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『接続する中也』読了

2008年11月08日 15:48

接続する中也接続する中也
(2007/05)
疋田 雅昭

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【オススメ度:☆☆☆☆☆】
上掲した書物『接続する中也』(疋田雅昭著、笠間書院)を読了しました。

まず、242ページから245ページの後記を読んで、大爆笑☆
最高に面白いパロディーです!! 
そして、「こんな先生がウチの大学にもいたらなぁ、学生さんたちも詩に興味が湧くと思うのに」と
本当は自分が授業を受けたい気持ちになりながら、そんなふうに思いました。
自分もがむばろう…><;

第2部の5章あたりを読んでいたとき、自分の作品が分析されることを嫌った中也でも、
「こんな風に研究されるのであれば、中也も嫌がらないと思います」と
フランス語の先生に言いました。中也も、こんなに素敵な研究方法で解体され縫合されるなら、
本当に喜ぶだろうなぁ……と。

第2部(4-6章)全体と、第8章は、研究の手段が非常に参考になりました。
他の章も、多分参考になると思いますが、自分の能力では難しいかも~……><
この書物全体が、料理のレシピと似ていて、研究のやりかたを明確に提示してくれています。
中也の料理の仕方に限定せず、ランボーやバイロンのほうにも転用できると確信しました。

個人的に特に面白かったのは、「〈述志〉の系譜」についてまとめられた第2部です。
詩集『山羊の歌』が「春の日の夕暮れ」に始まり、「いのちの声」の最後の一行、

  ゆふがた、空の下で、身一点に感じられれば、万事に於て文句はないのだ。

で終わることについて議論し、ひとつの詩の系譜を立てているのです。

 中也の詩に繰り返し歌われる「倦怠」や「憔悴」は、いままで述べて来たような詩論の二律背反性を考えれば、不可避的なものであったと、容易に理解出来るだろう。しかし、ここまでして中也が表現したかったものは、まさにことばでは表現できないものであった。そこで中也がとった方法は、運命に殉じる自らの姿をそのまま詩にすることであった。それこそが詩人としての運命に殉じる姿、つまり〈述志〉の系譜と、それによって生じた「孤独」「倦怠」「悲しみ」といった詩の系譜なのである。
                (疋田雅昭『接続する中也』笠間書院、2007、136ページ。)

として、これらの「悲しみ」などのもとには「叫び」があるとまとめています。
中也の「叫び」については、

 芸術に始原がありとして、それは何だか知ってゐるか?――「叫びたい」ことだ! 而《しか》も所謂《いわゆる》喜怒哀楽――即ち損得によつて起る喜びと悲み――を叫びたかつたのではなく、かの生の歓喜だ! 即ち生が自然に溶解する時の寧ろ悲痛な声だ!
                    (中原中也「詩と詩人」より抜粋。)

としていますので、これをうまく論だてているのですね。
特に脱帽したのは、「春の日の夕暮れ」と「いのちの声」の分析。素晴らしいです。

とても勉強になりました。これくらい書けたらいいなぁ~と密かな憧れを抱きつつ、
付箋を張り張りしていた2週間です。
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コメント

  1. Shallot B. | URL | GosGM5ns

    Re: 『接続する中也』読了

    akioさん、こんにちは。
    コメント有難うございます。
    そうですね、寒くなりましたね。いい作品がかけるといいのですけども…

  2. まさ | URL | -

    Re: 『接続する中也』読了

    偶然、このブログを発見しました。僕著者です、丁寧に読んで頂いて大変感動しました。こういうことあると、書いたかいがあります~。ありがとうございます。おもわずうれしくなり書き込んでしまいました。自分のブログは9月以降忙しくって何もしていませんが、見習って書いて行かないとと…と思いも新たにしました。ありがとう。

  3. Shallot B. | URL | -

    Re: 『接続する中也』読了

    わぁっ!!\*^▽^*/
    コメント有難うございます~~~☆☆
    最初図書館で借りて読み始めたのですが、
    あんまり面白かったので買ってしまいました☆
    傍線引きながら付箋立てて書き込みしていくのが楽しくって……☆
    本当に読みやすくって☆

    とっても活用させて頂いております☆

    拙ブログともども、宜しくお願い致します☆

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