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微笑みと涙の初めの泉まで歳月の河を遡ることができたとしても

2012年10月25日 18:55

[断片]
      作 バイロン
      訳 Shallot B.

たとえ、我々の微笑みと涙の初めの泉まで
私の歳月の河を遡ることができたとしても、
萎れた花々の擦りきれた岸辺を縫って
その歳月の流れを今一度たどることはせずに、
いくつもの名もなき潮の流れの数に流れ込むまで
今のように流れよと命じようとするだろう。
この死とは何か、心臓の静穏か、
我々が部分をなしているものの全体か。
というのも、生は幻想に過ぎない。
あらゆる単独で生きているもののうちの見えるものが私にとっての生であり、
そういう存在なのだ。不在者は死者だ。
不在者は静けさより出で来ては我々にまとわりつき、
我々のまわりにわびしい死者の白布を広げ、
悲しい思い出の品々で我々の休息の時間を包んでしまう。
不在者は死者だ。というのも、彼らは冷たいのだから、
かつて我々が見つめたものであるはずなどない。
不在者たちは変貌し、陰気なのだ。
そうでなければ、忘れ去られた者たちはまったく忘れられてはいない、
こうして離れて以来、もしも深い障壁があるのなら、
それは大地や海と等しいにちがいない、
大地も海も双方かもしれない、だがある日
無感覚の灰燼という暗い統合のなかで終わりを迎えるはずだ。
地下の住人たちは、泥濘へと分解され、
幾百万の者どもと混淆する。
<人間>が踏みならし、あるいはこれから踏みつけるところはどこへでも、
<歳月>は夥しい灰燼を拡散する。
あるいは、彼らは沈黙するいくつもの都市で、
各々、その無口な小部屋に棲んでいるのか。
あるいは、彼らには特有のことばがあり、
死した存在という自覚があるのか。独りきりの真夜中のように、
暗く、烈しく――おお 大地よ!
過去はどこにあるのだ、なぜ彼らは生まれたのだ?
死者たちはおまえを継ぐ者たちだ、
そして我々はおまえの地表の泡にすぎない。
墓、つまり至るところに存在する洞穴の入り口の中に、
大地の深淵への要所はあるのだ。
そこへ、私は心ばかりの存在となって歩みを進め、
語らぬものへと我々の成分が分解してゆくのを見つめ、
隠された驚異を洞察しよう、そして大いなる[女神の]懐中の存在を、
今はもう探し求めはするまい。


今回、バイロンの論文にひとつ取り組んでで、
訳しなおしたのがこれ、「[断片]」。
2004年に訳したのが、なんとこちら
笑えます(苦笑)。
誤訳がいっぱいあって、おもしろすぎる(笑)。
しかも若かったから、めっさ陶酔してるし!^^;
「酔っぱらっています!」(by Rimbaud)

論文用はもーちょっとカッチリした日本語にしてますが、
ブログなんで、砕けてご案内。
ブログ好きだーー!!>▽</



[A Fragment]

Could I remount the river of my years
To the first fountain of our smiles and tears,
I would not trace again its stream of hours
Between its outworn banks of withered flowers,
But bid it flow as now --- until it glides
Into the number of the nameless tides.
What is this death? --- a quiet of the heart?
The whole of that of which we are a part?
For life is but a vision --- what I see
Of all which lives alone is life to me,
And being so --- the absent are the dead,
Who haunt us from tranquility, and spread
A dreary shroud around us, and invest
With sad remembrances our hours of rest.
The absent are the dead --- for they are cold,
And ne'er can be what once we did behold;
And they are changed, and cheerless, --- or if yet
The unforgotten do not all forget.
Since thus divided --- equal must it be
If the deep barrier be of earth, or sea;
It may be both --- but one day end it must
In the dark union of insensate dust.
The under-earth inhabitants --- are they
But mingled millions decomposed to clay?
The ashes of a thousand ages spread
Wherever man has trodden or shall tread?
Or do they in their silent cities dwell
Each in his incommunicative cell?
Or have they their own language? and a sense
Of breathless being? --- darkened and intense
As midnight in her solitude? --- Oh Earth !
Where are the past? --- and wherefore had they birth?
The dead are thy inheritors --- and we
But bubbles on thy surface; and the key
Of thy profundity is in the grave,
The ebon portal of thy universal cave,
Where I would walk in spirit, and behold
Our elements resolved to things untold,
And fathom hidden wonders, and explore
The essence of great bosoms now no more.

outworn:擦りきれた、使い古した
glide:すべる,すべるように動く;〈川・水が〉音もなく流れる
absent:不在の,留守の
tranquility:静けさ;平安;冷静
invest:…をおおう;〈人に〉着飾らさせる;…を(衣服のように)おおう,包む,くるむ
haunt:((しばしば受身))〈妙な[悲しい,不快な]考え・思い出などが〉〈人・心に〉絶えず浮かぶ,付きまとう;〈人・組織を〉悩ます
insensate:感覚[知覚]のない
incommunicative:口の重い,無口の
wherefore:何のために(for what);なぜ(why)
profundity:深いこと,深さ;(知的な)深さ;(意味などの)深遠,難解さ;(感情などの)激しさ。深所,深淵(しんえん)
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