劣悪な血 ③

2004年08月07日 02:14

 異教徒の血液が再び迸る! 精神は近づいている、高貴とか自由を僕の魂にくれておきながら、なぜかキリストは僕を助けてはくれない。あぁ! 福音は広まった! しあわせな知らせ! キリストの教え。
 僕はコリもせずに神様を待っている。僕はずっと昔から劣等人種だ。
 僕はここにいるよ、ブルターニュの浜辺に。夕暮れに街の灯が燈ったらなぁ。僕の旅も終わった、僕はヨーロッパを出て行くよ。海の風が僕の肺を燃やしてしまうだろう。誰もいない場所の風が僕の肌を焦がしてしまうだろう。泳ぐ、草をすり潰す、とくに煙草を吸う。煮立った鋼みたいに強烈なリキュールを飲む。――炎の周りで親愛なる御先祖様のやったみたいにね。
 僕は鉄(はがね)の手足と褐色の肌、憤怒の眼を持って、帰ってくるのだろう。ぱっと見た目で僕が強い種族だってわかる具合に。僕は黄金を所有するだろう。有閑蛮族になるだろう。女性たちが灼熱の国から舞い戻った獰猛な不具者の世話をやく。僕は政界と関わるだろう。救われる。
 今の自分は呪われている。故郷が怖いんだよ。イチバンいいこと、それはめちゃめちゃ酔っ払って、砂浜で眠ってしまうことさ。
目蓋の裏に焼きついた砂浜を思い出す。そんなワンシーン。
 「有閑貴族」ってのは聞いたことがあるけれど、「有閑蛮族」って言葉は造語なのだけど、原文から推測すると、多分この言葉がいちばんぴったりみたい。
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