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陽気な死人

2008年05月27日 01:29

晩春雨歌8

【陽気な死人】  ボードレール 作(『悪の華』72)

蝸牛でいっぱいの、よく肥えた土の中に、
私は自分で深い墓穴を掘りたいものだ、
そこに、悠々と、わが古びた骨を横たえ、
波間にただよう鱶をさながら、忘却の中に眠るために。

私は遺言を憎む、そして私は墓碑を憎む。
世の人の一滴の涙を乞うほどならばむしろ、
生きながら、鴉どもを招き寄せ、穢らわしい
わが軀のあらゆる端を血まみれにつつかせよう。

おお蛆虫ども! 耳もなく眼もない陰気なともがらよ、
見よ、お前らの方へ、自由で陽気な死人がやってくるのを。
悟りすました道楽者たち、腐敗物の息子らよ、

さあ悔いもなく、私の残骸の中を歩きまわれ、
そして、教えてくれたまえ、魂もない、死人の中の死人、
この古い身体にも、まだ何か責め苦を与えられるものかどうか!

(阿部良雄訳『ボードレール全詩集Ⅰ』ちくま文庫、165-166頁より抜粋)
注)
死人:「しびと」
蝸牛:「かたつむり」
骨:「こつ」
鱶:「ふか」
穢らわしい:「けがらわしい」
軀:「むくろ」
身体:「からだ」
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