に入りではあったのですが、これほどまでの奥深さとは
今日はじめて知った次第。見えない思いを見える形に、しかしながら見えないもののイメージとして
嶺(天智)←山(鏡)
継ぎて見まし(天智)←隠り行く水(鏡)
という具合に、見事に切り返して、「あんたよりあたしのほうが思ってるんだからね!」と、
自分の切ない慕情をさっぱり流した素晴らしい作品です~

以下、リービ氏による「秋山の」の英訳。

Like the hidden stream
trickling beneath the trees
down the autumn mountainside,
so do my thoughts of you, my Lord,
increase more than yours of me.
    (リービ英雄『英語でよむ万葉集』岩波書店[岩波新書(新赤版920)]、2004年)182-185頁参照。)
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