ミレイ展@渋谷

2008年09月08日 02:43

ミレイのオフィーリア
 渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の『ジョン・エヴァレット・ミレイ展』を見に行ってきました☆
 半年くらい前からずいぶん楽しみにしていた展覧会だったので、本当は初日に行ってもいいくらいな感じでした☆ オフィーリアの絵画はこれで二枚目になります~

 初夏のころ、ずっとオフィーリアをテーマに勉強していたような気さえするので、『ハムレット』の王妃様の台詞を含め、オフィーリア関連のところはともすると暗誦できるくらいな気持ちさえします(←出来ない/汗)。出口にあったお土産コーナーのTシャツにちょっと惹かれたのは内緒です~(笑)

 さて。本題の絵画ですが、
 ミレイのオフィーリアは、画像でしかみたことがなかったのですが、今回初めてお目にかかって、初めて気づいたことがあります。それは、左の隅にいるコマドリ。画像だと草むらにカモフラージュされてしまっていて、私の悪い目にはとまっていなかったんですが、今回実物を見たら、コマドリが。
 コマドリには、昨年一年間ずいぶんお世話になったので、馴染み深いですね。イギリスの国鳥。キリストの象徴。敬虔な鳥とさえ言われているコマドリが、オフィーリアの頭上に描かれていたんですね。

 オフィーリアのポーズは、キリスト教徒が死ぬときにとるポーズをとっているらしく、そうすると、ミレイはキリスト教徒にとって罪にあたる「自殺」の疑いのあるオフィーリアは自殺ではなく、悲劇的な事故であるととっているのかもしれませんね~。コマドリはそれを裏付けているような気がします。


溜め息橋ofミレイ
なんだかイメージがごちゃごちゃになっているのですが、確か「溜め息橋」ってヴァージニア・ウルフの短編集にでてきような…。ただ、イメージで湧いてきたのはなぜかシュペルヴィエル(光文社古典新訳文庫)の『海に住む少女』の一編、「セーヌ河の名なし娘」。川へ入水自殺した女の子の自我が拡散していく物語。その直前のイメージがかぶりました。

聖ステパノofミレイ
 久々の「聖人イイ男コレクション」決定作品でした(爆)。西美に置いてある(大好きな)ヨハネくん以来です~☆ 最初のほうにあった「両親の家のキリスト」のキリストもカワイイ系でしたが、個人的にはヤハリ少年<青年のクチなんで、こっちに軍配。
 その後のキャプションで、このステパノくんは、女性をモデルに描かれていることが判明。宝塚的な美人だったわけですね☆ でも、素敵な一枚です~☆

月は昇ったがまだ夜ではないofミレイ
 バイロンの詩からの引用でつけられた題名だけに、一応バイロンファンとしては「やらねばならぬな!」という義務感(?)から調べました~ 『チャイルドハロルドの巡礼』第4編27連からの引用でした。スコットランドの風景だと書いてあったので、勉強不足の私は、最初スコットランド時代(少年時代)の詩からの引用かとも思ったのですが、残念(汗)。
 『チャイルドハロルド』の第4編は、イタリアのことがいろいろ書かれているのですが、20連あたりからヴェネチアからバイロン節がはじまり、ごちゃごちゃいろいろと気持ちを連ね、26連でまた突然風景描写に戻る、このタイトルになっている部分はその美しい情景描写の重要なポイントになっているのですね。

The moon is up, and yet it is not night - 
Sunset divides the sky with her - a sea 
Of glory streams along the Alpine height 
Of blue Friuli’s mountains; Heaven is free 
From clouds, but of all colours seems to be - 
Melted to one vast Iris of the West, 
Where the day joins the past eternity; 
While, on the other hand, meek Dian’s crest 
Floats through the azure air - an island of the blest! 

月は昇ったけれどまだ夜ではない――
夕陽が月と空を分かちあっている。
青い北の山脈のアルプスの峰に沿って
栄光の海が流れている。み空に雲は
かかっておらず、色彩がすべて
西の虹彩の広がりへと溶けこんでいるよう。
そこで日永は過去の永遠へと交わる。
一方、優しいダイアナの髪飾りは
蒼い空に――幸せな人の島に浮かんでる。


相変わらずの筆力……。そしてこれを引用して辞さないミレイの筆力にも脱帽。どっちもすげぇなぁ……。ほかにも、展覧会場にはワーズワスからの引用や、テニスンの引用の作品がたくさんあって、勉強不足を痛感すると同時に、ミレイの自然画に感服しました。ただ、なぜかターナーや象徴派絵画の時のように、絵画の中へと踏み込んでいって、私自身が絵の中に埋没するということができないようでしたので、結論から言えば、分かりきれなかったのかもしれません。

 もしできることなら、おそらくもう一度見に行くかもしれませんが、そのときまでに英文学をもちっと勉強しておこうかなと思いました~
 シェイクスピアの『尺には尺を』とか、テニスンの『マリアナ』『聖アグネス祭前夜』とか、ちょっと読んでからのほうが面白かったかも。
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