不滅の魂

2013年02月23日 17:32

【チャイルドハロルドの巡礼】第4編より、5-7連
    バイロン作  Shallot B.訳

5
こころに由来するものは、土塊[肉体]に由来するものではない。
本質的には不滅なのだ。そして我々のなかで、
燦燦たる光の筋やより愛すべき存在を、そういったものが生み、増殖させる。
早咲きの花が枯れてしまった情に水を注ぎ、
鮮やかな成長で虚空を満たしつつ、
人間関係に縛られた現世の状態で、
<運命>が生を和ませぬよう命じている不滅の存在は、
これらの精霊たちによって与えられ、
我らの厭うものを追いやり、とってかわる。

6
そのような作品は若人と老人の拠りどころだ。
若人は「望み」から逃れ、老人は「虚しさ」から逃れてくるのだ。
この憔悴という心持が多くの書物を著した。
そうして、たぶん、私の眼前に広がる[この『ハロルドの巡礼』という]書物もまた[そうなのだ]。
だが我々の夢想の世界よりも
強い現実味のほうが強い閃光を放つものを持ち、
我々が夢に描く空(そら)よりも、
荒涼とした宇宙(そら)に詩神の巧みに散らす見慣れぬ星座よりも、
色合いや形は美しい。

7
私はそんなものを目にした、あるいは夢に見た、だがもうおしまいにする。
そういったものは真実のようにやってきて、夢のように霧散した。
何であれ、そんなようなものだ。
その気になれば、呼び戻せるさ。
探し求めては折に触れて見つけたものだと思えるような、
そんなもので私の心はいっぱいだ。
だがもうおしまいにする。というのも、目覚める<理性>は
行き過ぎた譫妄を病的だと見なし、[私は]
いくつもの声が聞こえ、いくつもの別の景色に取り囲まれる。


不滅の魂の思想。
7連の最後で、市街地の雑踏に戻るところは、さすがだなと思います。
自分の頭の中の世界でぼんやりしてたら、市街地の雑踏だった、なんて
そんなの、東京の雑踏でも感じられそう。
現実に引き戻される瞬間ですねぇ。


V.

The beings of the mind are not of clay;
Essentially immortal, they create
And multiply in us a brighter ray
And more beloved existence: that which Fate
Prohibits to dull life, in this our state
Of mortal bondage, by these spirits supplied,
First exiles, then replaces what we hate;
Watering the heart whose early flowers have died,
And with a fresher growth replenishing the void.

VI.

Such is the refuge of our youth and age,
The first from Hope, the last from Vacancy;
And this worn feeling peoples many a page,
And, may be, that which grows beneath mine eye:
Yet there are things whose strong reality
Outshines our fairy-land; in shape and hues
More beautiful than our fantastic sky,
And the strange constellations which the Muse
O’er her wild universe is skilful to diffuse:
*outshine:~より強く輝く

VII.

I saw or dreamed of such, - but let them go -
They came like truth, and disappeared like dreams;
And whatsoe’er they were - are now but so;
I could replace them if I would: still teems
My mind with many a form which aptly seems
Such as I sought for, and at moments found;
Let these too go - for waking Reason deems
Such over-weening phantasies unsound,
And other voices speak, and other sights surround.

teem:〈場所などが〉(…で)満ちる,いっぱいである((with ...))
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