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シントラの町、リスボンの波。

2008年12月14日 04:30

シントラの景色

【チャイルドハロルドの巡礼】第1編より、15連-18連
    バイロン作  Shallot B.訳

15
あぁ神様! 天がこの豊饒たる大地に為したことを
目にできるなんて、美しい光景にもほどがあるぜ!
樹々にはなんと甘い香りの赤い実のかずかず!
丘の向こうになんて美事な景色が広がっているんだろう!
しかし人は不敬な手でこの景色を傷つけるんだ。
御命に最も背いた者どもに対し鞭を振り上げ
厳罰に処したそのときに、
三倍にもなる復讐の力で、その熱い御矢は放たれ、ガリアの害虫どもに押し寄せて、
もっとも残忍な敵の群れを地上から一掃するだろう。


16
視界に飛び込む最初の瞬間の、リスボンの美しさといったら!
高貴な水面に映るその姿に
詩人たちは得意満面、金の砂を撒いている。
しかし今、その水面に、強大な力を持つ千の船が押し寄せる。
ポルトガルの人々にイギリス軍が与して
援軍を送ったのだから。
無知と高慢で膨れ上がったひとつの国民がいる。
フランス人の容赦なき皇帝の憤怒から己を護るために
刀を振りまわす手をぶん殴りながらも酷く憎んでいるんだ。

17
けれど、遠く光り輝いて、天界のようなこの町へ
入ってくるひとは誰でも、
異邦人の眼にはかずかずのものが薄汚れて見えるから、
惨めな気持ちで彷徨うだろう。
だって掘っ立て小屋も宮殿も、おんなじくらい小汚い。
身分の貴賤に関係なく、誰もがコートやシャツの清潔さなんて
気にも留めてないんだから。
昔エジプトを滅ぼしたっていう疫病にやっつけられたとしても、
みんな髪も梳かさないし、洗濯もしないし、へっちゃらなのさ。

18
もっとも高貴な佳景に生まれた惨めでちっぽけな奴婢どもよ!
自然よ、どうしておまえの驚嘆をこんな連中に浪費するんだ?
見ろ! 輝ける楽園のようなシントラの町は、
山と谷の綾なす迷宮にそそり立っているのだ。
あぁ! 畏れの世界に向かって極楽の門を開放した
詩人が語るものよりも
人間の眼を眩ませるほどの眺めを通して、
瞳が映すこの景色の半分を伝えるために
絵筆やペンで描けるだろう手なんてないだろう。


いやー…。
実は木曜からずっとちょこちょこ訳してはいたんですが、なかなかここまでたどり着きませんでした。
今週の念願の更新です~~><;

なんか、久しぶりにむつかしい英単語をいっぱい見たような(汗)。
最近雑務が多すぎてマトモに勉強時間がとれていない。。。

ところで、バイロンの詩の面白さって、やっぱり風景描写なんだね。
たとえば、16連の水面に映るリスボンの最初の2行とか、水軍が押し寄せてくる場面や、
18連のシントラの町の楽園性なんてすごいじゃない?
ただの町の描写で、そもそも詩人が「火を盗む者」っていう意識のもとに
地上に楽園の閉ざされた門を開けてしまったっていうことから始まって、
そんなすんばらしい描写表現力の詩人の筆をもってしても、
旅の臨場感を半分も描き出せはしないなんて……。
「実体験をそのまま語るのはもう絶対無理!」って宣言しちゃってる。
そう書くことで、景色のすばらしさを強調してるんだね~!!

参りました!

原典は以下の通りです~


XV.

Oh, Christ! it is a goodly sight to see
What Heaven hath done for this delicious land!
What fruits of fragrance blush on every tree!
What goodly prospects o’er the hills expand!
But man would mar them with an impious hand:
And when the Almighty lifts his fiercest scourge
’Gainst those who most transgress his high command,
With treble vengeance will his hot shafts urge
Gaul’s locust host, and earth from fellest foemen purge.

XVI.

What beauties doth Lisboa first unfold!
Her image floating on that noble tide,
Which poets vainly pave with sands of gold,
But now whereon a thousand keels did ride
Of mighty strength, since Albion was allied,
And to the Lusians did her aid afford
A nation swoll’n with ignorance and pride,
Who lick, yet loathe, the hand that waves the sword.
To save them from the wrath of Gaul’s unsparing lord.

XVII.

But whoso entereth within this town,
That, sheening far, celestial seems to be,
Disconsolate will wander up and down,
Mid many things unsightly to strange e’e;
For hut and palace show like filthily;
The dingy denizens are reared in dirt;
No personage of high or mean degree
Doth care for cleanness of surtout or shirt,
Though shent with Egypt’s plague, unkempt, unwashed, unhurt.

XVIII.

Poor, paltry slaves! yet born midst noblest scenes -
Why, Nature, waste thy wonders on such men?
Lo! Cintra’s glorious Eden intervenes
In variegated maze of mount and glen.
Ah me! what hand can pencil guide, or pen,
To follow half on which the eye dilates
Through views more dazzling unto mortal ken
Than those whereof such things the bard relates,
Who to the awe-struck world unlocked Elysium’s gates?
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