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こよなくギリシアを愛するひとの叫び その1

2010年03月07日 17:47

2010springチューリップ

【チャイルドハロルドの巡礼】第2編より、73連-77連
    バイロン作  Shallot B.訳

73.
麗しきギリシアよ! 過ぎ去りし<真価>の悲しき遺跡よ!
もはやないが、不滅。滅びているが、偉大!
いったい誰が、おまえの散逸した子供たちを導き、
永きに渡る、慣れ切った隷属状態を打破するのだろうか?
昔、吹き荒れるテルモピュライの陰鬱な海峡で
死を逃れられず、自ら運命に従い、
それを待ち受けた戦士たちは、おまえの息子たちは、そんな風ではなかった。
おお! いったい誰が、あの勇猛な精神を取り戻し、
エヴロタス河の岸から飛び出し、おまえを墓から呼び覚ますのか?

74.
自由の精神よ! おまえがフィレ砦の崖のうえに、
トラシュブロス将軍とその軍隊とともに坐ったとき、
おまえのアテネの平原の青々とした美しさをかき曇らせる
陰鬱な時代を予期できただろうか?
今や30人の暴君が鎖を強いるのではなく、
どんな輩でもおまえの土地を支配することができる。
おまえの息子たちは決起せず、愚かに虚しく毒づくのだ。
トルコ人の手にある鞭に脅え、生まれてから死ぬまで、隷属している。
つまり、実際、男らしくないってことだ。

75.
形だけをのぞけば、なんと変わり果てたことか! 
そして、それぞれの眼に未だ輝きを放つ炎に気づけば、
おまえの消えない光で、彼らの胸に再び燃え上がる炎を、
誰が思い描くのだろうか、失われた<自由>よ!
そして、それでも、多くの者が
祖先の遺産を取り戻せるときが近いと夢みているのだ。
彼らは愚かにも外国の軍力と援助を求めて溜め息をつき、
ひとりで敵の怒りに立ち向かおうとはせず、
<隷属>の嘆かわしい書物から、自分の穢れた名を引き裂くこともない。

76.
世襲の奴隷どもめ! 分からないのか?
解放を求めれば、抗わねばならないことが。
征服地は彼らの右手で耕されなければならないことが。
フランス人もロシア人もおまえたちを助けてくれるか? いや!
真実はこうだ。――奴らはおまえらの高慢な略奪者たちを打ち倒すかもしれない。
しかし、おまえらのために<自由>の祭壇が炎を掲げることはないだろう。
古代の農奴の亡霊たちよ! おまえたちの敵に勝利せよ!
ギリシアよ! おまえの君主は変わる、だがおまえの国土はまだ変わらない。
おまえの栄光の日は終わり、おまえの屈辱の歳月は終わらない。

77.
この都市は、イスラム教徒が神アッラーのために邪教徒から勝ち得たのだ。
邪教徒はオスマン族から再び捥ぎ取るかもしれない。
そして、宮殿の難攻不落の塔は、
猛烈なフランク人を、以前の客人を、受け入れるかもしれない。
あるいは、ワッハーブ派の反逆の連中は
預言者の敬虔な品々のすべてを略奪し、
西のほうへと血の道を進むかもしれない。
しかし、<自由>がこの宿命の土を求めれば、
必ず奴隷は、終わりなき苦役の歳月を通じて、奴隷に引き続くのだ。


2巻最後の、長い永いギリシアへの呼びかけの冒頭。正直東中先生の訳を読んでいて、飽きちゃった場所。う~ん…。長過ぎるんだと思う…。75連の炎の比喩とかは、とっても美しいとは思うのだけど。。。



LXXIII.

Fair Greece! sad relic of departed Worth!
Immortal, though no more; though fallen, great!
Who now shall lead thy scattered children forth,
And long accustomed bondage uncreate?
Not such thy sons who whilome did await,
The helpless warriors of a willing doom,
In bleak Thermopylæ’s sepulchral strait -
Oh! who that gallant spirit shall resume,
Leap from Eurotas’ banks, and call thee from the tomb?

relic:((通例~s))(歴史的な)遺物, 遺構, 遺跡
departed:((文))過ぎ去った, 過去の
bondage:束縛, 屈従;とらわれの身
uncreate:=unmake=undo; ruin or destroy; bring to nothing.(田吹)。破壊する、虚無へとみちびく。
whilome:[副]かつて, 以前, 昔
sepulchral:陰気な, 無気味な;〈声・音などが〉低くこもった。墓の, 墓所になっている;墓のような.
strait:((しばしば~sで単数扱い))海峡, 瀬戸
Thermopylæ:=Thermopylae。テルモピュライ。紀元前480年、ペルシア戦争における戦いの一つがあった場所。スパルタを中心とするギリシア軍とアケメネス朝ペルシアの遠征軍の間で行われた戦闘。
gallant:勇ましい, 雄々しい, 勇気のある.
Eurotas:スパルタ郊外を流れるエヴロタス河。

LXXIV.

Spirit of Freedom! when on Phyle’s brow
Thou sat’st with Thrasybulus and his train,
Couldst thou forbode the dismal hour which now
Dims the green beauties of thine Attic plain?
Not thirty tyrants now enforce the chain,
But every carle can lord it o’er thy land;
Nor rise thy sons, but idly rail in vain,
Trembling beneath the scourge of Turkish hand,
From birth till death enslaved; in word, in deed, unmanned.

Phyle:フュレ(ギリシアの地名)の砦
brow:がけっぷち.
Thrasybulus:トラシュブロス(アテネの将軍)(?-388BC)。こちらも参照のこと。
Attic:Atticaの;アテネの;アテネ人の;アッティカ[アテネ]風の
forbode:〈悪いことを〉予言する;…の前兆となる
enforce:…を強制[強要]する, (人に)押しつける
carle:((スコット))男, やつ.田舎者。
rail:(自)((形式))(…を)ののしる, 毒づく((at, against, about ...)).


LXXV.

In all save form alone, how changed! and who
That marks the fire still sparkling in each eye,
Who but would deem their bosom burned anew
With thy unquenchèd beam, lost Liberty!
And many dream withal the hour is nigh
That gives them back their fathers’ heritage:
For foreign arms and aid they fondly sigh,
Nor solely dare encounter hostile rage,
Or tear their name defiled from Slavery’s mournful page.

quench:〈火・炎・明かりを〉消す;〈視力・生命・希望などを〉失わせる
withal:それにもかかわらず
defiled:(…で)…をよごす, 不潔にする((with ...))


LXXVI.

Hereditary bondsmen! know ye not
Who would be free themselves must strike the blow?
By their right arms the conquest must be wrought?
Will Gaul or Muscovite redress ye? No!
True―they may lay your proud despoilers low,
But not for you will Freedom’s altars flame.
Shades of the Helots! triumph o’er your foe:
Greece! change thy lords, thy state is still the same;
Thy glorious day is o’er, but not thy years of shame.

strike:strike a blow for [against]:…に加勢[反抗]する
wrought:((古))workの過去・過去分詞形。形作られた
redress:〈不当に扱われた人を〉救済する
despoiler:略奪者
altar:祭壇, 供物台
Helot:ヘロット:古代スパルタの農奴

LXXVII.

The city won for Allah from the Giaour
The Giaour from Othman’s race again may wrest;
And the Serai’s impenetrable tower
Receive the fiery Frank, her former guest;
Or Wahab’s rebel brood who dared divest
The Prophet’s tomb of all its pious spoil,
May wind their path of blood along the West;
But ne’er will Freedom seek this fated soil,
But slave succeed to slave through years of endless toil.

Serai:スルタンの宮殿
impenetrable:〈物・場所などが〉(…では)貫くことのできない, 突き通せない, はいり込めない, (…を)通さない((to, by ...))
Wahab:ワッハーブ派信徒。宗教改革者ムハンマド・イブン=アブドゥルワッハーブにちなむ。
brood:(…の)種類, 種, 群れ, 種族;((軽蔑))衆, やから, 連中((of ...))
divest:〈AからBを〉奪う, 取り上げる[除く]
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