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『イギリス恐怖小説傑作選』読了

2009年03月01日 19:50

イギリス恐怖小説傑作選 (ちくま文庫)イギリス恐怖小説傑作選 (ちくま文庫)
(2005/11)
南條 竹則

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ちくま文庫から出ているShallot好みのタイトルをつけられたものは何でもすぐ買うことにしていて、
しばらく本棚で眠っていた子を引っ張り出しました。買った日、電車で最初のロセッティの「林檎の谷」だけ読んでしまいましたが、それでしばらくは積読になってました。

買った理由→ロセッティを本屋でチラ見して引き込まれた。目次にバイロンがいた。以上。

実は、吸血鬼モノは結構好きで(というか単に『インタビュー・ウィズ・バンパイア』の映画が大好きなだけ/汗)、おんなじ怖いモノでも、どちらかというと実体がある怪物のほうが好きです。メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』も面白く読んだ遠い過去。

で、<亡霊>とか<幽霊>系のお化けに遭遇するお話をまとめて読むことができました。

①ロセッティ「林檎の谷」
実は仕事の都合で、これから人魚or宿命の女を勉強する都合で、大変面白かったです。
キーツの「つれなき美女」を思い出しました~
やっぱり「声」で「呼ぶ」んですね。
谷底ですから、(中也の「一つのメルヘン」ではないけれど)かつては河が流れていたのかもしれません。
亡霊にしろ、怪物にしろ、サディスティックな人魚を彷彿とさせる作品です。
そして、ロセッティだから、非常に審美的です。

②バイロン「断章」(英文はこちら。)
実は、恥ずかしながら、ノーマークでした(汗)。
でも、同書に収録されているほかの作品と比べてみると、明らかに実体が生々しい一章だと思います。少なくとも、語り手の前には確かに男がいて、それが何か良からぬことをしている。
どことなく、アン・ライスの『ヴァンパイア・レスタト』の一部に近い雰囲気を感じました。

③その他
・ ノースコット「ブリケット窪地」:亡霊なのに、案外生々しくて良かったです(?)。
少しアガサ・クリスティーの小説に出てきそうなきらいもありました。
・  ボウエン「罌粟の香り」:描出される空間全体が静寂に包まれていて、読んでいてなぜかほっとしました。エクスの「見た男」の余韻があんまりにも怖かったんで、ここで息抜き~。 罌粟の花の美しさとざわめきが、耳に聞こえてくるようでした。
・ エクスの「見た男」:エンネルの絵画を思い出しました…。かなり怖かったです。でも、オチがありきたりっぽかったようにも思います。個人的に、もう少し歴史と密接に結びついた古い亡霊にしてほしかったかな・・・。

ドールヴィイの『悪魔のような女たち』やローデンバック、ロートレアモンと比べると、やっぱり若干アメリカンコーヒーな印象もないわけではないように思います。
もうちょい濃厚な味わいが欲しかったかな…。

悪魔のような女たち (ちくま文庫)悪魔のような女たち (ちくま文庫)
(2005/03)
ジュール・バルベー ドールヴィイ

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