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錯乱[Ⅱ] ②

2004年10月02日 02:35

 僕の言葉の錬金術には、古びた手法がかなりあった。
 僕は単純な幻には慣れてしまった。やがて僕は工場の代わりにモスクを、天使たちが奏でる太鼓の学校を、天空の道を駆け抜ける四輪馬車を、湖の底の応接間を、怪物や神秘を、とても冷ややかに眺めていた。芝居のタイトルが、僕の前に恐怖を作り上げた。
 それから僕は、言葉の幻影で、自分の魔術の出来方を説明した!
 僕はとうとう自分の精神の混乱を、聖なるものだと思い始めた。僕は何も為さない人間だった。重たい熱病の虜になっていたから。僕は獣の幸福が――冥府の外れの典型的な純粋さみたいな青虫や、純潔の眠りのようなモグラが、羨ましかったんだ!
 性格は気難しくなった。僕は小唄めいた「さよなら」を世界に告げた。

   <最高塔の歌>
 おいで おいで
 夢見る時間

 自分を 忘れてしまうほど
 今まで私は 耐えてきた
 恐れ 苦しみ 何もかも
 空へと飛んで 消えてった
 熱病にも似た 渇きはね
 私の血脈 鈍くする

 おいで おいで
 夢見る時間

 忘れるはずの 草原は
 広く 広く 拡がって
 咲き乱れてる 狂い咲く
 薫る花々 毒の麦
 そこに激しく 喚くのは
 汚れた蝿の 唸り声

 おいで おいで
 夢見る時間
     ―――――

 砂漠、焼け落ちた果樹園、色褪せた店、冷めたホットドリンクなんかが、僕は大好きだった。臭い裏路地を足を引き摺るようにして歩いていた、そして、眼を固く閉ざし、焔の太陽神に身を曝していた。
 「将軍、もしも廃墟にあるおまえの城壁のうえに古びた大砲が残されているのなら、僕たちを乾いた土の塊で砲撃してくれたまえ。煌びやかな店のショーウィンドウへ! レストランバーへ! 街に灰燼を喰らわせろ。 樋嘴を錆びつかせろ。 燃え立つルビーの火の粉でどこも部屋を満たしてやるんだ…。」
 あぁ! 木賃宿の共同便所で、小蝿が瑠璃麝香草にうっとりしているよ。やがて陽の光に溶け入ってしまう!

  <飢餓>
僕の食欲 そそるのは
泥やつちくれ 石ころばかり
僕が毎朝 食べるのは
空気や石炭 岩に鉄

僕の飢餓よ、廻れ 廻れ
飢餓よ 響きの牧草さ
昼顔の心躍る毒舌を
ドキドキ惹きつけてやるのさ

粉々に砕けた 小石を食べな
教会の古びた小石だよ
昔の洪水の 砂利だよ
曇った谷間に 散りばめられたパン屑さ
  ―――
狼は 葉群の下で 吠えていた
彼の御馳走 綺麗な鳥の
羽 吐きながら。
こんなふうに 僕も焦がれる

サラダ菜も フルーツも
摘み取られるのを 待つばかり
けれど垣根の蜘蛛さんは
スミレの花しか食べないよ

眠りたい! 煮えたぎりたいよ
ソロモン王の 祭壇で。
煮立った泡は 流れていくよ 赤錆の上
そして セドロン河と混じり合う。

 ようやく、あぁシアワセよ、あぁ理性よ、僕は空から蒼さを引き剥がしたよ。それは黒の中に在るものだけど。そして僕は「自然な」光の、金色の煌きとなって生きていた。
 嬉しくて、僕は出来るだけお道化てて錯乱した表現を用いてきた。

 見つけたよ!
 何を? 永遠さ。
 太陽と溶け合える
  海のことさ。

 永遠なるは僕の魂、
 孤独な夜にも
 炎の真昼も
 きみの祈りを守るんだ。

 それゆえ、きみは解き放たれろ、
 憂き世の人の賛美から
 ありふれた世の激動から
 こころ赴くまま…

 ――希望はあり得ん。
    昇天祈願もあり得ない。
 科学と忍耐、
 責め苦は確実。

 もはや明日も、
 繻子の燠よ、
   きみの熱は
   義務なのさ。

 見つけたよ!
 何を? 永遠さ。
 太陽と溶け合える
  海のことさ。

  ―――
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