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彼の血塗られた手で

2009年12月25日 03:11

Ambracia

【チャイルドハロルドの巡礼】第2編より、45連-47連
    バイロン作  Shallot B.訳

45
アンブラシアの湾を見なさい。そこにはかつて
美しくも無害なもの、女性のためにひとつの世界が失われた!
むこうの漣立つ湾で、たくさんのローマの将軍たちと東方の王たちが
雲を掴むような戦争へ、そして確かな殺戮の場へと、
自分たちの海軍の艦隊を駆り立てた。
第2の帝王の戦勝記念碑が建っていた場所を見たまえ!
今や、それらを建てた手のように、碑も朽ちている。
帝王然たる謀反の首魁どもめ、人の嘆きを倍にしやがる!
神よ! あなたの世界はこんな奴らが勝ち負けを競うよう定められていたのか?

46
あの険しい国土の秘境から、
イリュリアの谷の中心へでさえ、
歴史的なお話にすら、ちっとも書き留められない土地を抜けて、
貴公子ハロルドはたくさんの山の頂を越えて行き過ぎた。
しかし、誉れ高きアッティカの美しい谷間にさえ
滅多に見られるものじゃない。美しいテンペも己の知らない
魅力を誇るわけにはいかない。愛すべきパルナッソスも、
古代の土地で、もっとも聖別された土地ではあるが、
この落ち窪んだ海岸に潜むいくつかの場所と競いあうには
欠けてしまっているのだ。

47
彼は、吹きさらしのピンダス山脈や、アケルシア湖を過ぎて行った。
そしてその土地の第1の都市を立ち去った。
そして前へ前へとさらに旅を進めたのだ、
アルバニアの首領に挨拶するために。
首領の命令は法無き法だ。彼の血塗られた手で、
荒っぽく豪胆に国を揺るがすのだ。
しかし、ここそこで、大胆な山の一群が
彼の権力を甘く見て、岩の砦から遠くめがけて
軽蔑を投げつけ、黄金をば別にすれば、何も生み出しはしないのだ。


45連の「女性」は、世に言うクレオパトラさんです。「無害」のところには草稿では「有害」と書いてあったそうです(爆)。ローマの将軍と東方の王は、アントニウス&クレオパトラ側と、オクタヴィアヌス側に分かれて戦った模様。第2の帝王というのは、そのオクタヴィアヌスのことです。

46連は、ハロルドの駆け抜けるイリュリアの山の美しさを、パルナッソスとアッティカの山と比較して、めっちゃ美しいってことを強調している模様。

47連は、アリ・パシャの凄さと凄惨さを描く最初の連となっています。

まとまりのない3連を続けてご覧頂きました~



XLV.

Ambracia’s gulf behold, where once was lost
A world for Woman, lovely, harmless thing!
In yonder rippling bay, their naval host
Did many a Roman chief and Asian King
To doubtful conflict, certain slaughter bring:
Look where the second Cæsar’s trophies rose!
Now, like the hands that reared them, withering:
Imperial Anarchs, doubling human woes!
God! was thy globe ordained for such to win and lose?

Ambracia’s gulf:イオニア海の入り江のひとつ。
yonder: あそこに、向こうに見える
ripple: さざなみを立てる
naval:海軍(関係)の、船の
trophies:(古代ギリシャ・ローマの)戦勝記念碑.
ordain: 定める、予定する

XLVI.

From the dark barriers of that rugged clime,
Ev’ n to the centre of Illyria’s vales,
Childe Harold passed o’er many a mount sublime,
Through lands scarce noticed in historic tales:
Yet in famed Attica such lovely dales
Are rarely seen; nor can fair Tempe boast
A charm they know not; loved Parnassus fails,
Though classic ground, and consecrated most,
To match some spots that lurk within this lowering coast.

Illyria:[名]イリュリア:アドリア海東岸の古代国家.
Attica:アッティカ:ギリシャ南東部, アテネ周辺の地方;古代にはアテネの支配下にあった.
Tempe:ギリシアのテッサリアの北東部にある峡谷。絶景で有名。
consecrate:…を神聖にする, 神聖だと宣言する;…を聖別する, 奉献する

XLVII.

He passed bleak Pindus, Acherusia’s lake,
And left the primal city of the land,
And onwards did his further journey take
To greet Albania’s Chief, whose dread command
Is lawless law; for with a bloody hand
He sways a nation, turbulent and bold:
Yet here and there some daring mountain-band
Disdain his power, and from their rocky hold
Hurl their defiance far, nor yield, unless to gold.

Pindus:テッサリアとエピルスを分かつ山脈。
Acherusia:イオニア湖のこと。
turbulent:〈人・群衆・行動が〉乱暴な, 無法な
some daring mountain-band:スリ族のこと。
defiance:(権威・敵対者などに対する)果敢な抵抗, 大胆な反抗;挑戦((against ...))、(…への)公然の無視, 軽蔑((of ...)).
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