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オフェリィ

2010年08月08日 01:40

Millais Ophelia

オフェリィ

A. Rimbaud作
      Shallot B.訳



星眠る おだやかで暗い水のうえを
真白なオフェーリアが 大きな百合のように浮んでいる
とてもゆるりと浮いている 長いヴェールに横たわり……
――きこえてくるのは 遠い森の合図の角笛。

千年以上前から 悲しいオフェリィが
真白な亡霊となって、暗くて長い河のうえを行き過ぎる
千年以上前から その優しい狂気が
暮れがたのそよ風に その恋歌をささやいている

風はその両胸にくちづけをして、花冠のように
水がそっと揺する大きなヴェールを広げてやるのだ。
震える柳は肩のうえに涙を落とし、
夢見がちな広い額に傾きかかるのは葦。

歪められた睡蓮は、周りで溜息をつく。
まどろむ榛のなかにある何かの巣を、彼女は目覚めさせる――
かすかな羽のざわめきが そこから漏れて出てくるのだ。
神秘的な歌声が金の星から降ってくる。




おお 雪のように美しい! 蒼褪めたオフィーリアよ!
そうさ、おまえは死んだのだ、幼くして、河の流れに運ばれて!
――ノルウェイの高い山々から降りてくる風が
激しい自由を密かにおまえに打ち明けたせいだ。

そよ風の一吹きが、おまえの長い髪をよじらせて
その夢見がちな脳髄に不可思議な音を聞かせたせいだ。
その樹の呻きと夜々の溜息のなかに
その心臓が<自然>の歌を聴いたせいだ。

広大な喘鳴、狂った大海原の声が
おまえの幼い、情けの深い優しい内奥(こころ)を毀したせいだ。
ある四月の朝、蒼褪めた美しい騎士、
憐れ狂人が黙ったまま、おまえの膝に座ったせいだ。

<天>! <愛>! <自由>! なんという夢だ、おお 哀れな狂女よ!
雪の炎へ消え入るように、おまえは夢へと熔けてしまった。
大いなる幻がおまえのことばの喉もとを締めつけた。
――そして凄まじい<無限>がその青い眼を脅かした。




――ところで<詩人>は言う、夜になると
星明りをたよりに、おまえがかつて摘んだ花を探しに来る と。
真白なオフィーリアが、大きな百合のように
長いヴェールに横たわり、水のうえに浮んでいるのを見たんだ と。


深い悲しみの中で、心を毀してその身を水に委ねたオフィーリア。
ハムレットの「To die, to sleep. No more.」を体現したような女の子。

うーん… ランボー、お見事ですねぇ。
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