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猫たち

2008年06月08日 01:13

un chat

【猫たち】 ボードレール 作 (『悪の華』66)

熱烈な恋人たちも、謹厳な学者たちも、
熟した齢ともなれば、ひとしなみに猫を愛する、
彼らと同じ寒がりで、引きこもりがちの猫たち、
精気あふれておとなしい、家の誇りの猫たちを。

学問と逸楽との友である、猫たちは、
沈黙を、身の毛もよだつ暗闇を、探しもとめる。
冥土の神は、彼らの葬送の駿馬に使ったでもあろう、
もしも猫たちが、高い誇りを捨て、隷従に甘んじたならば。

瞑想にふける猫たちの、気高い態度は、
寂寥の地の奥に身を伸ばした、巨大なスフィンクスの、
果てもない夢に眠り入るかと見える姿にさながら。

豊かさの尽きぬ彼らの腰は、魔法の花火に満ちて、
黄金の小さな粒が、細かい砂のように、
彼らの神秘な瞳に、おぼろな星とかがやく。

(阿部良雄訳『ボードレール全詩集Ⅰ』ちくま文庫、158-159頁より抜粋)
注)
齢:よわい
冥土の神:エレボス。ギリシア神話の「冥土の暗闇」を意味し、しばしば擬人化される。
寂寥:せきりょう
黄金:こがね


オスカーワイルドのスフィンクスは、女と猫を掛け合わせた生き物で、情欲の化身であり、
永遠を生き続け、しばしば男を破滅させる「宿命の女」です。

個人的に、あんまり猫は好きではないのですが、先月の中旬、
一週間くらい、仕事場の最寄り駅の近くの路地で、なぜか同じ時間に同じ場所にきっちり
座って誰かを待っているような猫がおりました。
一度、酔っ払った男性が、コンビニで買ったであろう何かを猫に与えていたこともあり、
そのときは娼婦みたいにおねだりしまくってました…(笑)
でもなぜか結構愛嬌のある猫で、少しすました顔の整った猫でした。
…男の猫だったらゴメンナサイ(笑)

なんか、このボードレールの猫も、プライドの高い宵闇の似合う猫ですね。
複数形になっているところが、都会のあちらこちらで同じように眼を光らせている、
そんな空間の広がりさえ見せてくれているように思えます。
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