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笠原順路編『バイロン詩集』読了

2009年03月07日 18:22

対訳 バイロン詩集―イギリス詩人選〈8〉 (岩波文庫)対訳 バイロン詩集―イギリス詩人選〈8〉 (岩波文庫)
(2009/02)
笠原 順路

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電車の中でじっくり読みました、笠原先生の『バイロン詩集』です。

まず、訂正。
前回の記事で一人称が「わし」になっている登場人物について触れましたが、
ハロルド→「僕」
コンラッド→「わし」
アルプ→「私」・「俺」
ボニヴァール→「わし」
日記のバイロン→「僕」
マンフレッド→「わし」
総督→「私」
サルダナパロス王→「余」・「わし」

でした。
で、後記の「バイロン略伝」で、アルバニアの付近で首領のアリ・パシャとの出会いが「高貴な悪漢」のモデルとなったことが述べられているので、恐らく「高貴な悪漢」には「わし」が使われているのかな~と、勝手に推測しました。
それでもやっぱり、個人的にマンフレッドとコンラッドは「俺」が良かったなぁ~…と(汗)根拠がないので、先生に叱られそうですが(笑)。

読みながら、先生の授業を受けているような気持ちでした。(気持ちが引き締まります/汗)
もう何度も読んだ〔オーガスタへの手紙〕や、『マンフレッド』、「アルプス日記」、何度か読んだ『シヨン城の囚われ人』、『海賊』、恥ずかしながら初めて読む『マリノ・フェリエロ』、『ダンテの予言』、古い『バイロン全集』で読んだことのある『サルダナパロス』、『アビュードスの花嫁』など、本当に夢心地の通勤電車でした☆懐かしいキャラクターもいっぱいでした☆

バイロンの饒舌さがよく分かりました。本当によく喋りますね(^-^;)。
『ドン・ジュアン』は、小川和夫の訳で半分くらい読みました(途中で挫折しました/汗)が、
そのときも、バイロンの風刺というか諧謔というか、その口調と回転の速さについていけなくて、
結局ジュリア・エピソードと海の上のエピソードと、ハイディ・エピソードだけはしっかり頭に入れたものの、他の部分は正直ついていけなかったです。でも、この詩集を読む限り、ここがどうやらハイライトだったようで、ちょっと安心。

何だかんだ言っても、やっぱり私はオーガスタの幻を見るのが好きなので、
『海賊』・『マンフレッド』は特に好きです。ドキドキします。
『ハロルド』も好きです。バイロンの凄腕がきらめく情景描写の真骨頂だと思います。

まえがきにもあるように、これまでの『バイロン詩集』は抒情詩に偏っていました。
でも、バイロンの面白さはやっぱりドラマチックな<おはなし>にあると思います。

やまとことばで書かれる<詩>は多くを語りません。
中也も朔太郎も、やっぱり少ない言葉で詩の世界を広げます。
芦雪の墨絵のような、<余白の芸術>の精神がそこにはあると思います。
西洋の詩は、逆。
語ってなんぼのもんです。とにかく、語りつくす。隙間なく、計画的に、技巧を凝らして、語る。
日本人から見ると、ちょっとうるさいくらいです。
でも、語り続ける。ハムレットも死ぬ間際まで語る。「あとは沈黙――」って言うまで、喋る。
死にそうなのに! で、バイロンも多分同じ系列です。
少し黙ってろ! って言いたくなるけど、でも、語る。自分をともかく語ります。

もしかすると、それが彼の内面の<悪魔>とか<地獄>の風景につながってくるのかもしれません。

ともかく、この本は大変にオススメ。
是非是非(右側の日本語だけでも)ご覧ください!!
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