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夏の読書

2011年08月05日 15:10

昨日までけっこう涼しかっただけに、今日はあつ~ぃ…
年に何度もない、ひっさしぶりのぐーたらな休日。(やることは山積ですが、目にはいらないことにして/ェ)
生来、こっちのほうが性に合ってるんで、ふと学生時代を想起してアルカイックな気持ちになったり…。

4月中旬以降、昨日まで読んだものをまとめてご紹介。



西洋中世奇譚集成 皇帝の閑暇 (講談社学術文庫)西洋中世奇譚集成 皇帝の閑暇 (講談社学術文庫)
(2008/07/10)
不明

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いろいろな不思議な現象を、中世の物知りな老人の語り口で、断片的に語られるものをまとめた書物。
86章(「ラミアと夜の精霊」168-175頁)には、「ラミア」と呼ばれる悪霊について書かれています。
他にも、18章(「地獄の門の幻視」)、85章(「ラミア、ドンクスそして幽霊」)、93章(「夜の空想的幻視についての見解」)、99章(「かつて妻だった女を殺した死者」)、103章(「ある乙女に現れ、驚異を物語り、知らせる死者」)など、幻想系には必要不可欠な悪霊や死者たちなど、中世の人々がどのように異界と交流していたのかがわかりました。



神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)
(2007/04/12)
ディーノ ブッツァーティ

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とにかく、めちゃめちゃ面白い!
最初の「天地創造」でめっさ笑いました。
神様はこの世のデザイナー☆ そして人間はとんでもない発想の天使が生み出した賭けの産物だったのね(笑)
同じような、ニヒルな笑いを誘うのが、「聖人たち」、「秘密兵器」(←これはちょっとSTAR TREKのTOSを想起しちゃった!)、
「天国からの脱落」、「一九八〇年の教訓」、そして「神を見た犬」。
ぞっとするような、恐ろしい場面展開が続くのが、「七階」、「呪われた背広」(←いずれにしても、人間が存在する過程で他者と関わり、まったく知らない人間の死に責任があるという思いは、ボーヴォワール『他人の血』との共通認識なのかもしれません)、「病院というところ」、「戦艦《死》」。病院を舞台にしたものは、やはり怖かったです。
人間社会にニヒルな嘲笑と本当に大切なものを教えてくれるような、素敵な一冊です。



魔女〈上〉 (岩波文庫)魔女〈上〉 (岩波文庫)
(2004/10/15)
ミシュレ

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随分前に、ランボーのブリュネルという凄くて偉い学者先生の書いた研究書に出てきて、読みたかったもの。
まだ下巻は読んでるところですが、上巻は6月上旬に2週間で夢中になって読みました。古代ギリシア・ローマの神々をはじめ、古代のあらゆる神々がキリスト教教会によって否定され、悪魔とされた後も、中世初期においては精霊や神として、森を初めとする自然界に息づいていました。同時に、コミュニティの周縁に棲む女性をとりまく環境のなかで、妖精たちも家々に住み着き、人間と共存していました。
それが中世中期以降、悪魔となり、周縁の女性たちは魔女となって、やがて怪物のような扱いを受けるようになります。
自然生薬や毒を扱い、あらゆる恋を支援してきた魔女。
領主の権力や教会の規定に圧せられてきた農奴たちの悲惨。
精霊たちは時代を下るにつれて悪魔となり、人々の心の隙間に入り込む。
歴史書でありながら、この書物には二人の時代を超えた女性がストーリーの登場人物として描かれています。
前に読んだ『ノディエ幻想短編集』のトリルビーは、妖精だった、つまり悪魔なわけですね。



明日香の王女 1 (プリンセスコミックス)明日香の王女 1 (プリンセスコミックス)
(1992/03)
河村 恵利

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本当は、6月12日に更新したかった…!><;
入鹿の命日キャンペーン。『明日香の皇女』1-9巻再読です。まともに全巻読み通したのは、多分高校生のとき以来。
いろいろ新鮮でした(笑) 特に、私の妄想の原点を見た感じで
とりあえず入鹿カッコよすぎ(爆)



夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)
(1971/07)
シェイクスピア

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夏の夜の夢  シェイクスピア全集 〔12〕 白水Uブックス夏の夜の夢 シェイクスピア全集 〔12〕 白水Uブックス
(1983/01)
ウィリアム・シェイクスピア

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福田さんの訳(新潮文庫)は再読。小田島さんのは初めてです。
必要に迫られて、福田さんのは2回読み返しました。
ぶっちゃけ、小田島さんのが巧いです。ちゃんと、行末に韻を踏んでいるところと、五七調にまとめてるところは流石だなと思いました。
個人的に、松岡さんの訳を読んでみたいなー☆
で、何度も読まなきゃならないのは面白くないので、大学受験まっさかりの、例年にないほど真面目な(=あまり笑ってくれない)高校生たちのまえで、ライサンダーとディミトリアスとヘレナとハーミアのバタバタ劇のところを朗読してみました。
ヘレナの「私をあなたの犬にして!」と、「あんたなんかお人形じゃないの!」のところは、爆笑でした!(成功!)



ジャック・ロンドン幻想短編傑作集ジャック・ロンドン幻想短編傑作集
(2008/10)
ジャック ロンドン

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収録作品:「夜の精」「赤い球体」「コックリ占い板」「古代のアルゴスのように」「水の子」
個人的には「夜の精」と「古代のアルゴスのように」が好きです!
読んでいて、北米の大自然が頭の中に広がります。アメリカ文学の強みだと思います!
実はジャック・ロンドンを読み始めたきっかけは、STAR TREK(The Next Generation)の126-127話 "Time's Arrow" 「タイム・スリップ・エイリアン」で出てきたジャック・ロンドンが可愛かった(←おばさん目線)&魅力的だったので、読んでみようかとなりまして、2月に「野生の呼び声」を手に取った次第。
夭折の作家という意味でもまたホの字にレの字。
この書物でも、「夜の精」における北米大陸の森林の描写は本当に美しい!
精神面という意味でNative Americanに生まれたかった自分は、まったく感動してしまいました。

そして、閃光というテーマに沿えば、「赤い球体」における以下の描写が印象的でした。

[…]菌類や腐った肉の発する燐光や暗い夜に飛ぶ蛍、あるいは山火事や燃え立つククイノキの堅実の炎も見たことがある。しかし、その炎や閃光や白熱光はそれらが火炎を発したり、パッと燃え上がったり、白熱光を発したりしてしまったあとは、一体なんだったのだろう。これが答えである。記憶、すでに終わってしまったもの、ただの記憶である。成し遂げられた恋愛、忘れられた祝宴、欲望の幻影でしかなかった欲望。めらめらと燃え、炎のように揺らぎ、胸を焦がしながらも苦痛を軽減させ満足感を達成することができなかったこと、こういったことのようなものなのだ。昨日あった欲求なんてどうでもいいだろう。ハンターが射止めそこなった野生の豚の焼いた肉? 若い男が知る前に結婚もせず、死んでしまった娘のようなもの?(「赤い球体」47-48頁)

まったくランボーの「閃光」や「オフィーリア」に通じるものを感じました。
しばらくジャック・ロンドンブームは続きそうです☆(来年の年賀状決定か…?)

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