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朽ち果ててゆくもの

2009年08月15日 02:14

parthenon神殿の絵


【チャイルドハロルドの巡礼】第2編より、9連-10連
    バイロン作  Shallot B.訳

9
おや、きみはそっちにいるのか! きみの愛も人生も一緒になって飛んでった、
こっちに僕を無駄に愛し生かしておきっぱなしにしたのだね。
きみが僕の心に絡みついて、僕の脳裏を<走馬灯>が激しく閃いているのに、
僕はきみを死んだなんて、考えられるもんか。
いいさ、僕は僕らの再会を夢に見よう、
そして僕の虚ろな胸に、二人の姿を映し出そう。
そして、もしも青春時代の<記憶>が一握りでもあれば、
<未来>の命令がどんなものであれ、僕には
きみの御霊が祝福されていると知れて、充分至福というわけさ。

10
座ろう。このどっしりとした石のうえに、
大理石の円柱の、まだ揺らがない定礎のうえに。
サトゥルヌスの息子・ジュピターよ! ここに、おまえのお気に入りの玉座があった。
多くの玉座のなかでももっとも強大な玉座! 
ここから、おまえの住まいの隠れた偉観をたどるとしよう。
それはだめだ。<空想>の眼でさえ、
<時>が苦労してうち崩したものを修復できはしない。
しかしこれらの気高い<円柱>は、通りすがりの溜め息を求めはしない。
冷たいイスラム教徒は座り、チャラいギリシア人は歌いながら過ぎてゆく。



滅びてゆく神殿と玉座、そして亡き人々の肉体。
私も大好きな「サーザ詩篇」との関連も指摘される9連は、美しい「死」の描写が見え隠れしますね。
10連最終行の「チャラい」は、lightの訳です。「軽薄な、軽率な、軽はずみの」というような意味合いで用いられているようで、そすっと現代語だとやっぱ「チャラい」かな、と思って、思い切り過ぎました?



IX.

There, Thou! - whose Love and Life together fled,
Have left me here to love and live in vain -
Twined with my heart, and can I deem thee dead
When busy Memory flashes on my brain?
Well - I will dream that we may meet again,
And woo the vision to my vacant breast:
If aught of young Remembrance then remain,
Be as it may Futurity’s behest,
For me ’twere bliss enough to know thy spirit blest!

There:=In a land of Souls(田吹)
fled:〈乗り物・雲・考えなどが〉すばやく動く, 疾走する, 飛んで行く;〈影・もやなどが〉消える;〈顔色が〉なくなる;〈時が〉過ぎ去る((by))
leave:[V[名]to do] 〈人・動物に〉(…)させておく, させる
Twine:…を(…で)囲む, 巻く((with ...))
flash:〈記憶が〉(…に)急に戻る((back/to ...))
woo:…を(自ら)招く
vacant:〈心・頭・表情が〉うつろな, ぼんやりした, 空虚な, 間の抜けた, ぽかんとした
young:若々しい, 清新の, 元気な, 年をとらない, 青年らしい, 青年特有の;青春(時代)の
Futurity:未来, 将来, 来世, あの世
behest:命令, 指令

X.

Here let me sit upon this massy stone,
The marble column’s yet unshaken base;
Here, son of Saturn! was thy favourite throne:
Mightiest of many such! Hence let me trace
The latent grandeur of thy dwelling-place.
It may not be: nor e’en can Fancy’s eye
Restore what Time hath laboured to deface.
Yet these proud Pillars claim no passing sigh;
Unmoved the Moslem sits, the light Greek carols by.

massy:大きくて重い; どっしりした
unshaken:ゆるがない, 断固とした
base:礎盤:円柱・碑・外壁などの基部
Saturn:サトゥルヌス。農耕・豊穣の神;その子供 Jupiter 以前の黄金時代の主神
son of Saturn:ジュピター:ローマ神界の主神
Hence:この[その]ゆえに, だから(して), したがって。今から(先), 今後, これから;ここから
latent:潜在性の, 表面に出ない, 隠れている
grandeur:(精神的・人格的な)偉大さ, 威厳;(自然などの)雄大さ, 壮大さ;偉観, 威風
deface:(…で)…の外観を損なう, 醜くする(disfigure)((with ...))
Restore:〈美術品・建物などを〉修復[復元]する
carol:楽しそうに歌う
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