スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

都会の人ごみ、肩がぶつかって…

2009年09月23日 20:22

アトス山をのぞむ

【チャイルドハロルドの巡礼】第2編より、25連-27連
    バイロン作  Shallot B.訳

25
岩のうえに坐って――河や野に想いをめぐらせること、
人の足が踏み分け入ったことのない、あるいは滅多に入らない、
人間の支配に屈することのないものの棲む森で、
ゆっくりと樹々の蔭になっている風景をたどってゆくこと、
囲い柵など要らない野生の群れとともに、
密やかな道なき山を登ること、
ひとり崖や泡立つ滝に身を乗り出すこと、
――これは孤独などではなく、<自然>の魅力と交信し、
彼女の宝物が繰り広げられるのを目のあたりにすることだ。

26
けれど、群衆の真ん中で、喧騒と人々の触激のただ中で、
この世の倦み疲れた住人が、祝福を与えてくれる者も、祝福してやる者もなく、
ものを見聞きし、感じ、所有し、
そして先へと歩き回ること、
窮境からは身を引く<栄耀>の手先どもめ!
同族意識を持ちながら、たとえ私たちがいなくなっても、
私たちにへつらい、追従し、求め、希(こいねが)ったすべての者のうち、
弔いには笑顔を控える者が誰もいないこと、
これがひとりぼっちってこと――これこそ、まさに孤独なんだ!

27
人里離れたアトス山で見られるような、
敬虔な隠者のもっとも祝福された生は、
大いなる高みに輝く暮れがたを見ながら、
あまりの波の青さのうえに、あまりに澄んだ空を見るので、
そのような時にそこにいたひとは
諦め切れずにその聖なる場所を去りかねているだろう。
それからゆっくりと、そこに広げられた魅力的な光景から自分自身を引き剥がし、
運命もそのようでありますように、と願いを溜め息混じりに言うだろう。
それから踵(きびす)を返すと、ほとんど忘れかけていた世の中を忌み嫌う。


<25連>
ワーズワースの影響を受けたと言われる第3編の自然の描写と比較されるようです。
しかし、私は語り手が<自然>を擬人化し、彼女の美しさをcharmやstoreと表現していることから、被造物としての自然ではなく、キリスト教以前の原始的な宗教観に基づく、自然崇拝の感情を語っていると考えたいです。うふ

<26連>
the World’s tired denizenが前に並立されているto不定詞の意味上の主語というのは、田吹先生の本がなかったら危うく他動詞の目的語でとってしまうところでした……(危ないあぶない…/汗)。6行の語順も危うく…(汗)。田吹先生の本は本当に重宝します~…。ハート「Minions of Splendour shrinking from distress!」は、挿入で頓呼法だと思いましたので、訳にはダッシュ(――)を用いて工夫しました。
ところで、幽遊白書のオープニングテーマ歌詞)を思い出したのは私だけ?笑(古い!) 

<27連>
アトス山は、聖なる場所として、観光業が盛んなギリシアでも入山が制限されているらしいです。
面白いな、と思ったのは最後の3行。
「Then slowly tear him from the’ witching scene,/ Sigh forth one wish that such had been his lot,/ Then turn to hate a world he had almost forgot.」は、今回の英文のなかではいちばんてこずったのですが(←単に未熟なだけ!)「'witching」な風景から自分を引き剥がして(tear)という言い回しは、景色から自分を切り取るんですね。それから、最後の行の「Then turn to hate…」。「Then」は「それから」。turnは、自動詞で、「振り返る、踵を返す、引き返す」としないと、次のto不定詞が続かないのです。で、東中先生の訳ではちゃ~んと「立ち去り」となっていました! しかも、これはものすご~く参考になったのですが(単に自分の頭が足りてないだけですが/汗)、to不定詞以下の部分は、不定詞の結果的用法で処理しないと意味が通じないんですね! これはうっかり「turn to~」=「~するようになる」とか勝手に訳すところでした!ガーン 危ないあぶない…><;




XXV.

To sit on rocks―to muse o’er flood and fell-
To slowly trace the forest’s shady scene,
Where things that own not Man’s dominion dwell,
And mortal foot hath ne’er or rarely been;
To climb the trackless mountain all unseen,
With the wild flock that never needs a fold;
Alone o’er steeps and foaming falls to lean;
This is not Solitude― ’tis but to hold
Converse with Nature’s charms, and view her stores unrolled.

muse:(…を)沈思黙考[瞑想(めいそう)]する, じっと考える, (…の)思いにふける((on, upon, over ...))
o’er:=on, upon
flood:((古・詩))大洋, 海, 川
fell:[名]((スコット・北イング)) ((しばしば ~s))(高地の)草原, 荒野.
own:認める;〈…であると〉告白する
dominion:((文))支配, 統治
trackless:足跡のない, 道のない, 人跡未踏の;跡を残さない
fold:(家畜, 特に羊の)囲い, さく、(囲いの中の)羊の群れ.
Converse:(人と)談話する((with ...))
store:[名]何か貴重なもの、宝物
unrolled:〈風景などが〉広がる, 展開する.


XXVI.

But midst the crowd, the hum, the shock of men,
To hear, to see, to feel, and to possess,
And roam along, the World’s tired denizen,
With none who bless us, none whom we can bless;
Minions of Splendour shrinking from distress!
None that, with kindred consciousness endued,
If we were not, would seem to smile the less,
Of all that flattered― followed― sought, and sued;
This is to be alone― This, This is Solitude!

midst:…のまっ最中に, の間じゅう
hum:ブンブンいう音[こと],がやがや, 雑音
shock:衝撃, 激突
possess:持つ, 持っている, 所有する, 占有する
denizen: 雅・戯 住人; 住むもの
along:(止まらずに)前(方)へ, 先へ, どんどんと
Splendour:豪華, 華麗, 壮麗、雄大さ, すばらしさ, みごとさ, (名声などの)顕著, 卓越
shrink:〈人が〉(…を)避ける, (…に)ひるむ, (…から)あとずさりする, しりごみする((away, back/from ...))
distress:危難;難儀, 窮地、貧困, 貧苦, 困窮, 窮境
with kindred consciousness endued:=endued with kindred consciousness
kindred:同一の, 同様の, 類似の、血族の;親族[親類]の, 身寄りの, (起源など)同類の, 同族の
consciousness:意識[知覚](をもっていること);正気;自覚((of ...))
endue:…を着る[着用する];…のふりをする, を装う、〈A(人)にB(才能・性質・権利)を〉授ける, 賦与する;((受身))〈AがBを〉備えている
sought:捜し求める, 得ようとする, 求める
sued:〈人に〉(…を)請う, 請願する((for ...)).


XXVII.

More blest the life of godly Eremite,
Such as on lonely Athos may be seen,
Watching at eve upon the Giant Height,
Which looks o’er waves so blue, skies so serene,
That he who there at such an hour hath been
Will wistful linger on that hallowed spot;
Then slowly tear him from the’ witching scene,
Sigh forth one wish that such had been his lot,
Then turn to hate a world he had almost forgot.

godly:神のおきて[意志]に従順な, 神を敬う, 信心深い、((古))神の, 神聖な, 神のような
Eremite:((古))(特にキリスト教における)隠者, 世捨て人
eve:((詩))夕べ, 晩(evening)
Giant:非凡な, 偉大な
serene:空・天候が〉晴れた, うららかな, 澄み渡った
wistful:切ない気持ちの, あきらめきれない;なつかしげな, 深い思い[切々の情]を込めた
hallowed:神聖な, 神聖視された
tear:(…から)もぎ取る, ひきちぎる, むしり取る, 引きはがす((off, down, away, out/from, off ...)
’ witching:=betwitching(田吹)。あるいは「誘惑の」(東中)。
Sigh:…をため息まじりに言う((forth, out))
lot:(定められた)運, 運命, 宿命
関連記事


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://sousleau.blog5.fc2.com/tb.php/621-d978bda1
    この記事へのトラックバック


    Articles


    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。