2009年02月07日 22:04

夕陽が木板に滲みる
潮風が切り傷を舐めている
春の海は
あぁ 記憶は失われて
私は何をしていたのか
時間の流れも 定かではない
遠く鯨の鳴き声がする
深く鮫の足音がする
絶壁が 深く 深く 遠くへと降りてゆく
砲弾が降り注ぎ
穴だらけの甲板に
潮水があらう ぼろぼろのカラヴェル船
仲間とともにありたかった he
妥協したくはなかった she
夢を見続けたかった he
負けたくなかった she
屈辱を知ってしまった he
いま ひとりぼっちになった彼女は歌う
やさしさをこめて
届かない金色の光に向かって
今年も一隻の船の航海が終わります。
乗組員たちは、傷つきながらの航海でした。
彼らは、笑いこそ絶やさなかったけれど、涙も絶やせなかった、なんだか切ない航海の終わりです。
もう少し。
もう少しです。
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