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忘れられない「あのひと」

2010年10月31日 22:34

なつのおもいで2010

【チャイルドハロルドの巡礼】第3編より、50連-55連
    バイロン作  Shallot B.訳

50
ああ 喜び湧きあがる河よ!
人間が、その耀う創造物をそのままに残し、
戦争という鋭利な大鎌で、その地表から美しい実りの約束を刈り取ることがなければ、
その美は永遠に続く美しい岸辺を流れ流れてゆくように、
その波を神の賜物とせよ。――それから、
その馨しい水の流れる谷間を見れば、
「天」のように彩られた「大地」を知ることになるだろう。
僕がそんなふうに見るためには、流れに足りないものは何?
――きみが忘却の河だったらなぁ……。

51
幾千の戦闘がきみの岸辺を傷めつけた。
けれど、そんな戦闘も彼らの名誉もなかば消え去って、
<殺戮>が血まみれの兵士たちを死屍累々と積み上げた。
墓ですらどっか行っちまった。何だったんだろうね?
河の流れは昨日の血を洗い流し、
滲みはひとつも残らなかった。きみの綺麗な流れには
陽の光が耀う光を跳ねかえしている。
だが、黒ずんだ<記憶>の蝕むような夢のうえを、
きみの波が虚しく転げる、すべてを洗い流すように見せかけながら。

52
そう、ハロルドは心のなかで呟いた。で、川沿いを進んだ。
流浪の身を愛しいものにしてしまいかねない谷に朝早く響く
愉しげな鳥のさえずりが目を覚まさせるすべてのものに
まったく無感動なわけではなかった。
穏やかな燃え立つ感情と引き換えになった
落ち着いた険しい表情を持ち、眉間には厳しい皺が刻まれていたが――
<喜び>がその顔からいつも失われていたわけではなかった。だが、
そんな景色にあっても、<喜び>も束の間の痕を残して、すっと消えていったのだ。

53
彼の情熱の日々が燃え尽きて灰になったとしても、
すべての<愛>が彼に扉を閉ざしてはいなかった。
微笑みかけるひとに冷たい視線を返すのは無意味だ。
<嫌悪>があらゆる俗物から優しさを遠ざけても、
こころは喜んで優しさへと跳ね返るにちがいない。
このように彼は感じたのだ。というのも、ある愛情深い胸の内には
柔らかな<追憶>と美しい<信頼>があったからだ。
その胸の内へ、彼の内奥がいる優しい時間へ、
彼の心は融け合った。

54
彼のような人間には雰囲気的に奇妙に思えるので、
なぜだか分からないのだけど、生まれたての頃にこそ見られる、
蕾の開くような幼子の自分ではどうしようもない様子を
彼は愛することを知った。
あんなに他人に対する侮蔑を滲みこませていた心を
こんなふうに変えるなんて、何がそうさせたのかを知るのは無駄なことだ。
けれど、変わったんだ。そばにあったものが何もかも輝きを失くしたとき、
孤独のなかで摘み取られた愛情を育てなくてはならない小さな力は、
彼のなかで、こんなふうに輝いていた。

55
というわけで、ひとつの柔らかな心があった。
それは、教会で結ばれる絆よりも強い絆で
彼の心と結ばれていた。結婚したわけじゃなかったけれど、
その愛こそが純粋で、嘘偽りとは程遠く、
人間の憎悪という試練の真っ只中でも断たれることなく、
女性の目にはもっとも恐ろしい危難によって
さらに強く結ばれた。
これは強靭なものだった。そして彼がそこにいなくても、
異国の岸辺からは彼の言葉が、あの心へと流れ込むだろう。


50連→「忘却の河だったらなー」→忘れたい(忘れられない)
51連→「黒ずんだ<記憶>」が忘れられない(忘れられない)
52連→鳥のさえずりカワイイ☆ちょっぴりにっこりなハロルド(ちょっとホッ)
53連→にっこりしたら思い出しちゃったあのひと!(忘れられない)
54連→あのひとはまぢ可愛かったuu☆(キラキラ)☆(忘れられない)
55連→あのひとはまぢ優しかった、強かった、俺たちは負けなかった、世間と戦ったぜ!(忘れられない)

……。
いいのかなー…。
要するに、ライン河セクションって、「忘れらんねー」を連呼した部分なんだろうか…。
これを論文にするにはどーしたらいいんじゃろか~…。
もし論文にできたら「すげーっ」てなるよね。(てか前偉い先生が既に論文にされていたはず…。)
自分なりの分析みたいなこと、できないかなー…。



L.

But thou, exulting and abounding river!
Making thy waves a blessing as they flow
Through banks whose beauty would endure for ever,
Could man but leave thy bright creation so,
Nor its fair promise from the surface mow
With the sharp scythe of conflict, - then to see
Thy valley of sweet waters, were to know
Earth paved like Heaven; and to seem such to me
Even now what wants thy stream? - that it should Lethe be.

exult:(…に)大喜びする,狂喜[歓喜]する((at, in, over ...))
pave:…を(…で)おおう,満たす((with ...)

LI.

A thousand battles have assailed thy banks,
But these and half their fame have passed away,
And Slaughter heaped on high his weltering ranks:
Their very graves are gone, and what are they?
Thy tide washed down the blood of yesterday,
And all was stainless, and on thy clear stream
Glassed with its dancing light the sunny ray;
But o’er the blackened Memory’s blighting dream
Thy waves would vainly roll, all sweeping as they seem.

assail:執ように激しく攻撃する
welter:(血などに)まみれる
ranks:((the ~s))軍隊の構成員,将卒;((集合的))下士官,兵卒.

LII.

Thus Harold inly said, and passed along,
Yet not insensible to all which here
Awoke the jocund birds to early song
In glens which might have made e’en exile dear:
Though on his brow were graven lines austere,
And tranquil sternness which had ta’en the place
Of feelings fierier far but less severe―
Joy was not always absent from his face,
But o’er it in such scenes would steal with transient trace.

exile:追放者;亡命者;流罪人
jocund:((文))陽気な,愉快な,明るい
tranquil:〈心・態度が〉平静[安らか]な,落ち着いた.
sternness:〈人・顔つきなどが〉けわしさ,こわさ
transient:一時的な,つかのまの,はかない

LIII.

Nor was all Love shut from him, though his days
Of passion had consumed themselves to dust.
It is in vain that we would coldly gaze
On such as smile upon us; the heart must
Leap kindly back to kindness, though Disgust
Hath weaned it from all worldlings: thus he felt,
For there was soft Remembrance, and sweet Trust
In one fond breast, to which his own would melt,
And in its tenderer hour on that his bosom dwelt.

wean:…を(…から)引き離す((away/from, off ...))
worldling:((文))俗物,俗人

LIV.

And he had learned to love, - I know not why,
For this in such as him seems strange of mood, -
The helpless looks of blooming Infancy,
Even in its earliest nurture; what subdued,
To change like this, a mind so far imbued
With scorn of man, it little boots to know;
But thus it was; and though in solitude
Small power the nipped affections have to grow,
In him this glowed when all beside had ceased to glow.

nurture:赤ん坊のころ
subdue:((形式))〈感情・衝動を〉抑える,抑制する
imbue:((通例受身))〈人に〉(感情・思想などを)しみ込ませる,吹き込む((with ...))
boot:《古》[通例itを主語にして](~に)役立つ

LV.

And there was one soft breast, as hath been said,
Which unto his was bound by stronger ties
Than the church links withal; and, though unwed,
That love was pure, and, far above disguise,
Had stood the test of mortal enmities
Still undivided, and cemented more
By peril, dreaded most in female eyes;
But this was firm, and from a foreign shore
Well to that heart might his these absent greetings pour!

enmities:(…に対する)憎悪,憎しみ,恨み,悪意;対立
dread:非常に恐れる,恐怖をいだく
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