スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

友愛の手

2010年02月21日 20:34



【チャイルドハロルドの巡礼】第2編より、67連-69連
    バイロン作  Shallot B.訳

67
周りはまったく荒廃し、暗闇に包まれていたとき、
はからずも一度風が逆巻き、スリの険阻な岸辺へと
船が押し遣られてしまったのだ。
上陸するのは危険だったが、船に逗留するのはもっと危険だった。
けれど、裏切りが潜んでいるかもしれない場所を信用するのはどうかと思い、
しばらくの間、船乗りたちは逗留に耐えた。だが、彼らはついに、
ヨーロッパ人にもトルコ人にも同様に嫌悪をもよおす人々が
いま一度昔の殺戮行為に及ぶかもしれないという思いを抱えながら
岸へと乗り出したのだ。

68
取り越し苦労ってもんだ! スリの人々は船乗りたちに歓迎の手を差し伸べ、
岩を越え、危険な沼地を通り過ぎて、彼らの手を引いた。
穏やかな物腰ではないけれど、優雅な奴隷よりも親切で、
薪に火を焼べ、濡れた服を絞ってやり、
杯を満たし、煌々と灯りを燈し、
食事を並べた。つつましかったが、これが彼らのすべてだった。
このような行為は、稀有な博愛の刻印を残す。
疲れ切ったひとを休ませること、悲嘆にくれるひとを慰めること。
こんなことがより幸せなひとに教えを説き、少なくとも悪人を辱める。

69
ハロルドがついにこの山国を去ろうと腰を上げたとき、
徒党を組んだ略奪者たちが、半ば道を塞ぎこみ
段平刀と剣で、周辺地域を
荒らしまわることが起こった。
そこで彼は、アカルナニアの広大な森を抜けるため、
充分に戦の訓練をし、重労働で日焼けした
信頼できる一群を雇った。
そして初めて、アヘロオス川の流れを目の当たりにして、
更にむこうの川岸から、エトリアの原野を眺めたのだ。



68連が、なんかあったかくって、いいですねぇ。
久しぶりに、なんか難しかった…(汗)
「ヨーロッパ人にもトルコ人にも同様に嫌悪をもよおす人々」という表現が、アルバニア、ひいてはバルカン半島の現代に至る情勢の難しさを示しているような気がします。

…どうでもいいけど、ハロルド(=バイロン)、なんかめっちゃ上から目線…(爆)

youtubeの動画は、アルバニアの民族音楽です。ちょっとNew Ageっぽいアレンジのやつを見つけたんで。




LXVII.

It chanced that adverse winds once drove his bark
Full on the coast of Suli’s shaggy shore,
When all around was desolate and dark;
To land was perilous, to sojourn more;
Yet for awhile the mariners forbore,
Dubious to trust where treachery might lurk:
At length they ventured forth, though doubting sore
That those who loathe alike the Frank and Turk
Might once again renew their ancient butcher-work.

chance:((時にitを主語にして))((文))たまたま[偶然, はからずも](…)する[ということになる]
bark:《海》バーク:最後部のマストが縦帆でその他が横帆の帆船、((詩))小舟, 帆船
Full:〈帆・帆船が〉たっぷり風をはらんだ[受けた]
shaggy:[陸地など]野草や潅木に覆われた、荒れた
sojourn:(場所に)逗留(とうりゅう)する((in, at, on ...));(人の)家に滞在する((with, among ...))
forbore:((古))…を耐える, 忍ぶ. (苦しみなどを)がまんする, じっと耐える((with ...)).
Dubious:(真実性などが)疑問である, 不審な。〈成り行き・結果が〉どうなるかわからない, 心もとない, おぼつかない
treachery:不信, 裏切り, 背信, 欺瞞(ぎまん) 、((通例-ies))裏切り[背信]行為;不安定な[当てにならぬ]物[事]
lurk:〈疑念・野心などが〉(胸中に)潜在する, 潜んでいる
At length:(長い間かかって)ついに、ようやく。詳細に、徹底的に、長々と
venture:((方向を表す副詞を伴って))危険を冒して…に行く
sore:(体の)痛む所, 傷, ただれた所;はれもの;苦痛の種;いやな思い出, 古傷, (深い)恨み.
alike:一様に, 同様に, 等しく(equally)
renew:…を再び始める, 再開する, …を再び作る[言う, する], 繰り返す


LXVIII.

Vain fear! the Suliotes stretched the welcome hand,
Led them o’er rocks and past the dangerous swamp,
Kinder than polished slaves though not so bland,
And piled the hearth, and wrung their garments damp,
And filled the bowl, and trimmed the cheerful lamp,
And spread their fare; though homely, all they had:
Such conduct bears Philanthropy’s rare stamp:
To rest the weary and to soothe the sad,
Doth lesson happier men, and shames at least the bad.

swamp:[U][C]湿地, 沼地;(耕作に適さない)柔らかい湿地
polish:〈文章・物腰・人などが〉洗練された, 教養のある, 優雅な
bland:〈態度などが〉穏やかな, 人当たりのよい;〈空気・気候が〉さわやかな, おだやかな
hearth:《冶》炉床、(暖炉の)炉床;炉辺
trim:〈ランプ・火力などを〉調整する
fare:料理, 食事
homely:((英))家庭的な, 気持ちのよい;質素な, 素朴な, じみな, 見えを張らない;粗野な, やぼくさい
conduct:(特に道徳上の)ふるまい, 行為, 品行
bear:((形式))〈名前・肩書・性質・特徴・関係・傷跡などを〉もつ, 有する, 帯びる(hold)
Philanthropy:慈善活動;慈善[社会奉仕]事業[団体]. [U]博愛, 慈善;人類愛
lesson:…を叱責[けん責]する.〈人に〉教える


LXIX.

It came to pass, that when he did address
Himself to quit at length this mountain land,
Combined marauders half-way barred egress,
And wasted far and near with glaive and brand;
And therefore did he take a trusty band
To traverse Acarnania forest wide,
In war well-seasoned, and with labours tanned,
Till he did greet white Achelous’ tide,
And from his farther bank Ætolia’s wolds espied.

came to pass:《古》(ことが)起こる(happen);(期待通りに・予想に反して)実現する
address:((形式))〈心・注意力・精力などを〉(…に)注ぐ, 向ける((to ...));((~ -self))(…に)本気でとりかかる, 身を入れる((to ...))
Combined:結合[合同, 連合, 協力, 共同]した
marauder:maraud:…を略奪の目的で襲う;…を略奪する
bar:〈道を〉ふさぐ;…を禁じる;〈人が〉(…するのを)妨げる, 禁じる((from ...))
egress:[U]出ること;[C]出口.
waste:〈国・土地などを〉荒廃[破滅]させる
glaive:((古))幅広の剣, だんびら.
brand:((古・詩))刀, 剣;たいまつ.
traverse:〈場所を〉横切る, 横断する, 越える, 渡る
Acarnania:ギリシアの都市。現在のエトリア(Ætolia)=アカルナニア県の北部、北東部、西部および南東部は、アカルナニア山脈が連なっていて、山地となっている。また、県内最長の川はアヘロオス川(Achelous)であり、肥沃な谷部を通り、県南西部のデルタ地帯へ流れている。
season:((通例受身))〈経験が〉〈人を〉(…に)慣らせる, 習熟させる((to ...))
tan:〈皮膚を〉(太陽・大気などにあてて)褐色にする, 日に焼く
espied:(他)((文))((時におどけて))…を遠くに見つける;…を認める;〈傷・欠点を〉見い出す
wold:((しばしば~s))((英))広大な原野;不毛の高原. ▼特に地名に用いられる
関連記事


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://sousleau.blog5.fc2.com/tb.php/654-4a6ac6df
    この記事へのトラックバック


    Articles


    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。