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Toughness  ―『レオノール・フィニ展』―

2005年07月22日 01:31

UneOmbreRespirante


 この前の三連休、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の、『レオノール・フィニ展』に行ってきました。以前からかなり期待していたので、楽しみウキウキでした♪
 いくつかのセクションに分かれていましたが、私が最も気に入ったのは、「鉱物の時代」の絵画です。フィニさん自身、この抽象度の高い作品を描く手法のことを、「Art Brut」と呼んでいたと、カタログには描いてあったのですが、実際これで出来上がった作品は、「存在の痕跡」ともいえるような、そんな作品群でした。『Sommeil dans un jardin(庭での眠り)』は、心地よさそうな表情を見せているものの、皆生きているのかいないのかが、判然とせず、むしろ生きながらにして屍と化してしまっているような雰囲気でした。また、『Une Ombre respirante(息づく影)』(上図)は、まさに手法通りの「痕跡」とも呼べるような画質で、夢の中にいながら、そのまま存在が消えてしまったような、そんな意識の中を体験しているようでした。
 シュルレアリスムのころの作品にも関わらず、最後のセクションに置かれていた、『Les Sorcieres(魔法使いの女たち)』(下図)は、ランボオの『地獄の季節』の冒頭や、『イリュミナシオン』の「Apres le Deluge(大洪水のあと)」など、魔女の描かれていた場面を思い起こさずにはいられませんでした…。フィニさんも魔女たちを自分の味方として描いていたのかなぁ…って。
SorcieresDeLeonor

 フィニさんの作品は、どれも彼女の自我というか、彼女自身の「強さ」を感じずにはいられないものばかりでした。どの作品の中にも、彼女が存在している。強靭さと脆弱さの表裏一体となった内面の奥に、見出されたのは「道化のこころ」なのか。最後に置かれていた『Gorgone(ゴルゴン)』の微笑みは、どことなく何もかもを見透かしてしまっているような声が聞こえてくるようでした…。
 湧きあがれ、水よ、――泡よ、橋の上を、そして樹々の上を転がっていけ。――黒幕とオルガン、――閃光と雷鳴、――湧き立って転がるんだ。――水と悲しみよ、〈大洪水〉を湧き立たせて溢れかえらせてしまえ。
 それというのも、大洪水が晴れ上がって以来、――あぁ埋もれた宝石たち、そして熟しきった花々よ!――物憂いことだ! しかも女王、大地の壷の燠に火を灯す魔女は、決して僕らに知っていることを話したがらないんだろう。(アルチュール・ランボオ『イリュミナシオン』から『大洪水のあと』(部分))
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